デュシャン

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宇佐美圭司著
20世紀思想家文庫13
岩波書店
1984年3月30日発行

マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp、1887年7月28日 - 1968年10月2日)は、フランス生まれで、1955年にアメリカに帰化した美術家。ニューヨーク・ダダの中心的人物と見なされ、20世紀の美術に最も影響を与えた作家の一人と言われています。コンセプチュアル・アート、オプ・アートなど現代美術の先駆けとも見なされる作品を手がけました。
デュシャンが他の巨匠たちと異なるのは、30歳代半ば以降の後半生にはほとんど作品らしい作品を残していないことです。没したのは1968年ですが、「絵画」らしい作品を描いていたのは1912年頃までで、以降は油絵を放棄し、「レディ・メイド」と称する既製品(または既製品に少し手を加えたもの)による作品を散発的に発表しました。1917年、「ニューヨーク・アンデパンダン展」における作品が物議を醸しました。その後、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」という通称「大ガラス」と呼ばれるガラスを支持体とした作品の制作を未完のまま1923年に放棄し、ほとんど「芸術家」らしい仕事をせずチェスに没頭していました。チェスはセミプロとも言うべき腕前でした。
代表作:「チェスプレーヤーの肖像」、「階段を下りる裸体No.2」、「花嫁」、「自転車の車輪」、「ビン掛け」、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」、「泉」、「L.H.O.O.Q.」、「パリの空気50cc」、「フレッシュ・ウィドウ」、「回転ガラス板」、「(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ」、「髭を剃られたL.H.O.O.Q.」

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