黒鉱 (kuroko ore) 石見鉱山 2号脈 #0608

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新第三紀初期から中期の海底火山活動によって生成したグリーン・タフ地域が北海道、東北地方日本海側、北陸、山陰にかけて分布しており、石見鉱山(いわみこうざん)は山陰地域の代表的な黒鉱鉱床のひとつでした。黒鉱は主に閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱などからなり、黒っぽい外見を呈し、その周囲には貴金属(金、銀)も多く含まれます。(1枚目~3枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

石見鉱山は有名な石見銀山とは別の鉱山で、太田市五十猛(いそたけ)町に所在し、元は石膏や黒鉱を産出し、その後近年までゼオライトを採掘していました。1919年(大正8年)、松江市の水藤嘉吉が重晶石を採掘したことに始まり、1935年(昭和10年)から1944年(昭和19年)にかけて高丸露頭で露天掘りにて金銀珪酸鉱を採掘、1952年(昭和27年)に日満鉱業により石膏と黒鉱の鉱床が発見されました。1955年(昭和30年)に三井金属鉱業が全工区を買収、1962年(昭和37年)以降は子会社の石見鉱山株式会社が石膏と黒鉱の採掘を行いました。石膏の採掘は1975年(昭和50年)に終了、黒鉱の採掘は鉱量枯渇により1984年(昭和59年)に終了し、1977年(昭和52年)から2020年(令和2年)までは三井金属資源開発によりゼオライトの採掘が行われました。

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