ブレンデルのバッハ、イタリア協奏曲

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「イタリア協奏曲」が好きで、収録されているCDを何枚も持っている、
このアルバムの冒頭に収められているブレンデルの演奏では、テンポが速いとか遅いとか、
タッチがどうこうなどということは、問題ではなく、そこにすでに、あまりにも厳然と、
手で触れるほどの確かさで、バッハの豊かな音楽が鳴り響いている。

あとはただその響きに耳を奪われ、時が過ぎていくのに、身をまかす。
これは音楽好きにとって至上の時間であり、経験。

心を込めて弾いているとか、バッハ理解がどうとか、そういうことを言う気もなくなる。
今まで聴いたバッハ・アルバムの中でも、最上位に来る演奏であり、
今まで聴いたブレンデル・アルバムの中でも、最高ランクに置きたい1枚。

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