フェリア.ディースカウ/マーラー.亡き児をしのぶ歌.さすらう若人の歌

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歌曲集「さすらう若人の歌」は交響曲第1番ニ長調第1楽章に登場(「朝の野を歩けば」)して、親しみやすいもの。例の如し、語りかけるように表情豊かなフィッシャ=ディースカウの歌唱は微に入り細を穿つもの。嘆きの失恋色濃い「恋人の婚礼の時」、「朝の野を歩けば」は懐かしい旋律にファルセットの抜き方の上手いこと。フルトヴェングラーはいつもの熱狂に非ず、入念な伴奏に徹して明晰な響きを実現しております。音質も良好。「僕の胸の中には燃える剣が」に於ける妄想の執念の激しさ、情感の爆発。「恋人の青い瞳」は交響曲第1番第3楽章に引用されて、これもお馴染み。テンポは遅め(交響曲と速度指定が違うのかも)重い足取りに、やがて浄化されていく心情がしっとりていねいに表現されました。最高。

 

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