シベリウス 交響曲第2番

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モントゥーさんの演奏は、リマスタリングされているので状態は良いです。ホールトーンの豊かな響きを持っており、多分、初めて聴いたシベリウスの2番が、この演奏だったと思います。単純に息が深いと表現するだけで良いのか、ちょっと考えさせられるほど、瑞々しさを感じます。特に弦が美しく、表情が豊か。中間音域が、少し薄い感じですが密度の高い演奏です。ザンデルリンク盤のように重々しくなく、リズミカルで跳躍感があって心地良い演奏です。さらり~ からり~とした感覚。後半の楽章では、オーボエとクラリネットが、ゆったりと歌っており、感傷的で、良い意味でのロマンティックさがあります。聞き進めていくうちにラテン系の大らかさ、艶が弦に出ています。第4楽章に入る手前のチェロの甘い響き、ふわっふわ感、弦の響かせ方が波打っており驚かされます。
氷の世界が広がる演奏では、弦の動きで、ガンガン カシカシしていますが、柔らかい、しなやかな弦で、暖かみがあって表情豊かです。後半2楽章は、喜びに満ちあふれてくる楽章となっています。

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