『名探偵ホームズ』BDボックス

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1984~1985年にかけて放映されたテレビアニメーション。
東京ムービー新社とイタリア放送協会との合作。

当初は東京ムービー新社の下請け会社であるテレコム・アニメーションで制作されていましたが、一時中断。
その後、監督が宮崎駿から御厨恭輔へバトンタッチ、制作会社も複数に分けられる形で計26本が制作されました。
全26本中6本が宮崎駿監督作品であり、またそれらの脚本を後に『この世界の片隅に』でその名を広く知らしめることになる、若き日の片渕須直が担当していることで有名。
このボックスには含まれていませんが、1984年に劇場公開されており、テレビ版とはキャスト・音楽等が異なります。

1980年代半ばでありながら、主要キャストが広川太一郎、富田耕生、大塚周夫、飯塚昭三という面々というのも今から見ると凄い。
紅一点のハドソン夫人は麻上洋子で、ゲストキャラクターも芸達者揃いです。

個人的に非常に思い入れの強い作品で、本作の悪役であるモリアーティ教授こそ、私を大塚周夫狂いにしてしまった元凶。
悪党なのにどこか憎めず、頭が切れるのに間抜けで、悪事には全力を尽くすのに女性には紳士的。
まさに大塚節全開のキャラクターで、劇場版・テレビ版ともキャストが変わらなかったのも頷けます。

モリアーティ教授の部下であるトッドとスマイリーは、増岡弘と千田光男が担当。
ジャムおじさんやマスオさんのイメージが強い増岡さんですが、こすい悪役がこれまた上手い。
千田さんは洋画劇場世代なら数多の作品で耳にした名脇役ですが、本作ではスマイリーのとぼけたキャラクターととてもマッチしています。

なにかと宮崎担当6本が持ち上げられる本作ですがそれ他にも、作画クォリティの高い『飛行船しろがね号を追え!』や、教授のトリックが光る『貨車が消えた!?教授の大魔術』といったところもおすすめです。

ちなみに、イタリア版では日本放映の際にカットされたシーンが存在しており、一部はフィルムブックなどで見ることができます。

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