マイ、フェイヴァリット、シングス、ジョン、コルトレーン

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帝王マイルス・デイヴィスのグループから独立したジョン・コルトレーンは、マッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズという彼にとっての最良のメンバーとカルテットを結成。本盤の録音に臨んだ。
本盤のタイトル曲は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌。しかし録音された時点では、名作といわれた「映画」はまだ封切られていない。舞台での人気曲ではあっても、この演奏がファンに支持されたのは、3拍子によるジャズの心地よさ、それを叩くドラマーのダイナミックさ、そして何よりもコルトレーンの吹くソプラノ・サックスがこのメロディに非常に良くなじんだからである。コルトレーン自身も気に入り、生涯の愛奏曲となった。晩年にはそれこそ凄まじい演奏になってしまうが、本盤では、かわいらしいメロディを、突き抜けるようなソプラノ・サックスで丁寧(ていねい)に吹いている。そこが人気の秘密であろう。ほかにもガーシュイン、コール・ポーターという大作曲家のスタンダード曲を演奏している人気盤。(高木宏真)

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