- AlanSumith-C-1138 Museum
- 13F 書籍と文具の部屋
- 軍艦島 実測調査資料集 (第1版)
軍艦島 実測調査資料集 (第1版)
軍艦島実測調査資料集 - 大正・昭和初期の近代建築群の実証的研究-
阿久井喜他孝・滋賀秀實 編著
東京電機大学出版局/1984年/第1版/689ページ/14000円+税
廃墟マニアに知られた無人の半人工島であり、2015年に世界文化遺産に認定された長崎県の「端島」通称『軍艦島』を建築的な側面から実地調査。その結果を詳細な図面集としてまとめた脅威の資料集です。これはその第1刷。
現在、第3版(経年劣化の記録などを追加した[追補版])まで出版され、電子書籍版はKindleでも入手可能です。
今年(2024年)、操業中の『軍艦島』を舞台にする連続ドラマ『海に眠るダイヤモンド』がTBS系で放送。
セットやCGによって端島の全景、住居、生活空間がリアルに再現され、台風や労働争議など島の環境や産業など当時の現実を可能な限り再現し話題となっています。
※タイトルのダイヤモンドは「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭と「ダイヤのように輝いた人々の人生」のダブルミーニングだと思われます。
この資料収は、I.写真編、II.図面編、III.解説編に区分され、中でも圧倒的なのが測量によって作製された島内構造物の膨大な数の図面を掲載した図面編。
各住居棟の正確な図面はもちろん、階層を貫く給排水設備の構造や、斜面を削った階段の俯瞰・断面、空中回廊の工法等々、あらゆる部分を図面化し、その総数は750点以上。
一般向けの資料ではありませんが、世界に類を見ない特殊な人工島で、当時の日本における最先端の高層建築住居と最高人口密度を誇ったエネルギー生産の拠点『軍艦島』。これはその設計図と呼んでも過言ではない一冊です。
※画像4枚目のカラー写真は、私が1987年に端島で撮影たもの。
島の映画館「昭和館」がまだ形を残し、劇場内部の客席や映写室の上映機器も朽ちてはいても元の姿を保っていました。
現在は入口部分の構造物以外すべて無くなっています。
mjmat
2023/05/03 - 編集済みこれは欲しいなー。10年以上前に,コンビニで売っていたドローンで島内を撮影したDVDマガジンを買って以来,一度じっくり調べてみたいと思っていたところです。
4人がいいね!と言っています。
墨石亞乱
2023/05/03 - 編集済みコメントありがとうございます。現在はもう随分と風化が進んで、ビル群の崩壊も待ったなし。修復したくても色々と制約があって出来ないことが多いようです(-_-;
3人がいいね!と言っています。
mjmat
2023/05/03実際に実地を踏査されたとのことで,とてもうらやましく思います。良い経験をされました。
2人がいいね!と言っています。
墨石亞乱
2023/05/03廃墟ブーム以前なので可能だったことです。
子供の頃の経験で魚船をチャーターできると私が知っていたから行けたのですが、許可も安全対策も無い大学生数名だけでの上陸。ケガが無くて幸いでした。
4人がいいね!と言っています。
墨石亞乱
2023/05/03 - 編集済み余談ですが、長崎市出身の私は父親に連れられて軍艦島に魚釣りに行ったことがあります。島は既に閉山した後で無人、今のような観光船も無かったので、父ほか数名で地元の漁船をチャーターして渡りました。でも島外周の堤防がすごい高さで、子供には怖くて釣りなんか出来なかったのを覚えています。
4人がいいね!と言っています。
mjmat
2023/05/03実際に経験された方ならではの情報です。船がなければ行けないところだからこそ,歴史的なものが残されていたのかもしれません。
知り合いの住む島にも,地元の漁師の方しか知らない戦時中の遺跡があるそうです。
4人がいいね!と言っています。