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未発表音源集「ビートルズ・アンソロジー2」
1996年3月18日発売。未発表音源をまとめた第2弾。「アンソロジー1」に続いて、1965年頃から1967年頃の音源をまとめてある。というわけでこのアルバムも初心者お断り、マニア御用達。ある程度オリジナルを聴き込んだ人なら興味深く聴ける資料集。第2集の聴き所は、 ●「Yesterday」のテイク1。(正式採用されたテイクはテイク2) ●1965年8月、ABCシアターにおけるライヴ録音4曲。熱狂した観客の叫び声がクレイジー。 ●『リヴォルヴァー』『サージェント・ペパーズ』『マジカル・ミステリー・ツアー』収録曲のデモヴァージョンや没ヴァージョン。これが膨大かつ高品質で資料的価値大。 ビートルズがライヴ活動を停止してスタジオでのレコーディングにのめり込んでいった時代の記録で、第1集よりも面白い。 そして今回も入ってます、ビートルズの疑似再結成曲!ジョンが残したデモテープにポール、ジョージ、リンゴが追加録音した新曲は、Disc1の1曲目「Real Love」。ジョン・レノンの伝記映画『イマジン』のサントラですでに発表されていた曲。『イマジン』バージョンよりもさらにラフなデモから起こしたようで、ジョンの声がやたらとチープなんだけど、それがこのポップなアレンジによく合っていて、『アンソロジー1』での新曲「Free As A Bird」よりもビートルズっぽい。これは素直に素晴らしい。
m.nishiuchi
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未発表音源集「ザ・ビートルズ・アンソロジー1」
1995年11月20日発売。CD2枚組の、未発表曲やライヴ・バージョン、アウトテイクを集めた企画アルバム。間違っても初心者は手を出してはいけない。どんな内容かというと、 ●ビートルズの前身バンドであるクオリーメンが近所の電気屋に併設された簡易スタジオで一発取りしたという最古の録音 ●トニー・シェリダンのバックバンドとして録音に臨んだ「マイ・ボニー」(いわゆる”ポリドール・セッション”) ●デッカ・レコードのオーディションで演奏した録音 ●ジョージ・マーティンの前で初めて演奏したときの録音 など、デビュー前の録音から、 ●ラジオ番組でのスタジオライヴ ●ジョンの「高い席の人は宝石をじゃらじゃら鳴らしてください」発言で有名な、ロイヤル・バラエティ・ショーでの演奏 ●スタジオ録音のアウトテイク(いわゆる没バージョン) なんかがギュウギュウに収録されている。時期的には、デビュー前から4thアルバム『Beatles for Sale』の頃までの録音。個人的には「Mr. Moonlight」の出だしが上手くいかなかったジョンにポールが「何かちょっと違うね」と声をかけてやり直すところとか、面白く聴けた。もちろん、こういうのは完成形を熟知してるからこそ面白いのであって、ビートルズ初心者が聴いても「???」だろう。アマゾンのレビューなんかでも何かその辺を誤解してるレビューがあって非常に萎える。 まあ、マニア御用達の内容なんだけども、本当のマニアなら海賊盤などで耳にしたことがあるものも多いはず。しかし、誰もがこのアルバムで初めて聴くことになった曲が1曲入ってる。それが1曲目に収録された「Free As A Bird」。なんと新曲!ジョンが1977年に自宅で録音したデモ・テープに、ポール、ジョージ、リンゴの3人が演奏をオーバーダビングして作り上げたもので、ビートルズの擬似的再結成が実現した1曲なのである。晩年のジョンらしいシンプルなメロディーに、リンゴのドラムはいつも通りだし、ジョージのスライドギターが最初から良い味だし、ポールが付け加えたメロディーもそんなに違和感はない。この曲1曲のために買っても良いくらいの名曲か、といわれたら、「まあ、そこまででは・・・」というのが正直なところだけど、4人の絆が復活した曲として意義は大変に大きいのだ。ファンなら買っておくべきアルバム。
m.nishiuchi
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4thアルバム「Led Zeppelin IV」
1971年11月8日発売。ツェッペリンの最高傑作アルバムは何か、の問いにはファンそれぞれに答えがあるだろうが、初心者がまず聴くべきアルバムはどれか、と言われればこの「IV」がまず挙がると思われる。「I」と同じくエレクトリックでハードな楽曲とアコースティックで穏やかな楽曲のバランスが良く、しかも「I」よりも格段にクオリティが高い。ツェッペリンが到達した最初の頂点がこのアルバムといえるだろう。 そして、70年代ロックのアンセムともいえる大名曲「天国への階段 Stairway to Heaven」が収録されていることもこのアルバムを特別にしている。アナログ盤でのA面最後がこの曲なのだが、ここまでの流れがすごい。絶対に、A面最初から通して聴き、この曲に至るべき。A面の4曲だけでアルバム一枚分の重量がある。これまでのツェッペリンのみごとな集大成。 アナログではここで片面が終わるので小休憩なんだが、CDでは、「天国への階段」がおわったら続いて「ミスティ・マウンテン・ホップ」が始まってしまう。これがこのアルバムをCDで聴くときの欠点。このアルバムのB面は、これ以降のツェッペリンの展開を予感させる楽曲群であり、もはや違う次元に足を踏み込んでいる。A面が「本来の4枚目のアルバム」だとすれば、B面はもはや「4.5枚目」。これはこれで1枚のアルバム。僕は、このアルバムを聴くときは4曲目と5曲目の間に小休止を置いて気持ちを切り替えないと、後半4曲の重みに負けてしまうぐらいである。 ラストの「レヴィー・ブレイク」はいつまででも聴いていたい、永遠に続いてほしい究極のリフの上にプラントの唯一無二のメロディーラインが乗っかる、という、後期ツェッペリンの必殺パターンがすでに出来上がっている。 聴き終わったときには、2枚組を聴き終わったような充実感がある。初めてこのアルバムを聴いたときの、「なんかとんでもないものを聴いた」という感覚は今も残っている。ロックファンなのにまだ聴いたことがないなどという人は、一刻も早く聴くべき。 収録曲 A-1 ブラック・ドッグ - Black Dog A-2 ロックン・ロール - Rock and Roll A-3 限りなき戦い - The Battle of Evermore A-3 天国への階段 - Stairway to Heaven B-1 ミスティ・マウンテン・ホップ - Misty Mountain Hop B-2 フォア・スティックス - Four Sticks B-3 カリフォルニア - Going to California B-4 レヴィー・ブレイク - When the Levee Breaks
m.nishiuchi
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3rdアルバム「Led Zeppelin III」
1970年10月5日発売。『II』の特大ヒットによって世界中で待望された3rdアルバム。しかし、『II』のようなハードロック・アルバムを期待したファンたちから総スカンを喰らったアルバムでもある。僕はわりと好きなんだけどな-。B面の曲、特に「That's the Way」とかすごく良いよ。 1stアルバム『I』はアコースティックな曲とハードな曲とブルージーな曲と、それぞれのバランスがよい理想的なデビューアルバムだった。『I』の大ヒットを受けて製作された『II』は、コンサートツアーに明け暮れる毎日の中で、ちょっと異常な高揚感のなか制作されたため極端に外向きのパワーにあふれたハードロックアルバムに仕上がった。従って、次作『III』がツェッペリンのハードな面以外の個性、アコースティックな面とブルージーな面を前面に押し出すものになったのは当然の流れである。バンドの中心人物であるジミー・ペイジはバンドのプロデューサーでもあり、3枚目を2枚目の延長線上で作ってしまうとバンドのイメージがハードロックバンドで固定化されてしまうことを危惧したのだろう。 結果、フォークソングやトラディショナルの手触りがする楽曲が半数を占めることになった。渋谷陽一によると、このアルバムについて「バッファロー・スプリングフィールドみたいですね」と言ったらジミー・ペイジは喜んでいたそうなので、その方向を狙っていたのだろう。バッファロー・スプリングフィールドはアメリカのバンドだけど、ブリティッシュ・トラッドに通じる独特の翳りを持つバンドだったからツェッペリンの音楽とも親和性は高い。 両極端な個性を持つ『II』『III』というふたつのアルバムを経て、この両者を統合して止揚したのが次作となる傑作『IV』となるのである。 収録曲 A-1 移民の歌 - Immigrant Song A-2 フレンズ - Friends A-3 祭典の日 - Celebration Day A-4 貴方を愛しつづけて - Since I've Been Loving You A-5 アウト・オン・ザ・タイルズ - Out on the Tiles B-1 ギャロウズ・ポウル - Gallows Pole B-2 タンジェリン - Tangerine B-3 ザッツ・ザ・ウェイ - That's the Way B-4 スノウドニアの小屋 - Bron-Y-Aur Stomp B-5 ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー - Hats off to <Roy> Harper ワタクシが所有する盤 1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。
m.nishiuchi
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2ndアルバム「Led Zeppelin II」
1969年10月22日発売。1stと同年に早くも発売された2ndアルバム。1stで見られた様々な要素の中からエレクトリックで激しいものを抽出した感じの文句なしのハードロック・アルバム。ビートルズの『アビイ・ロード』をチャートの1位から引きずり下ろしたアルバムとして有名。全米売り上げ1,300万枚というお化けアルバム。 1曲目の「Whole Lotta Love」のギター・リフを聴いただけでも、このアルバムがとんでもない存在であることがわかる。普通のバンドがやれば疾走感あふれるロックナンバーになるものを、ツェッペリンがやるとひたすら重い。ジョーンズのベースも、ボーナムのドラムも、重量感を持って迫ってくる。例えれば、重戦車がトップスピードで突っ込んでくるような、ティラノサウルスが全速力で駆け回っているような、もうこれを出されたからには観念するしかない、力の差を見せつけられる。そしてその上でヴァルキリーのように天空高く飛翔するプラントのボーカル。もはやリスナーには、崇め奉ってひれ伏すしか残されていない。 どの曲も素晴らしいが、世界中のギターキッズに衝撃を与えたのが「Heartbreaker」だろう。スティーヴ・ヴァイは、この曲を聴いて「ギターソロは、やったもん勝ちなんだ」ということに目覚めたという。途中でちょっとヨタつくところも含めて、ジミー・ペイジらしい長大&圧巻のギターソロ。 ただ、あまりにも機能的なハードロック・アルバムでありすぎて、最初にこのアルバムを聴くとツェッペリンというバンドの音楽性を見誤る可能性もある。それについては次作『III』の解説で。 収録曲 A-1 胸いっぱいの愛を - Whole Lotta Love A-2 強き二人の愛 - What is and What Should Never Be A-3 レモン・ソング - The Lemon Song A-4 サンキュー - Thank You B-1 ハートブレイカー - Heartbreaker B-2 リヴィング・ラヴィング・メイド - Livin' Lovin' Maid <She's Just A Woman> B-3 ランブル・オン - Ramble on B-4 モビー・ディック - Moby Dick B-5 ブリング・イット・オン・ホーム - Bring It on Home ワタクシが所有する盤 1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。
1969m.nishiuchi
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「サージェント・ペパーズ」50周年記念盤スーパー・デラックス・エディション
2017年5月26日発売。発売から50年を記念して作られたリミックス盤と、アウトテイクなどを収録したボーナスディスク、5.1chサラウンド化したミックスとハイレゾ音源を収録したブルーレイ&DVDをセットにした豪華版。当時のレコード店の販促用ポスター(復刻)、立版古(日本盤のみ)など、付録も豪華。 アウトテイク集はすでに『アンソロジー』のシリーズで公開されているものだったが、アルバム本編のリミックスが強力。オリジナルのプロデューサだったジョージ・マーティンの息子、ジャイルズ・マーティンが手がけたリミックスは、音が鮮明になったのはもちろんのこと、音の定位から何からかなりいじってあるので、オリジナルのステレオ盤に慣れ親しんだ人だと最初は違和感ありまくり。特に「A Day In The Life」で左右に飛びまくってたジョンのボーカルが、このリミックスでは真ん中から動かないのが面白い。 今後、オリジナル盤とリミックス盤と、どちらがスタンダードになっていくのか興味深い。
2017m.nishiuchi
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1stアルバム「Led Zeppelin I」
1969年1月12日発売。後期ヤードバーズにおいて中心メンバーだったジミー・ペイジ(guitar)、腕利きのセッションマンだったジョン・ポール・ジョーンズ(bass/keyboards)、まだ無名ではあったが驚異的な高音ボーカルを持つロバート・プラント(vocal)、プラントとかつて同じバンドにいたジョン・ボーナム(drums)の4人によって結成されたレッド・ツェッペリンの最初のアルバム。 激しいギターリフの上でシャウトしまくるボーカルという典型的なハードロックだけではなく、アコースティックな響きを持つ美しい曲や民族楽器を大胆に導入した曲、3コードのブルースを現代的に再構築した曲など、驚くべきことに、この1stアルバムにはこのあとのツェッペリンの音楽の全ての方向性が含まれている。つまり、結成の時点ですでに「このバンドがやるべき音楽」「達成すべき音楽性」のイメージが明確に存在し、以後、このバンドはそれを忠実に追求し続けたということである。そしてその頂点はアルバムを発表するごとに更新され続け、大傑作『Ⅳ』を踏み切り台としてさらに高みへと飛翔し、ついにはジャンル分け不可能な「レッド・ツェッペリン」という音楽カテゴリーを作ってしまった。 収録曲 A-1 グッド・タイムズ・バッド・タイムズ - Good Times Bad Times A-2 ゴナ・リーヴ・ユー - Babe I'm Gonna Leave You A-3 ユー・シュック・ミー - You Shook Me A-4 幻惑されて -Dazed and Confused B-1 時が来たりて -Your Time is Gonna Come B-2 ブラック・マウンテン・サイド -Black Mountain Side B-3 コミュニケイション・ブレイクダウン -Communication Breakdown B-4 君から離れられない -I Can't Quit You Baby B-5 ハウ・メニー・モア・タイムズ -How Many More Times ワタクシが所有する盤 1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。
1969m.nishiuchi
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リミックスアルバム「Let It Be...Naked / レット・イット・ビー...ネイキッド」
2003年11月17日発売。アルバム『Let It Be』のリミックスというか、プロデューサーのフィル・スペクターが加えたオーケストラやコーラスを取り除くという(主にポールからの)要望によって製作されたアルバム。 単にアレンジが元に戻った、というレベルではなく、曲によっては全く違うテイクを使用しているので本当に新鮮。例えば「Let It Be」は歌も違うしギターソロも(アルバム版ともシングル版とも)違ってる。「Across The Universe」はこのシンプルなテイクがベストではないか?「Don't Let Me Down」はルーフトップ・コンサートでの録音が使用されていて、こちらもワイルドでシングル版とは違う魅力がある。 また、スペクター独特のあの「もこもことしたサウンド」がなくなって元のマスターテープの音像に近づいてるので、テイクが同じものでもすごくかっこよくなってる。「Get Back」も「One After 909」も、音が引き締まって実にいい。 傑作と言われる海賊盤アルバム『Get Back』には他に「Dig It」のロングバージョンや「I've Got A Feeling」の別テイクなんかも入ってて、これらが収録されてないのはやや残念ではあるけれど、正規アルバム『Get Back』が予定通り出ていたらこうなっていた、という「あり得たもう一つの作品」として十分素晴らしい内容だ。オリジナルアルバムの『Let It Be』をよく聴きこんだ後で挑戦してほしい。 なお、ボーナストラック(?)の「Fly On The Wall」はセッション録音の断片をつなぎ合わせた20分ほどの曲。ゲット・バック・セッションの海賊盤とかを聴くと、だいたいこんな感じのものを延々と聴かされることになるんだけど、正直、1回聞けば充分です。ジョンのソロ作「Jealous Guy」の原型みたいなのをすでにやってて、そういうのは多少興味深いけど。ほんと、こんな素材からアルバムを一つでっち上げたフィル・スペクターは、なんやかんや言われるけどすごい。 【ワタクシが所有している盤】 2010年に再発売されたCD(2003年初出の日本盤は悪名高いコピーコントロールCDだったので購入を見送っていました)
m.nishiuchi
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ベストアルバム「ザ・ビートルズ1」
2000年11月13日発売。その後、リミックスされた新バージョンが2015年11月6日に発売。赤盤、青盤に続く公式ベストアルバム。イギリス、アメリカのいずれか(あるいは両方)でヒットチャートの1位になった曲(全27曲!)を網羅しているのでこのタイトルになった。27曲も1位に... ちなみにこのアルバムも全世界で売れに売れまくり、2012年のデータで3200万枚売れているという。さんぜんにひゃくまんまい... リンゴは、ビートルズ解散から30年を経て発売されたにもかかわらずこのアルバムが全世界で飛ぶように売れてることの理由を訊かれたとき、こう答えたという。「みんな知ってる曲ばかりなのにね。たぶん、この順番で聴いたことがないからじゃないかな。」リンゴらしい返答で笑った。 コンセプトが「シングルヒットした曲」というわけなので、有名曲はほぼこの一枚で聴くことができる。したがって初心者にまずおススメできる最強のベスト盤である。しかも、2015年のリミックスでヘッドホン/イヤホンでも聴きやすい定位に生まれ変わり、最強&最新のベスト盤にレベルアップした。 ただ、コンセプトの縛りのせいで、ビートルズを語るうえで押さえておきたい重要な曲がいくつも抜けている(例えばIn My Life、Strawberry Fields Forever、A Day In The Life、など)ので、その辺のバランスを考えてジョージが選曲した赤盤・青盤の存在意義はなくなっていない。この『1』でビートルズにはまりかけたら、『赤盤』『青盤』で当時の音のままのビートルズに触れ、さらに深いところにあるビートルズの魅力を発見してほしい。そして、オリジナルアルバムという肥沃な原野に分け入ってほしい。 【ワタクシが持っている盤】 2000年版のCD、2000年版のアナログLP、2015年版のCD、2015年版のアナログLP 収録曲 01. ラヴ・ミー・ドゥ - Love me do 02. フロム・ミー・トゥ・ユー - From me to you 03. シー・ラヴズ・ユー - She loves you 04. 抱きしめたい(アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド) - I want to hold your hand 05. キャント・バイ・ミー・ラヴ - Can't buy me love 06. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(ア・ハード・デイズ・ナイト) - A hard day's night 07. アイ・フィール・ファイン - I feel fine 08. エイト・デイズ・ア・ウィーク - Eight days a week 09. 涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド) - Ticket to ride 10. ヘルプ! - Help! 11. イエスタデイ - Yesterday 12. デイ・トリッパー - Day tripper 13. 恋を抱きしめよう(ウイ・キャン・ワーク・イット・アウト) - We can work it out 14. ペイパーバック・ライター - Paperback writer 15. イエロー・サブマリン - Yellow submarine 16. エリナー・リグビー - Eleanor Rigby 17. ペニー・レイン - Penny Lane 18. 愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ) - All you need is love 19. ハロー・グッドバイ - Hello, goodbye 20. レディ・マドンナ - Lady Madonna 21. ヘイ・ジュード - Hey Jude 22. ゲット・バック - Get back (single ver.) 23. ジョンとヨーコのバラード(ザ・バラード・オブ・ジョン・アンド・ヨーコ) - The ballad of John and Yoko[11] 24. サムシング - Something 25. カム・トゥゲザー - Come together 26. レット・イット・ビー - Let it be (single ver.) 27. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード - The long and winding road
2000m.nishiuchi
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リミックスアルバム「Yellow Submarine Songtrack / イエローサブマリン~ソングトラック」
1999年9月30日発売。ビートルズ初のリミックスアルバム。 いちおう「青少年のための~」と銘打ってるので簡単に説明すると、音をはっきりくっきりさせるのがリマスター。音の定位とかにまで踏み込むのがリミックス。 リミックスが行われると、右寄りに聞こえていたリードギターが左寄りになったり、真ん中でごちゃごちゃしていたブラスが左右に広がった感じになったりする。ということは「リミックス盤」は割と曲のイメージが変わるということであり、ビートルズのように古いファンが多いアーティストの場合はやりにくいわけだ。 そこで選ばれたのが、オリジナルアルバムの中で最も存在感の薄い『Yellow Submarine』。しかもアルバムそのままではなくて、映画で使われたビートルズの曲を収録した「ソングトラック」として編集したのである(よって、オリジナルアルバムのほうには収録されていないビートルズナンバーも多く収録されている)。これなら古いファンの抵抗も少なかっただろう。 ちなみにワタクシはこのリミックスを肯定する派。「Elenor Rigby」とか「Nowhere Man」とか、オリジナルのステレオ盤はヘッドホンでは聴きにくかったのを、かなり自然な音に整理している。感激もの。 初心者にも安心してお勧めできる。デジタル・ネイティブ世代は音楽をイヤホンかヘッドホンで聴くのが当たり前なので、なおさら。 「この調子で全アルバムをリミックスしてくれたらいいのに」と心の底から思ったが、まさかこのあと『Sgt. Pepper's』のリミックス盤発売まで18年も間が空くとは・・・ 【ワタクシが持っている盤】 1999年版のCD、1999年版のアナログLP(イエロー・ヴァイナル盤)
1999m.nishiuchi
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編集アルバム「Past Masters / パスト・マスターズ」
1988年3月7日にVol.1、Vol.2という2枚が別々に発売され、2009年9月9日のリマスター盤発売のときに2枚組のアルバムとして発売し直された編集アルバム。 ビートルズには、シングルのみで発売してアルバムに収録していないヒット曲が数多い。「She Loves You」も「Hey Jude」も、シングルのみ。なのでオリジナルアルバムをコンプリートしても重要な曲がかなり抜けてることになる。 そこで、アルバム未収録曲をすべて集めた便利な編集盤がこれ。大ヒット曲から、「She Loves You」のドイツ語版といった珍曲まで網羅できる。発売時、タイトルを良く吟味せずにベスト盤だと勘違いして購入した人多数。まあ、良い曲が多いと言えば多いが。 現行では、ステレオ盤を集めた『Past Masters』とモノラル盤を集めた『Mono Masters』の2パターンが存在している。収録曲には少し異同がある。 なお、ビートルズはステレオで聴くべきかモノラルで聴くべきかという問題がある。これについての私見はまたモノ日記などで書きたいが、少し簡単にここで表明すると、アルバム『Rubber Soul』まではモノラルで、アルバム『Revolver』と『Sgt. Peppers』『Magical Mystery Tour』は曲によってステレオかモノラルを使い分けて、アルバム『The Beatles』以降はステレオで、というのがワタクシの今の時点での見解。今の時点、というのは、『Sgt. Peppers』を皮切りにアルバムごとのリミックスが進行中ということなので、その具合を見たらまた変わるかもしれないから。 【ワタクシが持っている盤】 1988年版『Past Masters Vol.1』 1988年版『Past Masters Vol.2』 2009年版『Past Masters』(ステレオ) 2009年版のアナログLP(ステレオ) 2009年版『Mono Masters』(モノラル) 2009年版のアナログLP(モノラル) 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年モノラル・リマスター盤(紙ジャケ)のジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤(紙ジャケ)のジャケット裏面 1988年版『Past Masters Vol.1』ジャケット表面 1988年版『Past Masters Vol.2』ジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤のアナログLPジャケット表面
1988m.nishiuchi
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13thアルバム「Let It Be / レット・イット・ビー」
1970年5月8日発売。1969年9月末には非公式にジョンがビートルズ脱退を表明、この日が実質上のビートルズの解散日である。1970年4月10日にポールがビートルズ脱退を発表してビートルズが解散状態にあることが公になり、世界中に衝撃を与えた余韻が冷めやらぬなか発表された、発売順でいうとラストアルバム。1969年1月に行われた「ゲット・バック・セッション」で録音された素材(とその他のセッションのアウトテイク)を使って一枚のアルバムにまとめたもの。 素材、と書いたが、楽曲として完成状態にあるものはほとんどなく、まさしく「素材」状態のものを何とかアルバムとしてまとまった状態にしたのはフィル・スペクター。彼のプロデュースに関してはいろいろ言われるが、海賊盤とかで聴く限り本当にどうしようもない素材をあつめて今の形にまとめた彼の手腕は素直に素晴らしいと思う。メンバーたちもそう思ったらしく、ジョンとジョージはこのあと数年間、自分たちのソロ作品のプロデュースを彼に任せることになる(ポールはフィル・スペクターが勝手に追加したオーケストラやコーラスに怒っていたらしいが)。 元の素材がかなりラフなものだったので、アルバム全体の印象は「シンプルなロックアルバム」。『アビー・ロード』のような完璧なアルバムもあれば、本作のようにスキだらけのアルバムもあるのがビートルズの魅力であるから、お蔵入りしそうだったけど最後にこのアルバムが出てよかったのかもしれない。 なお、このアルバムのタイトル曲ともなった名曲「Let It Be」は2バージョンあって、こちらはアルバムバージョンを収録。ジョージのギター・ソロが熱いのはこちらなので、アルバムバージョンで聴くのを激しく推奨。最後のサビの繰り返しも1回多くてお得(?)。 【ワタクシが持っている盤】 1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ) 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面
1970m.nishiuchi
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12thアルバム「Abbey Road / アビー・ロード」
1969年9月26日発売。発売順は逆になったが、録音は次の『Let It Be』よりも後に行われたので、実質上のラストアルバムである。散々な結果に終わった「ゲット・バック・セッション」のあと、ポールの呼びかけで「ちゃんとしたアルバムを作ろう」と再集結した4人が、「多分、これで最後になるだろう」という予感のもと不思議なチームワークを発揮した結果、とんでもない傑作が出来上がった。いや、傑作という言葉じゃ足りない。これぞまさしく「ビートルズのラストアルバム」。 よく言われるように、このアルバムではジョージの躍進ぶりがすごい。「Something」「Here Comes The Sun」という名曲2曲を提供し、ギタープレイも安定、さらには当時まだ珍しかったモーグ・シンセサイザーを導入したのもジョージ。このアルバムの後、ジョンはヨーコとの平和運動にのめりこみ、ポールはビートルズ解散のショックからなかなか立ち直れず中途半端なソロ作ばかり出すことになってしまうが、ジョージは3枚組の大作『All Things Must Pass』でいちはやく音楽的成功を収めることになる。 A面にも重要な曲が多いが、やはり圧巻はB面のメドレーだろう。短い曲が次々と提示されて息つく間もないぐらい。最後の「The End」における4人それぞれのソロ・パートのあとの感動的なフィナーレ・・・で終わらないのがやはりビートルズで、20秒ほどの無音の後に23秒だけの珍曲「Her Majesty」が入ってしかも途中でブツっとおわる。「えっ!」と思うがこれで終わり。なんと粋な・・・ 4人が本気を出せばこれぐらいのアルバムは、すぐに、かどうかは知らないが、できてしまうのだ。でも、もう4人でやりたくないから、これを最後にビートルズは解散してしまった。このアルバムのセッションの後、4人が楽器をもって揃ったことは一度もない(法律上の手続きなんかで集まったことはあるらしいが)。各人のソロにそれぞれで参加しあったりはしてるけど、4人で揃って演奏したことはない。 そんな状態のまま、1980年12月8日、ジョンが凶弾に倒れて、ビートルズの再結成は絶対にありえない話になってしまう。 【ワタクシが持っている盤】 アナログLP(1995年アメリカ・プレス)、1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ) 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面
1969m.nishiuchi
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11thアルバム「Yellow Submarine / イエロー・サブマリン」
1969年1月17日発売。同名のアニメーション映画のサウンドトラック盤。映画自体は素晴らしい出来で、1960年代後半のポップカルチャーを代表するきらびやかな色彩に彩られたおとぎ話になっている。しかしサウンドトラック盤としての本アルバムは、新曲は4曲のみであとは既発曲2曲、後半の7曲(アナログ盤のB面)に至ってはプロデューサーのジョージ・マーティンが作編曲したオーケストラ曲のみ、という構成で、(ビートルズのオリジナルアルバムとしては)まああまり良い出来とは言えない。B面とか、1回聴けばもう良いだろう。実際、スタジオアルバムとして英米のチャートで1位を取れなかった唯一のアルバムでもある。このへん、『Magical Mystery Tour』と逆だな。あっちは、映画自体はいまいちだったのにサントラは素晴らしいというパターン。 新曲4曲のうち2曲はジョージ作。「It's All Too Much」はリンゴのドラミングがすごいのと、後半のオーケストレーションが幸福感に満ちあふれていて、この曲はわりと好きでたまにこの曲だけ聴くためにアナログ盤を出すこともあるぐらい。「Only a Northern Song」は『Sgt. Peppers』のときに録音してボツになってた曲。ジョン作の「Hey Bulldog」は激しいギターリフがカッコイイし、ポール作の「All Together Now」も楽しい曲調だけど、両曲ともかなり即興的でやっつけ仕事くさい。 この作品は絶対、映像の方を先に見るべき。リマスター版がBlu-rayで出てるけど本当に素晴らしい。ディズニーとかのアニメーションとは全く違う、イギリス独特のユーモアにあふれた映画の良さは、ビートルズのファンなら絶対にはまる。保証します。 【ワタクシが持っている盤】 2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ) *1987年版のCDは買ってません、当時は貧乏学生で、買うのを後回しにしたまま結局買わなかった。 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤のアナログLPインナースリーブ
1969m.nishiuchi
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10thアルバム「The Beatles / ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」
1968年11月22日発売。ビートルズのオリジナルアルバム中、唯一の2枚組。全30曲のボリュームを誇る大作アルバム。・・・と書くと重たそうに聞こえるかもしれないが、実際にはいろんな音楽のごたまぜ。軽い曲からヘヴィな曲、きっつい前衛音楽まで、本当にひとつのバンドのアルバムなのかと疑いたくなるぐらいに揺れ幅の大きい、音楽玉手箱。初めて聴いたときの「次にどんな曲がかかるのか」というワクワク感は今でも鮮明だ。ビートルズ初心者にもオススメしたいアルバム。 全体的な曲の感じを説明しようとすると全曲を一つ一つ説明しなくてはならないぐらい、収録曲の方向性は全くバラバラなのだが、あえて言えばバンドサウンドへの回帰。前3作の凝りに凝りまくったアレンジからガラッと変わって、「せーの!」でやったようなシンプルな曲が多いので聴きやすい。そんななかで一方に「Ob-La-Di, Ob-La-Da」「Honey Pie」があり、一方に「Revolution 9」みたいな曲があるという具合で、極右から極左まで本当にとんでもないアルバムである。 ジョージの傑作「While My Guitar Gently Weeps」でエリック・クラプトンがリードギターを担当している。超絶テクの披露では無くて、ゆったりとした「泣きのギター」の演奏になっているのがニクい。ビートルズのアルバムで、ビートルズ自身が弾ける楽器を(いくらクラプトンとは言え)外部ミュージシャンに任せるのは非常に珍しい。 このアルバムが発売される少し前(8月30日)に出たシングル「ヘイ・ジュード」はビートルズ最大のヒットとなっており、続けて出したのがこの2枚組、と、1968年のビートルズは最も創造的な時期だったのではないかと思う。各メンバーがそれぞれソロで録音したような曲も多いんだけど、そんなんでいいからバンドを続けてくれていたら、この後の音楽史は全く違ってたんだろう。しかし、現実にはバンドはこのアルバム発表の後に「ゲット・バック・セッション」と呼ばれる最悪のレコーディングを行った結果、人間関係に修復不可能な亀裂を生じて解散してしまうのである。 【ワタクシが持っている盤】 1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(モノラル)、2009年版のアナログLP(ステレオ)、2009年版のアナログLP(モノラル) 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年モノラル・リマスター盤(紙ジャケ)のジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤(紙ジャケ)のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤のアナログLPジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤のアナログLPジャケット裏面
1968m.nishiuchi