レスピーギ ローマ三部作 トスカニーニ

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レスピーギ
①交響詩"ローマの松"
②交響詩"ローマの噴水"
③交響詩"ローマの祭り"

指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
録音:1953年、1951年、1949年

“ローマ三部作"の決定盤として語り継がれている名演中の名演。モノラル録音ながらも音質は良好で、鋭く切れ込んで咆哮する金管や、雰囲気豊かに瞑想する木管、鋼のように強靭な輝きをみせる弦が、それぞれの情景を描き出すさまが鮮烈に伝わってきます。トスカニーニの、管弦楽を一体として息づかせ推進させる統率力、曖昧さや媚びを許さず、純度の高い音響で勝負しようという気迫にはひたすら圧倒されるのみです。

華麗なオーケストレーションゆえにステレオ時代になってから、いくつもの名演・名録音が登場した《ローマ三部作》ですが、60年以上前のモノラル録音であるトスカニーニ盤は、色褪せることがないばかりか、依然としてベストを争う超名演として評価されています。引き締まった造型と燃え上がるような情熱の一体感は、不滅の名盤と呼ぶのにふさわしいものです。

『初めて三部作を聴いたのはオーマンディ盤(RCA)。今聴いても大変美しい演奏。その次がこのトスカニーニ盤。その後ムーティやらマゼールやら幾枚かいろいろ聴き、それぞれにいいと思った。が、トスカニーニだけは別格、段違いのような格差を感じる。オケの技量や録音の巧拙を超え、楽曲を完全に自分の音楽としてしまって、一心同体となって演奏(指揮)している、揺るぎなさがある。これには他の誰のどんな技や解釈も通じまい。』

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