『イノセント・マン(An Innocent Man)/ ビリー・ジョエル』(’83年8月8日発売)

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夏といえば、80年代の洋楽。80年代の洋楽といえば、夏。

『イノセント・マン(An Innocent Man)/ ビリー・ジョエル』(’83年8月8日発売)

自分の中で、80年代の洋楽を聴くと強烈に夏を感じるのは「なぁぜ?なぁぜ?」(笑)。

人生で初めて買った洋楽CDがこのアルバムで、このアルバムを聴くと夏感が取り巻くのも例外ではなく。ビリー小父さんを初めて知ったのは、姉がシングルレコード『あの娘にアタック(Tell Her About It)』を借りてきたことがきっかけだったと記憶している(実際にビリー小父さんの音に最初に触れたのは、ネスレのCMで流れていた『オネスティ』だったに違いない)。

とにかく、『あの娘にアタック』のキャッチ―さに子供ながらにもウキウキしたし、『アップタウン・ガール』のモータウンサウンドチックなアッパーチューンにワクワクした。

そんな「陽」な印象だったビリー小父さんが情感豊かに歌う『今宵はフォーエバー(This Night)』のエレガントで味わい深さとのギャップに完全にノックアウト。ベートーヴェン『悲愴ソナタ・第2楽章』をモチーフとしたコーラス部分はいつ聴いてもゾクゾクっと大きな感動に包まれるし、終盤のビリー小父さんのヴォーカルの迫力に鳥肌が立つ。

古参ファンには「ポップ過ぎる」と評価こそ低かったとのことであるけれど、ビリー小父さんがこれまでに触れ、影響を受けた音楽へのオマージュ作品であることはリスペクトするに値するし、その楽曲ひとつひとつが当時のメインストリーム(MTV全盛期にばっちりとマッチした)に切り込み耐えうるハイクオリティなものに仕上げているのが素晴らしい。

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