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背景が回るレンズ HELIOS-44
本シリーズの初期玉となるHELIOS-44は、KMZ社が1950年代初頭にロシア初の一眼レフカメラとなる、ZENIT-Cを開発する過程の中で生みだされたレンズです。
このレンズは、背景がグルグル回るボケばかり強調されていますが、被写体の捉え方で、いろいろな表情を見せてくれるレンズです。
KMZはZENIT-Cに搭載する大口径レンズを用意するために、ツァイス・イエナ社のBIOTAR 58mm/F2の光学設計をコピーしたBTK(BioTar Krasnogorsk)レンズを試作し、1951-1952年頃にZenit-Cのプロトタイプモデルに搭載しました。
このレンズは後にデザイン等が変更され、KMZ製HELIOS-44として1958年から製品化されることになりました。
HELIOS-44には、44~44-7まで数多くの後継モデルが存在しますが、いずれも焦点距離は58mm、開放絞り値はF2です。レンズ設計が同じなので、グルグルボケの出方はほぼ同じです。コーティングの違いによる、描写の解像度、コントラストの違いを見比べるのは難しいと思います