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異常巻きアンモナイト(ポリプチコセラスの群生)
ゆる巻きアンモナイトとして知られる北海道産ポリプリコセラスです。北海道産のアンモナイトは奇々怪々な形状で世界中のコレクターから羨望のまなざしを向けられていますが、このポリプチコセラスはその中でも、異常巻きとして知られ、ご覧のように、チューブのような形状をしています。
一般的に知られている平巻き型のアンモナイトが進化して、徐々に巻きが緩くなり、このような巻き方になったと考えられています。この巻き方の異形ぶりに、「異常巻き」と名付けられたわけですが、異常というより、環境適応の結果とされています。
大きく曲がった部分。種によって、この巻き方に決まりがあり、自由勝手きままに、巻いているわけではないのだそうです。
日本だけでなく、世界中で異常巻きアンモナイトは見つかっていますが、やはり希少。特に北海道の白亜紀層から産出するアンモナイトには異常巻きが多数見つかっています。
実はこの巻き方は、数学的に説明できるそうです。ポリプチコセラスに限らず、どのような異常巻きアンモナイトにも巻き方に一定の法則があるとされ、何らかの環境に適応していった結果なのでしょう。たしかにより古いタイプのアンモナイトの仲間であるゴニアタイトやオルソセラスは中生代のアンモナイトよりもシンプルな計上をしていますし、白亜紀だけとっても、時代が進むごとに、複雑化していきます。巻き方だけではなく殻に棘を持つものが出てきたりと、外敵から身を守るため等、環境適応していったのでしょう。