ブルマァク 復刻版怪獣シリーズ アリブンタ(1999)

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「ブルマァク」
怪獣玩具を集めるものにとって、それは一つの大きな壁である。
価格、入手難易度、種類の多さと難攻不落の要塞だ。筆者もまた、この要塞に一度は退却せざるを得なかったマニアの1人である。
無理もない。
中古ショップじゃ必ずショーケースに入ってるし、普通の人がソフビ人形に出せる予算を超えた金額のイメージだし、なかなか流通してないし、そもそもなんか敷居が高い。
これは私も含めて、最初は誰もが思うことだ。私もアリブンタ収集の当初はブルマァクはいいかなーって思っていた。

だが、これを見ている怪獣単推しオタクのあなた、そんなことはないですよ。

まず、値段が高いということが、実はそうでもない。
それは当時ものとなればびっくりするような値段だが、復刻版だとリーズナブルな値段で手に入る。
うん万円するものは珍しい。
次に入手難易度だが、こちらも復刻版ならば中古ショップやオークションサイトで意外と落ちているものだ。
アリブンタに関して某オークションサイトでは見ない日はないほどである。
たしかにブルマァクと聞くと敷居が高く、なかなか手を出せない人も多いだろうが、推し怪獣のブルマァク ソフビが一つでもあると嫌なことがあっても「家に帰れば推しのブルマァク ソフビがあるしな」ってなる。
現代社会を生き抜く上でもブルマァク ソフビと同棲することを私は強くオススメする。

今回ご紹介するアリブンタも私のアリブンタ収集において意味のある一体になったものである。
これを手に入れたことで私のアリブンタ収集は大きく広がった。
そういう意味では全国のアリブンター各位にブルマァクアリブンタの登竜門としてこの復刻版アリブンタをオススメする。
アリブンタはいいぞ。
では、紹介していこう。

今回のアリブンタを初めて見た時、率直に「怖いな」と思ったことを覚えている。
ホラー映画、例えば『ミスト』に出てきそうな怪物とか、実相寺昭雄の作品でオカルト作家の家のシーンでワンカットだけでてくる置き物みたいだとか、そんな感想が出てくるほど不気味である。
後期のブルマァクソフビの復刻版のため、全体的に造形が細かい。
ツノや羽など、情報量が多いため、他のブルマァクの怪獣に比べて小さい作りになっている。
相棒のギロン人とはサイズ感が違うため、絡ませて遊ばせづらい。
ブルマァクでは小さいサイズだが、ちょうど800ソフビよりも一回り大きいぐらいなので、ウルトラアクトなどと絡ませるのには最適だ。
色は薄い紫ベースに赤紫、青とさっぱりしているが、印象に残る色である。

ここからは細かく見ていこう。
まず、特徴的なのは目だ。
金色と黒の塗装が施された目は何を考えているのか分からない虚ろな目をしている。
昆虫というよりは何となくタコなどの軟体動物に近い感じの目だ。
太い腕や脚もよくできている。
赤紫のカラーリングもあって、やっぱりこちらも軟体動物とか甲殻類っぽさがある。(デザイナーの木目憲悟氏のインタビューによればアリブンタをデザインする上で手足の爪、両肩の巨大なツノなどに甲殻類のイメージも入れた記憶があるらしい。その点で理にかなっていると言える)
さらに裏返して見てみると、背中も怖い。オリジナルのアリブンタを再現している気泡のようなイボイボが無数にあるが、その形が独特なため、水膨れのように見えてしまう。
はじめて見たときは鳥肌が立ちそうになったのを覚えている。
以上のことから、これまで紹介してきた可愛らしいアリブンタというよりは「怪しいもの」という本来の意味での怪獣っぽさが前面に出ている出来である。
軟体動物や甲殻類のニュアンスも入っているため、なんとなくクトゥルフ神話の怪物のようにも思えてくる。

アリブンタは本来、地球侵略のために送り込まれた超獣兵器。都心の地下に身を潜め、O型の女性を異次元蟻地獄で捕らえ捕食する。
危険を察知すると蟻酸ミストにより生物を白骨化させてしまう。
という本当は子供達にとってのトラウマ超獣であることを再認識させられた。
そういう意味でも私にとってアリブンタ収集のターニングポイントになった一体である。

話は最初に戻るが、こんな不気味なアリブンタだが、最初に手に入れられたときはとても嬉しかったし、ずっと眺めていられた。
ブルマァクシリーズはたしかに足を踏み入れにくいシリーズかもしれないが、私のアリブンタ棚において今ではなくてはならない存在になっている。

いつか当時もののブルマァクアリブンタも手に入れる。絶対に。

#夏はウルフェス
#夏はアリブンタ

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