金鉱石 (gold ore) 赤石鉱山 #0639A/B/C

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赤石(あけし)鉱山の小さな含金珪酸鉱3点で、1~4枚目が標本A、5~6枚目が標本B、7~8枚目が標本Cです。ルーペで観察すると自然金が確認できます。(背景はソフトウエア処理しています。)

赤石鉱山は1890年(明治23年)に発見され、1903年(明治36年)に操業は開始された金および含金珪酸鉱を産出する鉱山で、1906年(明治39年)以降は宮内氏が経営、1987年(昭和62年)以降は三井串木野鉱山株式会社と有限会社宮内赤石鉱業所が共同で稼行している日本では数少ない現役鉱山です。赤石鉱山の採掘対象となる鉱床は南薩型金鉱床と呼ばれる浅熱水性高硫化型鉱床で、南薩中期火山岩類の安山岩が酸性変質作用を受けて生成した珪化岩の中に胚胎する鉱染型の鉱床とされています。赤石鉱山の珪化岩は東西約300メートル、南北約200メートル、地下約270メートルの楕円形をしており、この中に第1から第4までの鉱体が胚胎しており、平均2~7g/トンの金を含有します。これは鉱脈型の高品位鉱山である同じ鹿児島県の菱刈鉱山(鉱床探査の試錐で290g/トン、鉱山の平均でも約20g/トン)に比べると大幅に低い数値ですが、赤石鉱山は露天掘りや機械化された大規模坑内掘りによる低コスト採掘が可能であり、含金珪酸鉱には金の抽出目的のみならず銅製錬のためのための融剤としての用途があるため、現在も稼行を維持することが可能になっています。

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