MD ROKKOR 50mm F1.7

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MD ROKKORレンズは1977年に発売されたミノルタXDの両優先AEに対応すべく登場したレンズシリーズです。

MD ROKKOR 50mm F1.7には大きく分けて前後期の2タイプがあるようで後期型はフィルター径が49mm,質量も160gと小型軽量化されています。この個体は小型化する前のモデルでフィルター径が55mmです。後期型の登場が1979年の始めごろのようなので,前期型の販売期間はそれほど長くなかったかもしれません。おそらくMC ROKKOR-PF 50mm F1.7をシャッタースピード優先AEに対応させただけでリリースされたものと思われます。ただMC ROKKOR時代よりもMD ROKKOR時代になると緑のロッコールたるアクロマティックコーティング(AC)を施した面が減ってたったの1面だけになっているという話もありますし,最短撮影距離が少し短くなっています。そのために光学系も再設計されているものと思われます。外観はMC時代と比較して明らかにチープになっています。

この世代以降のrokkorレンズはレンズ群がプラスチックのモールドで固定されているため分解が難しくカビが生えるとメンテナンスをするのが非常に難しいレンズです。こんなところにもコストダウンの影響がでているというのはある意味,おもしろいですがなんとも世知辛い話です。しかしその一方で,入門用のセットレンズとして色々な部分でコストをギリギリまで削ってはいるものの,性能は精一杯よいものを目指していたはずです。カメラのセットレンズとして多くの人が手にするレンズであり,ユーザーにとって最初のレンズがダメなら誰も他のレンズを買ってくれません。ですからコストダウンしつつも性能を維持すべく力が入っていたと想像します。レンズの生い立ちや立ち位置を考えれば耐久性やメンテナンス性は兎も角として,基本性能が悪かろうはずがありません。

実際,写してみるとよく写るレンズであることがわかります。

この個体は新宿でやっていたクラシックカメラ博のジャンクかごから救出してきた5本のレンズのなかの1本です。レンズに大カビがあってこりゃだめか,という感じでしたが,意外にもカビは前玉と後玉の外側に生えているものがほとんどだったので,分解しないで外側を掃除したらそれなりに綺麗になりました。そもそも分解してもメンテは難しいレンズなのでレンズ内部の汚れは気にせずそのまま実戦投入です。

このレンズによる作例は,
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MD%20ROKKOR%2050mm%20F1.7
に置いています。

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