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John Barleycorn Must Die Traffic
1970年7月にリリースされた、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3名によるトラフィック復活第一弾アルバム。
彼らの代表作といわれる出来ばえで、多種多様な音楽要素の融合を試みるという、結成当初からの基本理念は揺らぐことなく、牧歌的でナチュラルな雰囲気と格調高さを保ちながら、フォーク、ジャズ、スワンプのエッセンスを濃厚に振りまいた独特のサウンドを展開している。トラフィックの作品群のなかでは最も統一感があり、英国的な香りに満ちた傑作。
タイトルにもなった「John Barleycorn」は、英国のトラディッショナル・ソングをアレンジしたフォーク・ロックで、クリスがメンバーに紹介した。この伝承歌には100以上ものヴァージョンが存在するといわれており、最も古いものだと17世紀のジェイムズ一世の時代にまでさかのぼるという。トラフィックは英国のフォークグループ、ザ・ウォータースンズが歌ったヴァージョンをベースにアレンジしている。ジョン・バーリーコーンとは酒の原料となる大麦の粒を擬人化した言葉で、これを大地に蒔き、刈り取り、そして酒となるまでの物語がここで歌われている。歌詞には前述の通りいくつもの解釈があるが、豊作の祈願のための生け贄にまつわる風習、あるいはキリストの復活にまつわる古代伝承と関連があるという。ドラムレスでスティーヴのアコースティックギターとピアノ、クリスのフルートをバックに、スティーヴとジムのデュオで歌われるこの曲は、アルバム全体の白眉であると同時にトラフィックを代表するナンバーでもある。
ジャケットに使われた古風なイラストは英国フォーク&ダンス・ソサエティ所蔵のもので、デザインはフリーなどを手掛けているマイク・シダ。(全英チャート5位、全米チャート11位)