『新車年鑑1994年版』より
こんにちは。久しぶりに『新車年鑑』シリーズの展示に漕ぎ着けました。 今号の表紙は5つある枠のうちの2つが関空に絡んだ車両。しかも、JR西日本の2車種が並んだ形式写真や、掲載対象年度内の竣功ではない南海「ラピート」の抜擢等、異例ずくめとなりました。この当時、関西国際空港の開港がいかに大きな関心事であったかを物語っていると言えます。 ※表紙写真形式雑感 ①JR東日本磐越西線シャトル特急用電車「 #ビバあいづ 」 特急「あいづ」号を東北新幹線との連絡特急列車に改めるにあたり、その専用車両とすべく従来の485系電車を改造した車両。客室や車内設備のリニューアルにとどまらず、会津地方の観光情報提供を行うインビテーションカー“赤べこ”を設けたり、銀色をベースとした斬新な車体外部塗色とするなど、地域密着型観光特急列車の先駆け的存在となった。 ②(左)JR西日本 #223系 電車 大阪・関西国際空港間の快速列車への充当を念頭に置いて開発された。ステンレス製車体やVVVFインバータ制御の導入に加え、荷物スペース確保の観点による2人掛け及び1人掛け座席の併置や、英語での案内が可能な自動放送装置・車内表示装置の設置等、空港アクセス輸送に適した車内設備を備える。 ②(右)JR西日本 #281系 電車 関西国際空港へのアクセス輸送のうち、国際的な観光都市である京都や、新幹線との結節点となる新大阪とを結ぶための特急用車両。大形の荷物の持ち込みに適した幅広い出入口や荷物スペースが設けられたほか、京都CATの受託手荷物専用室も備えられる等、従来の特急用車両には無い新たな内容が盛り込まれた。 ③ #近鉄23000系 電車「伊勢志摩ライナー」 複合リゾート「志摩スペイン村」の開業に際して、伊勢志摩地域への観光客輸送に相応しい特急用車両として設計された。グループ旅客の利用を狙ったサロンカーや、先頭車両の乗務員室直後へのパノラマデッキの新設もさることながら、民鉄で初めて130㎞/h運転を実施した車両として特筆すべき存在となった。 ④JR東日本 #E351系 電車 中央本線の特急「あずさ」用に、在来の183系電車の置換えと速度の向上を目指して開発された振子車両。振子動作遅れを解消するために制御付き振子システムが採用されており、低重心化や上方の絞り込みを大きくとった車体等に振子車両ならではの外観が見て取れる。グリーン車における分煙設備や車内改札機等、先進的な装備も特徴的。 ⑤ #南海50000系 電車「ラピート」 関西国際空港へのアクセス特急用車両。流線形の前頭部や楕円形の側窓によって航空機のイメージを、ブルーマイカによる煌めきのある外部塗色で海上空港“関空”をそれぞれ表現した車体外観は、従来の鉄道車両の概念を打ち破る印象を与えた。スーパーシート車やなんばCATの受託手荷物専用室の設置も空港アクセス特急ならでは。 #図書室 #鉄道ピクトリアル #新車年鑑