「買いたい新書(ターヘルアナトミア)」~ドーバー解剖
おじさんたちがダジャレを言うのは、脳科学的には「前頭葉がそれを言うのを我慢できなくなる老化現象」だということです。「オヤジはそれを我慢できない」ってやつです。 さて、旧グリーンのノルヴィージャン・シューズには、ダーウィンの進化論のような「形態の変遷」というものがあって、最終的にドーバーという靴になったようです。 下の写真の中央がドーバー、右が444、左が773という60年代から存在した靴で、当時ペットネームはありませんでした。773はモカ縫いがライトアングル、つま先のスキンステッチはドーバーと同じです。444はUモカは二連のミシンステッチのみ、つま先の縫い合わせもありません。3つの中では一番洗練されていない感じがします。フルスティック氏は773のトゥの仕様は生かしつつ、より軽快な印象を持たせるためにこのドーバーという靴をデザインしたのだと思います。 上の三足は比較しやすいことに、いずれもセミスクエアの33ラストです。 444のモカ部分の二連のミシンステッチです。これも縁ぎりぎりを縫っており、技術的にはかなり高度なものだと思われます。 左は773、右はドーバーです。 横から見るとカッティングが違っています。ドーバーの方がシンプルなスタイルです。 トゥ先端のスキンステッチは左の773の方が長目です。コバは断然773の方が張っていますが、爪先そのもののボリュームは右のドーバーの方があるように見えます。 ちなみにこれは70年代の2アイレットのノルヴィージャンシューズのトゥです。33ラストですが、コバは張っていません。 1970年代製作 2アイレット ノルヴィージャン https://muuseo.com/shinshin3/items/412 グリーン参る 右がドーバー、左が773ですが、ヒール部分のカッティングは三足とも同じです。最終的に「ドーバーのスタイルが一番洗練されたもの」だとフルスティック氏が考えてドーバーが生き残ったのでしょう。 1970年前後 ワイルドスミス別注 ノルヴィージャン "444" https://muuseo.com/shinshin3/items/127 グリーン参る 1983-1985年頃製作 ロイドフットウェア別注 ノルヴィージャン ”773” https://muuseo.com/shinshin3/items/312 グリーン参る 1988-1989年頃製作 ポールセンスコーン別注 ドーバー https://muuseo.com/shinshin3/items/197 グリーン参る 最後に古いポスター風にコラージュしてみました。 皆さんは三足の中でどの靴が一番お好きですか? #エドワードグリーン #入手