ローズ トゥ ロード the Roads to the Lord

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本作はツクダホビーから発売された純国産の商業ファンタジーTRPGの第一号です。『Traveller』の日本語ライセンス版とほぼ同期、『D&D』すらまだ日本語版の発売される前でした。それまでの国産TRPGはバンダイのDOシリーズなど単発のキャラクターものが多かったため、大いに期待されセールスも好調だったと記憶しています。
外箱の中にはルールブックとシナリオブック、ワールドガイドの3冊、フルカラーの世界地図、戦闘用のヘクスボード、チャートサマリーシート、ラミネート加工された魔法カード、戦闘用のコマシート、小さめのホワイトメタル製フィギュア4体とダイスが入っています。
ルールブックはB5版で実質12ページで、それまでに発売されたバンダイやツクダホビーのTRPGと比べても薄く、内容も薄いものでした。これはデザイナーズノート内で語られる「RPGに必要なのは最小限の規定で、あとはGMの常識と判断で展開するのが、RPGの本質」との考えによるもののようです。
ワールドガイドは実質14ページ。物語の舞台となるユルセルーム世界の歴史や地理、遭遇する生物などが紹介されています。
シナリオブックは実質16ページで、練習用のパラグラフゲームブック風極短編1本と、その続きとなる短編シナリオ1本が収録されています。
魔法カードは99枚入っていて、かなり特殊といっていい魔法ルールに欠かせないものです。特殊すぎて機能しているとは言い難いものでしたが。
最大の魅力は加藤直之の箱絵と、B1判サイズの世界地図で、大いに妄想が捗るものでした。

その後、サプリメントとしてワールドガイドが2セット発売されて、ツクダホビーからの展開は終わりました。出版社とルールシステムを変えて『ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード』や『(新)ローズ・トゥ・ロード』といったシリーズが展開されており、ユルセルーム世界は今でも人々を魅了しています。

#ユルセルーム世界 #RtoL

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