PONTIAC VENTURA Ⅱ (1971)

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American Car Collection Vol.83

 1971年にデビューした「ポンティアック ベンチュラⅡ」。アメリカ国内で人気を博した「シボレー ノヴァ」のシャーシやエンジンの一部を共有しつつ、異なるブランドで販売された、いわば「兄弟車」にあたる。ベンチュラⅡは当時のアメリカを席巻していた日本車、それも低価格なモデルに対抗するべく開発・販売された。そのため、当初はV6エンジンのみのスタートとなったが、時間を置かずにV8エンジンも追加され、高性能バージョン「ベンチュラⅡ スプリント」に搭載された。ボディバリエーションは2ドアクーペのほか、3ドアハッチバックおよび4ドアセダンを設定。トランスミッションは3速コラムMT、4速フロアMTに加えて、V6エンジンには2速ATが、V8エンジンには3速ATが用意されている。ちなみに、V8 5.0リッターエンジンの最高出力は140馬力、最大トルクが407N・mを発生した。
 今回のモデルカーは、1971年に生産された「ポンティアック ベンチュラⅡ スプリント」の2ドアクーペで、ゴールドに近いブラウンメタリックが特徴のボディカラーだ。シボレー ノヴァ(3代目)と比較するとフロントグリルの形状が異なるため、一見すると別のモデルに見受けられるが、フェンダーアーチやルーフライン、リアクォーターの形状などは、ノヴァとほぼ共通であり、兄弟車であることを実感させてくれる。
 左右フロントフェンダーとトランクの「VENTURA Ⅱ」の文字や、リアゲートの「PONTIAC」の文字もしっかりと確認できる。また、ボディのサイドラインに沿ってレイアウトされたデカールの微妙なラインも見事に再現され、リアフェンダー後端の「SPRINT」の文字も視認できる。さらに、Cピラーの伸びやかなラインも絶妙だ。ノヴァに比べると比較的地味な印象を受けるが、手元にあるモデルカーを眺めていると、意外なほどシンプルかつ落ち着いた雰囲気を持つクルマであることに気づかされる。なかなか実車を見る機会がないクルマほど、モデルカーであればじっくりと美しいフォルムを堪能することができるだろう。

ラインナップのご紹介 vol.38参照

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