『新車年鑑1995年版』より
こんにちは。登録以来かなり間が空きまして・・・(汗)。 1990年代の折り返し地点と言えるこの年の鉄道車両は、鉄道の世界においてもまた時代の転換期に差し掛かったことを映し出しているかのようでして、イニシャルコストやランニングコストの低減化を目指した車両の台頭、これまで以上に大規模な改造・更新工事の実施例が目立つようになりました。 ※表紙写真形式雑感 ① #名鉄キハ30形 気動車 輸送人員の特に少ない線区向けに投入されていたキハ10形気動車の置換えを目的に登場。車体の大型化と2軸ボギー台車の採用によって、輸送力や乗り心地・走行性能の向上を図り、冷房化や車イススペースの設置といった接客面でのレベルアップも盛り込まれている。 ② #智頭急行HOT7000系 気動車 智頭急行線の開業にあたり、主に鳥取と大阪の都市間輸送を担う特急列車用の車両。中国山地越えとなる厳しい路線環境下での高速性能に力点が置かれ、高出力のエンジンや制御式振り子装置を装備。また、各車両に設置したモニターを通して、運転席からの前面展望映像を乗客に提供するユニークな試みも。 ③JR東日本 #E991系 電車「TRY-Z」 社会情勢に相応しい低コスト化、情報技術の導入、環境負荷の低減といった当時における先進的な開発目標の下、将来的な在来線の速度向上を見据えて、車体構造や搭載機器類に新技術が取り入れられている。中でも、台車やブレーキシステムに油圧式の機構を採用した事は画期的。 ④JR東日本 #E217系 電車 横須賀・総武快速線用の113系電車の後継形式として開発された近郊形電車であるが、ラッシュ時間帯の混雑緩和を図るため、普通車は通勤形電車同様の片側4扉、グリーン車は2階建て構造とされている。設計のベースとなった209系電車と共に、後の同社における“一般形電車”の礎を築いたと言える。 ⑤JR東海 #955形新幹線電車 「300X」 当時展開していた300Xプロジェクトで用いるための高速試験車両。300系新幹線電車を基本として、高速走行を安定して行うための技術開発によって生み出された機器類や車体構造を採用。試験車両ならではの試みとして、大胆な平滑化並びに小断面化がなされた車体外観は異彩を放った。 #図書室 #鉄道ピクトリアル #新車年鑑