関西人と鉄ちゃんなら読める地名

東京の両国国技館の付近に「横網（よこあみ）」という地名がありますが、場所柄、お相撲さんを連想して「横綱（よこづな）」という地名だと勘違いしてしまう人がいるように、「網」と「綱」って、紛らわしいですね。

京都や大阪あたりで西に向かう東海道／山陽線の行き先に「網干」というのがありますけども、これだって知らない人が字だけを見たならば「網」なのか「綱」なのか、すぐには分からないと思います。
というか、私も読めませんでした！

「あみ」だと分かっても「あみほし」と読んだり、場合によっては「つな」に見えてしまって「つなほし」って読んでしまうかも。

だいたい、網干ってどこなんでしょう。

電車ってのは終点の行き先は毎日のように耳目にしていても、実際に行くことってほとんどありませんもんね。
滋賀の草津あたりから網干行きに乗ったって、降りるのは京都や高槻や大阪だろうし。
先日、新橋駅のホームで上野東京ラインの黒磯行きを見かけましたが、これだってなまじ「磯」なんてあるから、縁のない人からしたら海沿いの街にでも行く電車かと思ってしまいそう。
本当は栃木の那須塩原に着くんだけど。
反対方向の小田原や熱海行きに乗れば、実際に大磯（神奈川）という海水浴場に行く駅もあるわけだから、余計にまぎらわしいです。

で、話がそれましたが、網干の読み方は「あぼし」でした。
今回はこの網干駅の戦前スタンプ。
昭和１０年の６月１４日に押されたもので、駅名だけでなく地域の「名物」も載ってます。

１枚目は「大日本セルロイド」の工場が描かれてますが、これは現在の「ダイセル」ですね。
ダイセルというより、一定の年齢層には「ダイセル化学」の方がピンときやすいかも。
ただの「ダイセル」になったのは平成２３年からだそうです。

２枚目には「揖保乃糸」と「淡口醤油」。
揖保乃糸は揖保郡太子町などで作られている素麺ですが、太子町には駅がなく、最寄りは網干駅。
淡口醤油は現在のたつの市で１６６６年に初めて造られた醤油だそうで、京都方面にも出荷されていたらしく、貨物を扱っていた網干駅に縁があったのかもしれません。

網干駅の南側には山陽電鉄の山陽網干駅（旧・電鉄網干駅）もありますが、あちらの開設は昭和１６年でした。

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