洋泉社 封印作品の憂鬱

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2008年12月1日初版発行
発行所 株式会社洋泉社

平成20年(2008年)に洋泉社より刊行された「封印作品の憂鬱」です。
第一作目『封印作品の謎』(太田出版)では『ウルトラセブン』のスペル星人や『怪奇大作戦』の狂鬼人間など、表現上の問題でシリーズから封印されてしまった作品を、第二作目『封印作品の謎2』(太田出版)では『キャンディ・キャンディ』や『オバケのQ太郎』のようなキャラクタービジネスの肥大化に伴う人間関係の軋轢や行き違いから生じた問題で封印されてしまった作品を取り上げてきた安藤氏が、今作で挑んだのはドラえもん・ウルトラマン・涼宮ハルヒの三作品。いずれも日本ばかりか世界的にも人気の高いタイトルですが、その中から日本テレビ版『ドラえもん』・日タイ合作映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』・みずのまこと版『涼宮ハルヒの憂鬱』といった、“メディアミックスの鬼っ子”たちにスポットライトをあて、その背後に広がる闇を照らし出しています。
個人的には、日テレ版『ドラえもん』の章をとても興味深く読みました。リアルタイムで視聴していたこともあって思い出深い作品です。しかし、そこから浮かび上がってくる事実は、ノスタルジックな感傷を打ち砕く、キナ臭くて衝撃的な話でした。
原作者の藤子・F・不二雄先生がこの作品を気に入っておらず、その意思が現在も生きていて、それが封印の大きな要因になっている...というのはこれまでにも囁かれていた話ですが、安藤氏の探究心はそこで止まりません。作品が生まれた経緯、背景を丹念に探っていくことで’70年代初頭の放送業界再編成と利権、そこに渦巻く人間模様といった、戦後昭和史の知られざる事実までも暴き出しています。いやはや、何とも凄い本です。何たって、話が日テレ版『ドラえもん』から時の権力者・田中角栄まで行ってしまうんですから...
デビュー作『封印作品の謎』の時から感じていたことですが、安藤氏の著書にはルポルタージュの体裁を借りながらも、優れたミステリー小説を読んでいるかのような興奮・スリルがあります。本書では更にそれに磨きがかかってきたようです。

#封印作品 #日本テレビ版ドラえもん #ドラえもん #ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 #ハヌマーン #涼宮ハルヒの憂鬱 #安藤健二 #洋泉社

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    オマハルゲ

    2019/10/06

    世代によってはドラえもんといえば日テレ版という人も多いと思います。
    ドラえもんの声が富田耕生というおじさん声優だったのに違和感を感じながら視聴したという思い出が…。後半野沢雅子に変わりましたが、やっと慣れたと思ったら打ち切り。変に印象に残る番組でした。

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2019/10/06

      富田耕生さん、裏番組の『マジンガーZ』でもDr.ヘルの声を充てていたんですよね。いくら大らかな時代とはいえ、本当にビックリです。

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