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秋山兄弟物語
人間は苦労せんとできあがらんのじゃ
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昔の人からの、聞き覚えあるこんなセリフも…この人物から聞かされると、妙に含蓄込もって聞かされる気がしてしまうのは。。。
数年前、ドラマ化されて観た『坂の上の雲』は、作家・司馬遼太郎の作品。
原作を読んだことありませんが、ドラマはとても印象深かったのを覚えています。
四国・松山を舞台に、ここで生まれ育った秋山兄弟の、明治時代を生きた人間模様が描かれる物語。
兄・秋山好古(よしふる)と、
弟・秋山真之(さねゆき)は、貧しい藩士の出から軍人となり、日露戦争で活躍する…アバウトに言うとそんなストーリー。
同時代を生きた正岡子規、東郷平八郎、乃木さんなど。
ほぼ名前くらいしか聞いたことない、軍人が主役のストーリーなんですが、こういう時代だったんだなぁーと知れて新鮮に興味深く。
そんな秋山兄弟の生まれ育った家が今に残されています。場所は、松山城へ上がる山裾近くにこじんまりと。
明治時代というと、結核が流行りーの野麦峠だの…暗い格差社会のイメージがあるものの💧
江戸から明治へと近代化するために、どこもかしこも上昇気流~!を目指した、、新たなたくましさを感じる時代でもあったんですねぇ。
彼らもこの明治の上昇気流に、見事に乗るわけです。
貧乏な秋山家、、と物語ではよく出てくる。
でも当時は多くがそんな境遇。貧しさがさほど劣等感にならない明るさ、逞しさみたいなのはあったかもしれません。
(それが昨今とは違う事情?😕)
当時は政府も制度もなにもかもが手探り状態、人材は足らず。新しいチャンスに満ちてる時代とも言えたワケですな。
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そんな物語で印象に残ったのは、兄・好古の晩年でした。
陸軍大将にまで昇りつめた好古。
その先…といえば“元帥”の椅子に出世するのが、この頃の流れだった。。
ですが彼はきっぱりと退き、故郷・松山で校長を務めます。
実は、若い頃から教育に携わりたい夢があったのです。根本は教育が大事だと、思うところがあったのでしょうか。
軍人として活躍するのが不本意だったとは思わない…。けれど本当にやりたかったことに立ち返れるこの、、なんでしょね…潔さっていうの😌
おそらくサムライの気概というか、貧乏なところから出発してるがゆえの原点への慎ましさ、というか。
貧しくとも恥じるところはない!みたいな思いが、人生に昇華してるかのように見えて、感動するトコだったですね。
それは好古のみならず、物語で登場する軍人さんに往々にして感じる部分でもあります。
多くが幕末を生きたこともあり…どこかに武士道の精神が宿ってるとも言えるか。
年代で言えば好古は、明治より10年前の生まれ。真之や正岡子規は明治と共に生まれてる。
なので、彼らは江戸時代を知らない世代なのですが、周囲の大人たちにサムライ精神の空気を感じながら育ったことでしょう。
明治を過ぎると軍人も、だんだん悪く変わっていくのは時代の悲しさか。悪くというか、官僚的になっていく。
明治を生きた、一服の清涼感(キザ?w😆)のような生き様が、好古らしさを思わせて魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=sqhCtr15FQE