1993年製作 ユナイテッドアローズ別注 フルブローグ トライアンフ

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1993年ユナイテッドアローズ別注のフルブローグ トライアンフです。ラストはセミスクエァの33、アッパーはやや硬いカーフでバーガンディーのような赤茶です。共箱にはLONDON TANと書かれています。メダリオンのデザインもとても珍しいものです。ソールは厚めのシングルソールで、アウトソールの刻印は筆記体です。
ローバーのところでもご説明しましたが、この靴は「ソブリン」というシリーズで、インソックはもちろん箱までオリジナルのものになっていました。1993年初頭、雑誌(BIGIN)で「アッパーの革質を少しだけ落とし、価格を下げた(確か58000円)グリーンの靴を展開する」という記事を読んで、いつ発売されるのか楽しみにしていました。
私は1993年当時、仕事の関係で旭川に住んでいたのですが、そこにアローズの支店があって購入しました(札幌にもアローズがなかったのに、なぜ旭川に開店したのかは未だに謎)。外羽根としてはこの靴とカーディフに似たローバー(ラスト33)、ドーバーに似たブリストル(ラスト32、)内羽根ではチェルシーに似たキャップトゥ、他にチャッカーブーツ(いずれもラスト88)がありました。履いた印象として、残念ながら靴の質はプロパーのグリーンには敵わないと感じました。「トライアンフ(勝利)」というペットネームがちょっと皮肉に感じられます。

ただ「グリーンにオリジナルの靴を作らせた日本の会社」は、後にも先にもアローズだけだったと思います。

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