月報 コロムビア 1967〜1969年

0

1969年5月が2冊ありますが、従来型の5月新譜版(4月発売)と5月発売版ということです。

国内ではグループ・サウンズ(GS)が大流行していた時代ですが、コロムビアのトップ・スターはジャッキー吉川とブルー・コメッツでしょう。キャリアの長いバンドで、ミュージシャンとしての保有能力が高かったと思います(譜面が読める、きちんと器楽演奏が出来る、作曲・編曲が出来る等)。当時私がよく行っていたレコード店に、三原綱木さんのご兄弟がいらっしゃって、「似てる」と話題になっていたものです。(画像は1967年9月号の広告)

この頃45回転盤LPが各社から発売され、話題になっていました。収録時間は短くても良い音で聞きたい、というオーディオ志向の強い商品でした。コロムビアからも「サウンド・ラボラトリー・シリーズ」が発売されました。(1968年3月号)

1968年6月号では、バーンスタインによるマーラー交響曲全集の発売が告知されています。こういったセット企画が出て来る理由のひとつに、日本コロムビアと米CBSとの契約切れ問題があったと思います。
背景にあるのが「資本の自由化」です。レコード会社も外資比率が50%まで認められることとなり、米CBSはこれを機に合弁会社を作りたがっていたのですが、日本コロムビアは(と言うか、日本のレコード会社はどこも)腰が重かったと言います。その時手を上げたのがソニーだったというわけで、CBS・ソニーレコード(株)が誕生することになります。
映画「卒業」のサントラLP(サイモンとガーファンクル)は1968年6月30日臨発となっていますが、これがコロムビアから発売されたCBS盤の最後になります。
因みにCBS・ソニーの設立は68年3月11日、第1回新譜は68年8月21日発売でした。

1968年11月号ではブッダ・レーベルのLP第一弾(1910フルーツガム・カンパニー)が紹介されています。このブッダからはオハイオ・エクスプレス,レモン・パイパーズ,インプレッションズ,メラニー等が登場し、CBSを失った直後の日本コロムビアの洋楽ポップス部門にとって、重要なレーベルだったと思います。

タクト・ジャズ・シリーズも貴重なものでした。録音機会に恵まれない国内のジャズ・ミュージシャンが懸命にプレイしたのだろうと思います。(68年12月号)

デノン・レーベルからデビューしたベッツイ&クリス、このデビュー曲もそうですが(1969年10月1日発売)、北山修/加藤和彦のコンビによる優れた楽曲にサポートされていました。

#アナログレコード
#レコード資料

Default