Broadway Melody of 1940

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どのダンスナンバーも素晴らしいが、やはり「Begin the Beguine」ということになろう。

わざと一度 話を逸らす。

もう一人の主役スター、エレノア・パウエルはダンサーである ―― 体の柔軟性も活かしさまざまなスタイルを取り入れることもできるが、彼女は「タップダンサーである」と言いきっていいと思う。
だから演技は稚拙だ(或るシーンで “驚いて物陰に身を隠す”という芝居など、大袈裟すぎて微笑ましくなってしまうほど)。それはそれでいい。それを補って余りあるほどのダンスシーンの美しさがあるのだから。

で、
その彼女が、この共演から41年後、アステアの「AFI生涯功労賞」受賞パーティーでの祝辞で、
「あの作品(『踊るニュウ・ヨーク』)は、二人のHOOFER(=タップダンサー)がせめぎ合って作り上げたものだった」
というようなことを語っていた。しかも、あの演技力からは想像できないような説得力ある語気で。

話を戻す。

好みの問題はあるにせよ、「Begin the Beguine」はタップダンスとして(ダンサー同士の意地とプライドを懸け)振り付けられた作品として最高峰の一つだと思う。MGMのミュージカルアンソロジー『ザッツ・エンタテインメント!』の冒頭で紹介されているのもその証拠。

他のシーン、例えば「Jukebox Dance」を踊り終えたアステアとパウエルの二人が顔を見合わせ笑いながらフレームアウトしていく様子などは、作品の役柄ではなく素のダンサー同士にしか見えなくて嬉しくなってしまう。

また「Don't Monkey with Broadway」では、アステアには非常に珍しい男性ダンサーとのデュオが見られる。

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