ショルティ/マーラー交響曲第2番復活

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ショルティ/シカゴによる1980年の録音。
ショルティらしい質実剛健な演奏。エコー控え目でリアリティーの高い音で収録されています。壮大なスケールで演奏しています。1980年頃はまだこのようなダイナミックレンジの広い録音が少なかったので貴重な一枚でした。
2001年にシャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウがやはり壮大なスケールでマーラー2番を収録していますが、比べてみるとショルティは直球勝負であるのに対し、シャイーは劇的な効果を狙っているため、演出がやや作為的に感じられる部分もあります。それぞれに良さがあって、ストレートで力強い2番を聴きたければショルティ、シンフォニックな響きと現代的なリアリティーを追求したければシャイー、と言ったところでしょうか。
その他にバーンスタイン/NYPO、テンシュテット/ロンドンフィル、アバド/ウィーンフィル、ベルティーニ/ケルン放送交響楽団などによる抒情性や格調の高さなどを追求した作品もありますが、リアリティーの高さではこのショルティ―/シカゴの演奏が今でも優れていると思います。

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