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Vintage Crop “Serve To Serve Again”
Vintage Cropって知ってますか? これまた、謎物件です。取り敢えず、届いたものは聴いてみます。その前に、このバンドのことを調べてみました。Vintage Cropは、豪州Geelongの「バンド」で、元々はJack Cherryの宅録ソロユニットとして始まっており、その時は、主にSoundCloudに曲をアップしたりしていたようです。その後2016年に、Tyson Harper (G)及びTylerとLuke O’Brien兄弟が加入して、通常のバンド形態となり、同年11月に、Cherry自身のレーベルWeather Vane RecordsよりリリースしたEP “Coming Up”でデビューします。このEPは、メルボルンのポストパンク・バンドTotal ControlのMikey Youngがマスタリングしているのですが、その後もYoungが協力していくことになります。あと、Jack Masseyと言う人物もメンバーであったようですが、詳細は不明です。その後、2017年4月14日に、バンドは、ファースト・アルバム”TV Orange”をリリースしていますが、このアルバムは、2018年に、仏のPolska Recordsがリイシューしています。また、2018年には、豪州GeelongのAnti Fade Recordsから、セカンド・アルバム”New Age”をリリースし、欧州ツアーを敢行しています。この後、2020年には、本作品でもあるサード・アルバム”Serve To Serve Again”を豪州のAnti Fade Recordsと英国Upset! The Rhythmとの共同でリリースしています。2022年3月に、NME Australiaは、Vintage Cropが、ニュー・シングル”Double Slants”をリリースしたと発表、更に、2022年に6月24日には、彼等の4枚目のアルバム”Kibitzer”もリリースするとアナウンスしていますが、このアルバムは、1日で録音を終わり、Mikey Youngがマスタリングを担当しています。因みに、バンド名は、英国の競走馬の名前から取ったらしいです。 以上が、Vintage Cropの略歴ですが、バンドメンバーは、Jack Cherry (Vo, G) Tyler O'Brien (Drs), Tyson Harper (G, Vo), Luke O'Brien (B, Vo)となっています。それで、本作品”Serve To Serve Again”ですが、内容的にも、両面6曲ずつ収められています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “First In Line” (3:19)は、一聴、変拍子のようなリズムとフレーズで突き進む曲で、その風変わりなアレンジが如何にもポスト・パンクらしく捻くれています。 ★A2 “The Ladder” (3:14)は、スローでダルなイントロから次第に力強いビートの曲調に変わり、力強いVo 共に、GとDrsで中々イカした曲になります。 ★A3 “The North” (2:49)では、不思議なGのリフで始まり、シンセも加えてはいますが、あくまでもGを中心としたクールな曲をキープしています。 ★A4 “No Praise” (0:57)は、ややアップテンポな曲なんですが、なんか脚がもつれたまま走っているようなリズムのアレンジが秀逸です。 ★A5 “Jack's Casino” (1:52)も、更にアップテンポでハードコアらしくなりますが、途中で、Gと共に重めのBが効いて、落ち着きさを一時的に取り戻しますが! ★A6 “Streetview” (6:29)は、一癖も二癖もある変わったフレーズを弾くアンサンブルで、Voもやや変です。また、不協和音の使い方も秀逸です。 ★B1 “Serve To Serve Again” (2:19)は、初期Wireっぽい飾り気の無いで、懐かしいと言うかカッコ良いタイトル曲で、間奏のシンセもシンプルかつ絶妙です。 ★B2 “Gridlock” (2:53)は、パンキッシュな演奏ですが、不協和音を挟み、焼けっぱちに飛ばしています。 ★B3 “Life and Times” (3:41)は、ゾクゾクするようカッコ良い曲で、アレンジ自体はシンプルですが、コード進行の妙なのでしょう。私的にはNo.1曲です。 ★B4 “Just My Luck” (2:10)は、またもやアップテンポでロック魂を感じさせる曲です。初期Wireの香りを感じますが、もう少しユーモアもあり、最後のGソロにも痺れます。 ★B5 “Tension” (2:42)も、シンコペーションの効いたGを中心に急かされるように進む、ドカドカした曲ですが、曲全体には哀愁すら感じられます。 ★B6 “Everyday Heroes” (3:05)では、シンプルなアンサンブルなんですが、何故か味があり、更に不安定なGのリフや合唱も加わり、不思議な落下感があります。 総じて、凄く突出するような派手さは無いのですが、シンプルな構造の中に、色んなアイデアやアレンジ、不協和音などが散りばめられており、聴けは聴く程、味が出ると言う「うまみ」成分のある音楽を奏でています。前述のように、初期Wireにちょっとガレージっぽさを加えたと言えば一番近いかな?。でも決してモノマネで終わっていない所に、このバンドの良さがありますし、音もポストパンクなので、好きな方はハマると思いますね。なので、そんなリスナーさんは一度体験してみて下さい❗️ A3 “The North” (2:49) https://youtu.be/bF71bqtOEXU?si=Lttt9vt4zOoYANX3 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLwNPma6jY99rHIZbbs1isKTjpawzvq4xQ&si=GHnmkuL4ZeArTPmc [BandcampのURLも貼っておきます] https://vintagecrop.bandcamp.com/album/serve-to-serve-again #VintageCrop #ServeToServeAgain #Upset!TheRhythm #ThirdAlbum #Australia #PostPunk #GarageRock #JackCherry #TylerO'Brien #TysonHarper #LukeO'Brien #Wire
Post Punk / Garage Upset! The Rhythm 1100円Dr K2
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Esplendor Geométrico “40 Años Nos Iluminan”
いつもお世話になっているSuezan Studioの小柳カヲルさんの個人輸入から、またまた買いました。そうです。EGことEsplendor Geométricoの40周年記念特別盤2枚組セルフ・コンピ・アルバム”40 Años Nos Iluminan“(このタイトルを直訳すると「40年間が我々を輝かせる」となります)をご紹介します。EGのバイオグラフィーについては、以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回は、メンツがArturo LanzとSaverio Evangelistaのデュオになってからの曲をコンパイルしたものとなっています。しかしながら、ほぼリズムマシンだけで、40年以上もやってきたEGは凄いと思いますし、やり続けることの大切さを体現してきたバンドだと思います。そして、そのスタイルは、世の流行り廃りに関係無く、独自にやり続けてきたことも重要ですね。本作品は収録曲の殆どは、Arturo LanzとSaverio Evangelistaによって2020年に作られていますが、A2, C3は古い音源で、更にB1はMost Significant Beatによって、B4はMauricio Martinucci-Plasmaによって、C1はAtom TMによって改変されています。本作品は、各面4曲ずつ収録されていますが、各曲について紹介していきたいと思います。 ◼️LP1 ★A1 “Syncro”は、重くスローなリズムマシンのビートの執拗な反復に、アジるようなスペイン語Voが挿入される曲で、このパタンは初期の曲には見られなかったですね。シンセによる電子音も最小限です。 ★A2 “Mechanical IV”も、重いリズムマシンの複雑な反復ビートに、ラジオ音やモールス信号が挿入される曲です。催眠ビート! ★A3 “La La 2020”は、リズムマシンとMIDIで同期させたシンセによるリズミックな電子音から成る曲で、時々、電ノコらしきノイズや人声等のサンプリングが挿入されます。 ★A4 “Brain Fungus”は、ディレイを掛けたリズムマシンの不明瞭なリズムに、シンカッションとか電子音を挿入した曲で、不安感を炙り出します。 ★B1 “Ferro”は、リズムマシンの反復に、ホワイトノイズのスネアと持続音から成る曲で、珍しく、同期したシーケンスにメロディらしさを感じます。 ★B2 “Il Resto Indietro”は、強力な突進力のリズムマシンの反復ビートに、歌声テープ音やノイズが花を添えている曲で、やや初期の音に近い印象です。 ★B3 “Buenos Días”では、宇宙的な感じさえするリズムマシン音をバックに、淡々としたVoやノイズ音も重なり、Jean Tinguelyの機械音楽を想起します。 ★B4 “City Of Heroes”は、初期の曲の様でシンセにぶっ込んだリズムマシンに、アジテーション・テープ音やシンセ音が挿入される曲で、「駆動力」そのものです。 ◼️LP2 ★C1 “Estás Solo”も、反復するリズムマシンのヒプノティックなビートが続く中、スペイン語の語り調Voが淡々と挿入される曲で、恐らく初期に近いかな? ★C2 “Tareas”は、リズムマシンの民俗的パタンのビートに、人のコーラスみたいな音や動物の鳴き声みたいな音が時々挿入される曲で、怪しさ満点! ★C3 “Mechanical I”では、ロートルな機械の動くカタカタとした音をリズムマシンとシーケンスで作り出しており、シンセ音やアジる声も挿入される催眠ビート! ★C4 “Mockba”は、怪しげな雰囲気のリズムマシンの反復ビートとスピーク&スペルの様な声やアジるテープ音楽も加わり、背景にシンセの分厚い壁がある曲で、EGにしては珍しい。 ★D1 “40 Anni Di Luce”は、シンセにぶち込んだリズムマシンによる腐食ビートに、念仏の様な声のテープ音が重なる曲で、初期のEGを想起します。 ★D2 “Freetime”は、ゴロゴロとしたパタンのリズムマシンに、メタパーらしき音とか電ノコっぽい音等が加わる曲で、やはり催眠的です。 ★D3 “Potentissima”は、これまたモロTinguely的なロートルな機械を模したリズムマシンの反復駆動音から成る曲で、正に「インダストリアル」です!グレート! ★D4 “Vuelve A Jugar”は、トライバルなリズムマシンのビートと、背景に幼稚園の音と抑揚の無いVoから成る曲で、如何にもEGらしいです。 総じて、音質は格段に良く、音の広がりも充分に感じられて、洗練されていますが、曲としては、初期の後期〜中期前半辺りで、リズムマシンは確実に高級なものを使っていますね。そして、我が道を行くEGは、40年の間に、独自のトライバルなパタンやJean Tinguelyの動く彫刻の音のようなパタンを作り出し、独自の進化を遂げているのが、良く分かります。これにはノックアウトされました❗️皆さん、「EGなんて、テクノイズでしょ?」とか「金太郎飴みたいなもんでしょ?」とか言ってないで、このアルバムだけでも聴いてみて下さい。それ位の価値のある作品だと思います。マストです❗️ クレジット曲順 A1 “Syncro” A2 “Mechanical IV” A3 “La La 2020” A4 “Brain Fungus” B1 “Ferro” B2 “Il Resto Indietro” B3 “Buenos Días” B4 “City Of Heroes” C1 “Estás Solo” C2 “Tareas” C3 “Mechanical I” C4 “Mockba” D1 “40 Anni Di Luce” D2 “Freetime” D3 “Potentissima” D4 “Vuelve A Jugar” https://youtu.be/Ut37DAHckcc?si=RX_HGC20bDi1JFJ3 #EsplendorGeométrico #40AñosNosIluminan #Geometrik #SelfCompilation #2LPsAlbum #Industrial #Technoise #Hypnotic #JeanTinguely #SpecialEdition #RhythmMachine #Sampler #TapeManipulation #ArturoLanz #SaverioEvangelista
Industrial / Technoise Geometrik 4990円Dr K2
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Silverbacks “FAD”
これは謎物件!購入した覚えがないのに、某ディ◎クユニ◎ンから届きました。同一梱包されていたものには覚えもあるので、多分、頼んだんでしよう。と言う訳で、アイルランドの5人組Silverbacksのファースト・アルバム”FAD”を選びました。それで、このSilverbacksについて調べてみましたが、余り有力な情報がありませんでした。Silverbacksは、DanielとKilianのO’Kelly兄弟を中心に結成されたアイルランドさDublinの5人組ロック・バンドで、2018年6月15日に自身のレーベルPK Miami Recordsからシングル”Dunkirk”でデビューしています。彼等の音楽は、1970年代後半のパンクとTom VerlaineらのNYC No Waveの影響下にあり、複雑な3本のギターのハーモニーが最大の特徴のインディーバンドであるとのこと。今回、プロデュースはGilla Band (a.k.a. Girl Band)のDaniel Foxがやっており、凝ったスタジオワークよりもライブ感を出した仕上がりになっています。とまあ、調べましたが、O’Kelly兄弟2人以外のメンバーや担当楽器についてはどこにも明記されていませんでした(すまん!)。 それでは、今回のアルバム”FAD”について紹介していきましょう。A面6曲/B面7曲が収録されていますので、各曲を紹介したいきます。 ★A1 “Dunkirk”は、タイトなDrsに、ダルなVoで始まり、少しだけSonic Youthを思わせる所もありますが、特にトリプルGの絡みが面白いです。 ★A2 “Pink Tide”も、タイトなビートの上に乗る3本のGと若々しいVoも、時に激しくなったりと興味深いです。確かにTelevision的かもしれませんね。 ★A3 “Drink It Down”は、簡素なコードの曲かもしれませんが、アレンジや曲の構成が絶妙過ぎますね。Voも活き活きしていてカッコ良いです。 ★A4 “Fad 95”も、ウィスパーなVoとクリアトーンのGの絡みが簡素なビートの上に乗っていて、ちょっと異色な曲です。また、コーラスワークも冴えています。 ★A5 “Dud”は、ループなような音からなる小曲です。 ★A6 “Klub Silberrucken”は、初っ端、女性Voが始まり、1990年代の軽めのラウンジ風ロックだなあと思ったら、男性Voと激しいパートも始まり、起伏に富んでいる曲でした。 ★B1 “Travel Lodge Punk”は、不安を掻き立てるようなフィードバック音から成る小曲です。 ★B2 “Just In The Band” は、突如始まるノリノリなビートが効いた曲で、1990年代のUSオルタナっぽい感じもします。 ★B3 “Grinning At The Lid”は、丁度良い塩梅なオルタナっぽい曲で、コーラスとGでのサビの盛り上がりがグッときます。曲の構成も良く練ってあります。 ★B4 “Muted Gold”は、男性Voと女性コーラスで、軽快に駆ける曲ですが、サビでは中々凝った構成にしてあり、時に聴こえるエレピも効果的! ★B5 “Up The Nurses”は、イントロ無しで、女性Voから始まり、アレンジ力も構成も展開も素晴らしいです。 ★B6 “Madra Uisce”は、まるでTelevisionのようなGのアンサンブルがガラス細工のように美しいインスト曲です。 ★B7 “Last Orders”は、やや重めのビートで押していく曲で、Voも元気一杯ですし、Gも良く絡んでいますが、最後はいきなり、しっとりと締めます。 確かに、TelevisionやSonic Youth的な要素もここかしこに感じますが、曲自体の構成もアレンジも凝っていて、それを何無く弾きこなしている技量も凄いです。多分、トリプルGの絡み方なんかが大きな魅力となり得るオルタナなロックなのだと思います。このような音楽が2010年代のアイルランドから飛び出てきたのも驚きですね。なので、ロックの進化形なのかな?と期待大ですね。Let’s Listen❗️ A4 “Fad 95” https://youtu.be/4BvZ7_s8E2g?si=sFtc-XTCuX9lyhv6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n6dvxrHQyd5T4O-4Kiktaf02Y2Wi5w-bc&si=-xhxonyV5epWCu3I [BandcampのURLも貼っておきます] https://silverbacks.bandcamp.com/album/fad #Sliverbacks #FAD #CentralTones #FirstAlbum #Ireland #PostPunk #IndieRock #DanielO’Kelly #KilianO’Kelly #FemaleMember #FivePiecesBand
Post Punk Central Tones 2200円Dr K2
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V. A. “Cold Waves Of Color Vol. 6”
これはめっけもんです。Cold Waveのコンピ第6弾です。まあ、Cold Waveってカテゴリー自体が良くは分からないんですが、大体において、私の好物なので、購入したのだと思います。そもそも、Cold Waveとは何か? まあ、ザックリ言うと、1980年代初頭から始まった、シンセとドラムマシン(とヴォーカル)から成るポップ・ミュージックで、曲調が明るい場合はSynth Waveと呼ばれ、暗い場合には、Gothic WaveとかDark Waveとも呼ばれ、またミニマルな要素が目立つ場合には、Minimal Waveとも呼ばれることもあります。そして、大体がデュオ(多くは男女のデュオ)でやっていることが多く、主に欧州(非英語圏)で人気があるジャンルとして知られています。そんなCold Waveのコンピは沢山リリースされていますが、今回は英国レーベルColor Discのシリーズ”Cold Waves of Color”の第6弾を紹介します。Cold Waveの盛んな欧州と比べると、英国ではややマイナーですが、そうだからこそ、面白いパンドやデュオがあるようです。特に、そこら辺を掘っているColor Discは要注目レーベルです。 それでは各曲/バンドについて紹介したいきます。と言いたいところですが、何だか情報不足なので、分かる範囲で書いてみたいと思います。 A1 Berserk In A Hayfieldはメンバー等は不明ですが、フロアユースなDark Wave Electro-Unitで、このシリーズの常連のようですが、後述のカセットEPはDiscogsにも載っていません。“After Dusk”は1984年”s/t”カセットEPからの曲で、太いベース・シンセとサブのシンセのシーケンス、それに簡素なマシンリズムに加えて、シュワ〜ンとしたシンセが心地良いインスト曲です。 A2 The Lordも正体不明ですが、どうも3人組らしく、またギター担当もいるようです。“Controversial” 1984年作の未発表曲で、ミディアム・テンポのシンセ・ウェーブな曲で、シンセと共にギターのリフとかもマッチしています。また気怠いヴォーカルもグーです。 A3 Silicon Valleyも全くの正体不明で、後述のカセット作品もDiscogsには載っていません。“Electro Switch”は、1982年作のカセット作品”Music For Public Transport”からの曲。BOSS DR-55と思われるミニマルなリズムが突っ走る中に、チープなシンセの簡素なメロディとサビが良い感じのインスト曲です。 A4 Neutron Scientistsも全くの正体不明です。 “Cabaret Futurama”は、1985年発刊のファンジンPurple Twilightに付いていたカセットから取った曲で、ポリシンセを用いたややアンビエント風から始まり、気持ち良いビートに支配されていくインスト曲です。 A5 Lives Of Angelsは、Gerald O'Connell (Vo, G, Kbd, Perc, B)とCatherine O'Connell (Vo, Kbd, Perc)のデュオで、Londonで4トラック・レコーダーで宅録しています。“Artificial Ignorance”は、1983年のビデオ用のセッションからの未発表曲で、ワルツっぽい不明瞭なビートの低音シンセとその上の控えめな電子音、そして深いディレイを挟んであるようなインスト曲です。 B1 Modern Artは、Sun DialのGary Ramonが率いたマイナー・ポスト・パンク・バンドで、メンバーは、 Gary Ramon (Vo, Kbd, G, B) Gerald O'Connell, Mark Harvey, The Duke (Sequence)から成ることが多かったようですが、余り固定のメンバーではやっていなかったようです。“Golden Corridor”は、1985年のビデオ作品用の”Modern Artifact No.1”セッションからの未発表曲で、直線的シーケンスとマシンリズムに、メロディアスな呟くような男性ヴォーカルが乗る曲です。 B2 The Lordの“Gonna Dream My Life Away”は、 1984年作カセットEP “Winds Of Space”からの抜粋で、ミディアム・テンポのマシンリズムとシーケンスに男性ヴォーカルが乗るシンセ・ウェーブな曲です。 B3 Echophaseも正体不明で、後述のカセット作品もDiscogsでは掲載されていません。“Controlled Experiment”は1984年作カセット作品”Controlled Experiment”からの抜粋。ディレイをかけたシーケンスとDR-55のリズムに、これまたディレイをかけたシンセのリフが絡むインスト曲です。 B4 Disintegratorsは、Gary RamonとGerald O'Connellのデュオみたいですが、単独作品は無いようです。“Radioactive”は、1982年作の未発表曲で、強力なリズムにポリシンセとテープが乗るインスト曲です。 B5 Mystery Planeは、Catherine O'Connell (Synth), Doctor Zero (Vo, G, Synth), Gerry O'Connell (G, B, Synth), Spike Harvey (G), Nigel Lackey (B, Sequence), Dave Morgan (Drs), Gary Gipps (G, B, Synth)から成るバンドで、“Burning Desire”は、1983年作カセット作品”Punishment Block”より抜粋で、Roland TR-606のリズムに、割と典型的なアレンジのシンセと男性ヴォーカルが乗りますが、ヴォーカルの逆回転やギターも入ってきます。 B6 Modern Art “Dimension 2”は、1984年の”Dimension Noise”セッションからの未発表曲で、ディレイを掛けたギターとマシンリズムから成る切ない曲で、低音はベース?で、シンセ要素少ないインスト曲です。 とまあ、散々調べても分からないことだらけなのですが、それだからこそ面白いとも言えますので、興味のある方は、是非一度、この英国Cold Waveの世界を体験してみて下さい‼️ それから、レーベルColor Discは1984年から運営されており、上記の内容からも分かるように、Gary Ramonが運営しています。その後、2014年に”Cold Waves of Color”シリーズをやり始めと共に、Color Disc & Tapesと改名して、再開しています。なので、このレーベルも要注目ですね❗️ 音源も出来る限り探しましたが、以下の曲(代替え曲も含む)しか見つかりませんでした。 A1 Berserk In A Hayfield “After Dusk” https://on.soundcloud.com/xHN3RZBQwiVwUmpx8 “Code”も貼っておきます。 https://youtu.be/frtNokXF7eM?si=pzIzzGB0vQ5Jdc8U A3 Silicon Valley “Electro Switch”の代わりに”Going Out”を貼っておきます。 https://youtu.be/mTdxjt8eJQw?si=LzbA4IqRblqxqlf_ A5 Lives Of Angelsはアルバム“Elevator To Eden”を貼っておきます。 https://youtu.be/hrHwgLX4Gig?si=nQmTHXoJCG8can3i B1 Modern Art “Golden Corridor” https://on.soundcloud.com/NwPma3mu5rR3DNMs7 ”Envy”も貼っておきます。 https://youtu.be/ht_HmCVpXaI?si=GeR4etTqMZNtTmTz B2 The Lord “Gonna Dream My Life Away” https://youtu.be/COxm4WW32pw?si=gxe3jHFh_FIOGFkp B3 Echophase “Controlled Experiment”の代わりに”Silent Sky”を貼っておきます。 https://youtu.be/rL_3NZgWdcM?si=wcZvw-PW358enGhf B4 Disintegrators “Radioactive” https://on.soundcloud.com/ZqVm9NaqZnkLWsmN8 ”Oscillations”も貼っておきます。 https://youtu.be/jdkb2jEihUc?si=YCGT881fBb5_Z7Vf B5 Mystery Plane “Burning Desire” https://youtu.be/ru5echaWsmw?si=DXx3V7oObM6sJkJ5 V.A. “Cold Wave of Color Vol.5” (参考までに前作/第5巻を貼っておきます) https://youtu.be/hwKbpPSekTo?si=V_Mk2WuUZ3DSgvnQ #VariousArtists #ColdWavesOfColorVol.6 #ColorDisc #ColdWave #SynthWave #MinimalWave #Electronic #BerserkInAHayfield #TheLord #SiliconValley #NeutronScientists #LivesOfAngels #ModernArt #Echophase #Disintegrators #MysteryPlane #ModernArt
Cold Wave / Synth Wave / Minimal Wave Color Disc 1500円Dr K2
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Portray Heads “s/t”
Portray Headsと聞いて、ピーンと来るリスナーさんはよっぽどのマニアか?四国出身者/在住の方かもしれませんね。今回は、そんなマニアックな日本のニュー・ウェーブ/シンセ・ウェーブ黎明期に四国に咲いた徒花Portray Headsのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。先ず、バイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。このバンドは、1984年に四国愛媛県松山市で、冨田徹(Toru Tomita)の呼びかけで、土井幹治(Mikiharu Doi)と徳永あゆみ (Ayumi Tokunaga)によって結成されています。彼等は直ぐに十数曲を作り、その中から2曲を選んで、7㌅ソノシート・シングル”Elaborate Dummy”をカゲロウ・レコードより1985年5月にリリースしています。しかしながら、リリース直後に、徳永が脱退し、バンドは新ヴォーカルを探します。このアルバムには入っていませんが、朝倉満代(Mitsuyo Asakura)もヴォーカルで在籍していたようです。その結果、越智由美(Yumi Ochi)が新ヴォーカリストとして加わります。彼女のヴォーカルは力強く深かったので、バンドにはよくマッチしていました。それで、トリオは、19864月に”Oratorio”を録音、今度は自身のレーベルLabel Land 4thから、1986年12月に、カセット・フォーマットと7㌅シングル・フォーマットと言う2種類でリリースしています。しかしながら、彼等が活動していた松山市は保守的であったので、このような新しいタイプの音楽に理解がなく、殆どライブをやるチャンスはなく、その為、バンド内でもトラブルの原因になっていました。そんなこともあって、バンドは直ぐに解散してしまいます。その後のメンバーの活動は不明ですが、こうして長い年月を経て、セルフ・コンピ・アルバムが米国のレーベルからリリースされたのは、何かの縁と言うか報われたのではないでしょうか?一応、紹介の前に、メンバーと担当楽器を列挙したおきます。冨田徹 (Electronics, Synth, B, Perc), 土井幹治 (Electronics, Synth, Kbd, Tapes), 徳永あゆみ(Vo [A1, A2, B1, B2, B3, C1, C2, C3], Perc, Sax), 越智由美 (Vo [A3, A4, A5, D1, D2, D3])に加えて、オキウラ・タツユキ (Drs, Drumurator)です。録音は1984年〜1986年の間に、松山市のStudio LEADで、TEAC 8-Track Open Reel Recorderを使って行われています。楽器は、Roland, Korg, Casioのシンセを使っており、Roland MSQ-100でシーケンスを組んでいました。A4ではRoland S-50 Samplerも用いられています。それでは内容を紹介していきます。 生ドラムも使っていると思うのですが、全部打ち込みなんだろうか?結構、急襲系の切羽詰まったような曲が多いですが、まあ王道のシンセウェーブだと思います。また徳永さんの越智さんのヴォーカル・スタイルは似てはいるのですが、越智さんの方がより伸び伸びと力強く歌っている印象ですね。A3やA4なんかは多分ドラムマシンとシーケンスするベースラインがはっきり分かります。しかしながら、全体を覆っていらのは、陽キャではなく、ダークな雰囲気ですね。そう言う意味では、シンセ・ウェーブと言うより、今で言うダーク・ウェーブに近いですね。それと、シーケンス以外の上物のシンセは恐らく手弾きでしょう。この頃になると、デジタル・シンセが出回ってきた時代でしょうか?そんな音が聴こえますね。そこら辺の使い方がやや中途半端なようにも感じますが。そうは言っても、曲の完成度は高く、1980年代中期に咲いた徒花の如く、素晴らしいダーク・ウェーブなので、ゴスやダーク・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️あと、B1のような少しアラビックなメロディの曲も捨てがたいですね。それと、LP2でのデモ・ヴァージョンとの比較も興味深いです。 LP1 A1 “Elaborate Dummy” A2 “Watch Your Scope!” A3 “夢を夢に” A4 “浮かぶ · 迷う · 漂う” A5 “Industrial Eye” B1 “舞い上がれ” B2 “操り人形” B3 “Generation Storm” LP2 C1 “Industrial Eye (Demo)” C2 “Burning Light” C3 “浮遊体” D1 “夢を夢に (Demo)” D2 “舞い上がれ ’86” D3 “浮かぶ · 迷う · 漂う (Demo)” “Industrial Eye” (single version) https://youtu.be/QKBY9aRnPpY?si=H1JfgRvxAO89uHWx [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kd0NgX5elsAkSCcKlS6B5XcyvaGQJhCvc&si=bbkqNPnUz_2CqalO #PortrayHeads #SelfTitle #MinimalWave #BitterLakeRecordings #Mid-1980 #MatuyamaCity #SynthWave #Minimal #Synthesizers #FemaleVocal #ToruTomita #MikiharuDoi #AyumiTokunaga #YumiOchi #ElaborateDummy
Synth Wave / New Wave Minimal Wave / Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
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The Wolfgang Press “Unremembered Remembered”
今回は、あの通好みのRema-Remaやその後のMassのメンバーが、1983年に立ち上げたバンドThe Wolfgang Pressを紹介します。Rema-RemaとMassについては、既にバイオグラフィーは書いてありますので、そちらをご参照下さい。Massを立ち上げた、元Rema-RemaのMichael Allen (Vo,B)とMark Cox (Kbd)は、たった1年の活動後、1981年に、The Wolfgang Pressを立ち上げ、2人でファースト・アルバム”The Burden of Mules”を4ADからリリースし、音楽誌からは「ダークで不協和音。それにポストパンクに残っていた薄暗さを怒りと緊張感で作り上げた作品」とか「気難しい面と激烈な面の境界でのセルフ・パロディ」とか言われています。この時に、ゲストで、Dif JuzのRichard ThomasやIn CameraのDavid Steiner及びAndrew Gray (G, Perc)が参加していますが、これを機にGrayはThe Wolfgang Pressに加入しています。そうして、彼等は、3枚のEP “Scarecrow”, “Water”, “Sweatbox”をRobin Guthrieのプロデュースでリリースしますが、割と好評でした。1986年には、The Wolfgang Pressとしてのファースト・アルバム”Standing Up Straight”を4ADからリリースしますが、このアルバムはインダストリアルとクラシックの強力な融合を試みています。音楽誌からは「実に挑戦的で容赦ないアルバムだ」と評されています。その後、1988年に、セカンド・アルバム”Bird Wood Cage”をリリース。音楽誌からは、「今回はダンス・ミュージックやファンクの要素を取り入れ始めた、最も重要なアルバムだ」と評されています。このアルバムの前にEP “Big Sex”がリリースされており、このアルバムのコンセプトを解き明かす鍵になっています。1991年にサード・アルバム”Queer”をリリースしますが、このアルバムは、1989年のDe La Soulのファースト・アルバム”3 Feet High and Rising”を聴いたことがキッカケになって作られました。つまり、よりファンク調で、よりポップな曲が多く、また、メンバーは皆が色んな楽器を演奏し、更にゲストとして参加したThrowing MusesのLeslie Langston (B)が殆どの曲で演奏しています。その後、1992年5月に、シングル"A Girl Like You"をリリースしますが、これが世界的ヒットとなり、ビルボードのモダンロック・チャートで2位になっています。その後、バンドは、自分達のスタジオを買い取り、2年間かけて作成したアルバム”Funky Little Demons”を1995年にリリースしています。音楽誌は、「このアルバムを全うなダンス・ミュージック・アルバムであり、彼等はもう一つの’White Post-New Wave Soulバンドだ」と評しており、実際、1995年2月の英国アルバムチャートでは、1週間75位を取っていました。しかしながら、このアルバムのリリース直後に、Coxがバンドを脱退し、残ったAllenとGrayは2人で米国ツアーを敢行しています。それで、2001年に、セルフ・コンピ・アルバム”Everything Is Beautiful (A Retrospective 1983–1995)”をリリースします。それで、Coxが脱退した後に、The Wolfgang Pressは、AllenとGrayのデュオになりますが、2020年のRecord Store Dayに合わせて、本作品でもある未発表曲6曲から成るミニ・アルバム”Unremembered Remembered”をリリースしており、これが最後のスタジオ・アルバムになります。The Wolfgang Pressの流れほここまでになります。 それでは、ラスト・アルバムでもある本作品”Unremembered Remembered”について紹介していきます。先述のように、Michael AllenとAndrew Grayのデュオで作成されたデモ音源6曲入りミニ・アルバムです(7曲目もあったようですが、アルバムに合わないと言う理由で収録されていません)。1995年10月〜1996年3月に、A1-A3はLondonのLimehouseにあったRewのアパートで、B1-B3はLondonのLimehouseにあったAndrew Greyのアパートで録音されたデモ音源で、全て未発表曲から成っています。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “You Say You Love Me”は重目のリズムと独特のシーケンスを含むシンセ音の組合せから来るソウルフルなノリが、結構カッコ良いです。 ★A2 “God Let It Shine On”もボトムの低いリズムとエレピやシンセの音に、飄々としたヴォーカルが乗るノリの良い曲になっています。ギターのリフもフリーキーでカッコ良いです。 ★A3 “My Mother Told Me”はノリの良いテンポで突き進む曲で、ギターのカッティングやシンセの使い方が上手くで、敢えて言えば、Stereo Totalのようなシャレ乙な雰囲気すら感じますね。ハツラツとしたヴォーカルもグーです! では、B面に行きます。 ★B1 “Black Hole Star”は重いキックですが、ギラギラしたギターと軟らかいシンセに、呟くようなヴォーカルから成るホワイト・ソウルな曲です。 ★B2 “Liar”では、シンセ・ベースとブレイク・コア的ドラムマシンとが曲をしっかり支えており、そこに語りに近いヴォーカルが乗っています。流石に今風ですね。 ★B3 “Miss H.I.V.”はウネウネしたシンセベースが印象的なややダウンテンポな曲で、やはり語りかけるようなヴォーカルが特徴的です。 どちらかと言うと、A面はよりポップ・ミュージック寄りの曲で、B面はよりダンス・ミュージック寄りの曲かなと思いますが、今、聴き直してみると、想像以上に、The Wolfgang Pressの聴き易さやダンサブルな面が見られて、4ADでもこのような音楽を扱うのか⁈とビックリしました。ある意味、Stereo Total(こちらは最もスカスカですが)にも似ていますね。また、ジャケもカッコ良く、お得なミニ・アルバムですね。なので、未聴の方は一度、固定概念を取り払って聴いてみては如何でしようか!! B1 “Black Hole Star” https://youtu.be/q3Pa98x7kuM?si=06qfnJafAjn_nUls [full mini-album] https://youtube.com/playlist?list=PL7GkJIrPbRT9FVRwNyvZ6qiUzwVBJ5DRg&si=bS7XGZaETUs7e9Uz #TheWolfgangPress #UnrememberedRemembered #4AD #Mini-LP #LastStudioAlbum #LimitedEditions #1500枚 #2020RecordStoreDay #Funk #DanceMusic #ElectronicPop #PreviouslyUnheardTracks #Demo #MichaelAllen #AndrewGray #Rema-Rema #Mass #MarkCox
Alternative Rock / Electronic 4AD 580円?Dr K2
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Naked Roommate “Do The Duvet”
これは完全に「ジャケ買い」に相当するものです。多分、ちょっとだけ試聴して買っちゃったブツだと思います。Naked Roommateなんて、全然知らなかったですから。それで、先ず彼等のバイオグラフィーを調べてみました。メンバーは、Amber Sermeño (Lead-Vo), Alejandra Alcala (B, Back-Vo), Andy Jordan (Drum Programming, Synth, Perc, Back-Vo), Michael Zamora (G, Synth, Sampler, Back-Vo, Perc, Cowbell)の4人組で、現在は、米国CAのBerkeleyで活動しています。元々は、2010年中盤に、オークランドで、ファンク風のポストパンク・バンドThe WorldをやっていたAmber SermeńoとAndy Jordanは、もっと融合的で映画的で影のある何かを加えることで、The Worldの有機的でダンサブルなエネルギーをもう一度作り直したいと考えていて、別ユニットとしてNaked Roommateを2018年に始めています。しかしながら、2020年1月に、The Worldの方が解散してしまい、その解散からNaked Roommateのフル・アルバムである本作品のリリースまでに数ヶ月の間が空いてしまいます。それでバンドメイトのMichael ZamoraとAlejandra Alcalaの協力もあって、曲に程良いアレンジを加えることが出来たそうです。彼等はこのアルバム1枚とカセットEP1本しかまだ出していませんが、英国のレーベルUpset! The Rhythmがわざわざ、黄盤も限定で出していることからも、有能なバンドと認めているのでしょう。ん〜調べても、これくらいしか分かりませんでした(すまん!)。 それで内容の方なんですが、両面5曲ずつ収録されています。A1 “Mad Love”は、ファンク調のリズムで、ぶっきらぼうな女性Voに、ミュートしたギターやシンセの伸びやかなリフが加わったクールなダンス・チューンです。A2 “We Are The Babies”でも四つ打ちのリズムにスラッピーなベースと宇宙的なシンセも絡む、これまた気持ちの良いダンス曲です。タイトルを連呼するVoもグー! A3 “Fondu Guru”では、変調させたドラムマシンと不明瞭なベースラインにコケティッシュなVoが何とも映える。サックスまで入ってくるけど、これはサンプラー? A4 “Credit Union”は、ベースの弾き語りに呟き声のVoという一風変わった小曲で、A5 “Je Suis Le Bebe”では、マシンの四つ打ちリズムと腰のあるファンキーなベース及びシーケンスが曲を構成し、上物は控え目です。ウィスパーなVoも良い感じです。それではB面に行きます。B1 “Fake I.D.”は、よりロック的なリズムとホーンのようなサンプラーとシンセに、女性Voと言う、割とスカスカな曲ですが、途中で分厚いシンセも鳴り響きます。B2 “Fill Space”もそれ程ファンキーでは無いリズムで、やはりホーンのようなシンセが鳴っています。ネオ・アコ・バンドのように浮遊するVoが新鮮です。B3 “(Do The Duvet Pt. 2)”は会話のサンプリングを色々弄って、リズムに乗せた小曲。 B4 “Repeat”では、久しぶりに四つ打ちのリズムに乗って、ファンキーなアレンジが冴えるシンセやギターと共に、女性Voも朗々と歌ってます。元気の出る曲で、ダンサブルですねー。B5 “(Re) P.R.O.D.U.C.E.”は突進するようなリズムが特徴的で、ベースはシンセ・ベースかな? シンセのリフもシグナルのようで、サンプラー音も効果的です。終わり方がまたカッコ良いです! 総じて、割とファンキーでダンサブルな曲が多いのですが、それを規定しているのは、ドラムマシンとベースで、上物はどちらかと言うと何でもござれですね。あと、Sermeñoのヴォーカルは、基本的にはコケティッシュな感じがしますが、彼女のVoは色んな局面に対応出来そうです。ファンク調が強いと、ESG, Liquid Liquid, Lizzy Mercier Desclouなんかも思い浮かびますね。しかしながら、ミックスが超絶上手いです。と言う訳で、Berkeleyにも、このようなノー・ウェーブを通過したファンクなバンドがいるのですね。また、1980年代のファンク/ダンスミュージックとは違う匂いがしますが、これは単にマシンドラムを使っていると言うだけでは無さそうです。ここら辺はまた、もう少ししたら、考察してみたいです。いゃ〜、それにしても面白かった❗️機会があったら、皆さんも聴いてみて下さい。何か発見があるかもよ。 https://youtu.be/tVFsnkR8Kwk #NakedRoommate #DoTheDuvel #Upset!TheRhythm #USA #CA #Berkeley #PostPunk #Funk #MachineFunk #DanceMusic #PopMusic #AfterNoWave #AmberSermeño #AlejandraAlcala #AndyJordan #MichaelZamora #TheWorld
Post Punk / Dance Music Upset! The Rhythm 1000円Dr K2
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Wire “Mind Hive”
今まで散々紹介してきたWireですが、実は、沢山のライブ・アルバムを含めて、これまたコンスタントに作品を、自分達のレーベルPinkflagからリリースしてきています。そんなWireの20枚目のスタジオ・アルバムが、今回紹介する”Mind Hive”です。Wireのバイオグラフィーについては今まで書いてきましたが、少しだけ補足しておきます。今回もメンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd), Graham Lewis (B, Vo, Ex, SK-1), Robert Grey (Drs, Cymbals), Matthew Simms (G, Synth, Modular Synth)の4人です。Newmanは、Wireのフロントマンでもあり、全てのWireのリリースしたものに関するミックスやポスト・プロダクション及び権利を引き受けて、バンドの新作及び旧作のリリースを行うレーベルとしてPinkflagを2000年に立ち上げました。それで、Wireの全作品が入手できるとのことです。また、Newmanと彼の妻Malka Spigelとは1990年代初期にSwimと言うレーベルも運営しており、2人で共同作業をしているようで、他のアーティストやグループのリリースを行って来ています。一方、LewisはWireのオリジナルのベーシストであり、歌詞も沢山書いています。また、バンド外でも、彼は、Bruce Gilbert, Russell Mills, C.M. von Hausswolff, John Duncan, Leif Elggren, Jean-Louis Huhta, Thomas Öberg, Andreas Karperydらとコラボを行い、また、Dome, Cupol, P'o, Duet Emmo, He Said, He Said Omala, H.A.L.Ö, Ocsid, Hox, 27#11, UUUU.と言ったユニットもやっています。更に、彼は、Michael Clark Company, Stephen Petronio Company, Su-en Butoh Companyのダンス・ミュージックやBrothers Quay, Bigert & Bergström, Gunilla Leanderの映画音楽も担当しています。Simmsは2010年からWireに関与し、2013年作”Change Becomes Us”で初めてWireの一員にクレジットされています。Simmsは普通のギタリストではなく、ユニークなアイデアを持っており、積極的にWireに関わっています。彼は、その前は、Lo-Fiノイズ・ポップ・バンドIt Hugs Backのフロントマンでした。またスーパー・インプロ・ノイズ・グループUUUU.Mにも参加しています。Grey (Gotbed)はWireのミニマルで正確なリズムを刻むドラマーですが、1991年から、英国中部の小さな農場も運営しています。そんなWireの”Mind Hive”は、彼等のスタジオアルバム20作目に当たります。上記の4人は勿論、ゲストにHarald Pettersson (Hurdy Gurdy)とSean Douglas (Organ)も参加しています。A1 “Be Like Them”では、いきなり和風のメロディ(三味線風)が出てきて、ビックリするのですが、曲自体はかっこいいです。A2 “Cactused”, A3 “Primed And Ready”は割とシンプルなロック調の曲ですが、A2なんかは、サビでのLewisのコーラスに痺れます。A4 “Off The Beach”はややライトなアップテンポの曲で、これまたポップネスを感じます。A5 “Unrepentant”では、Greyはドラムではなく、シンバルのみを演奏、Simmsはシンセだけでなく、モデュラーも演奏しており、ゆったりとした牧歌的な曲。こう言う時のNewmanのヴォーカルは冴えますね。それで、B面に移ってB1 “Shadows”もスローテンポな曲ですが、洗練された音が瑞々しいです。B2 “Oklahoma”のイントロのドローン音はHurdy Gurdy。そして掛け声と共に、やや男っぽいLewisのヴォーカルが映える曲が始まります。B3 “Hung”は、Simmsによると思われるモデュラー・シンセのパルス音に合わせて、ミドルテンポのやや重めの曲になっています。B4 “Humming”は、ドラムレスの曲ですが、DouglasのオルガンとLewisのベースでしっとりと聴かせてくれます。バラードにならないところが、Wireらしい。と言う訳でアルバムは締められています。 今回、Wireのアルバムを聴いてみて、Greyの削りまくったシンプルなドラミングと、Newmanの、これまたシンプルな曲作りとそれにマッチした柔らかいヴォーカルが印象的でしたね。これが、ロックの終わった後の「ロック(=音楽)」なんでしようか? きっとこのアルバムにもその答え(の一部)は隠されているかも!! A1 “Be Like Them” (3:52) A2 “Cactused” (3:35) A3 “Primed And Ready” (2:44) A4 “Off The Beach” (2:23) A5 “Unrepentant” (5:02) B1 “Shadows” (2:45) B2 “Oklahoma” (3:08) B3 “Hung” (7:54) B4 “Humming” (3:29) B2 “Oklahoma” (3:08) https://youtu.be/tDBrZ854S4A?si=RG0IzLn7spe3Wsp2 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhFzKjgpXnVlDXK0du4R1cC2O5j-DFEyE&si=m-6tEh_QBVkENq_Z #Wire #MindHive #Pinkflag #PostPunk #Rock #CollinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #HurdyGurdy #Organ
Post Punk Pinkflag €17.00Dr K2
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Group A “anOther”
君はGroup Aを知っているか? 日本人女性2人組の実験的ポップを演奏するデュオで、2012年に東京でSayaka BotanicとTommi Tokyoによって結成されたデュオで、2016年からは独逸ベルリンで活動しています(元々は3人組だったとのこと)。分担は、Sayaka Botanicがヴァイオリンとカセットテープよるコラージュ、Tommi TokyoがアナログシンセとドラムマシンにVoとなっており、初期には上半身裸で、直接身体にペインティングしていくパフォーマンスもしていたらしいです。因みに、Sayaka Botanicは、イギリスのUniversity of Arts/London Collage of Fashionのテキスタイル科を卒業してロンドンでファッションレーベルで制作の仕事をしていたとのこと。そんな彼女達に興味を持ったのは、彼女達の動画を偶々観たことによります。初めは何をしているのかよく分からなかったので、何本かライブ動画を観てみましたが、何だか摩訶不思議な音楽が聞こえてきただけで、正体も全然分かりませんでした。なので、今回、調べてみましたが、この位の情報だけでした(すまん!)。 それで、この作品ですが、どうも、2018年にカナダ・モントリオールのAgora de la Danaeで行われたマルチメディア・プロジェクトの”anOther”の為に作られた作品のようで、Group Aの他に、パーフォーマーDana Ginoras, 地元メディア・アーティストSonya Stefan並びにフィンランドの照明アーティストMikko Hynninenも加わったパフォーマンスだったらしいです。その音楽部分だけを取り出してリリースしたものです。なので、純粋に彼女達の表現を体感すると言うよりも、そのバックグラウンドも察して欲しいところです。それで内容ですが、A面はいきなりレコードの針飛び音から始まりますので、ちょっとビックリします。そして重低音のシンセらしき音が続き、次第にインダストリアルなビートの曲に移行していきますが、この辺りの切り替えが職人的に素晴らしい。B面はテープによるコラージュから始まりますが、次第に伸びきってフェイドアウト。次の曲は可愛らしいパーカッションらしい音にテープや変調ヴォイスがミニマルに続きますが、これがまた「都市の民族音楽」のような気持ち良さです。そして最後は重低音のの小曲で締めます。意外とミニマルな要素が強いと思いましたが、これがまた麻薬的な気持ち良さに直結していきます。あと、最近は、Sayaka Bitabicさんが単独でも演奏をしているみたいですが、これは憶測なので興味がある方は調べて教えて下さい。インダストリアルど言い切れないような中性的音楽が紡ぎ出されています。やはり、ベルリンは自由なのか!? そう言う場ってありますよね?わ私も住んでみたいです. “MNQ126” https://youtu.be/vCes86Hf18g #GroupA #anOther #MannequinRecords #ExperonentalPop #Minimal #SayakaBotanic #TommiTokyo #Berlin #DanaGinoras #SonyaStefan #MikkoHynninen #Multimedia
Experimental Pop Mannequin Records 不明。Dr K2
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Y Creat “The Blue Tape” I
これは視聴して気に入ったので、購入したアルバムです。このバンドや作品の詳細は全然知らなかったので、少し調べてみました。このY CreateはオランダのHessel Veldmanのカルト的ソロ・プロジェクトなんですが、1980年代から活動している人で、このY createでは、彼以外は、毎回、違うメンバーで構成されているようです(或いは、Herman te Looとのデュオとも言われてます)。HesselとNick Nicoleが1982年に開始したレーベル/スタジオ(と言っても、Hesselのアパートのリビングのことらしい)/アーカイブの総称のExartに関わっていたミュージシャン達から選んでいたそうです。そうして、彼等は即興的或いは楽譜による作曲に基づいて、毎週木曜日にHesselのアパートのホーム・スタジオで演奏を行い、それらを全部録音していたとのことで、その一部がこのレーベルからリリースされてきています。Hesselは結構「反復パータン」が好みで、それをギター、ベース或いはシンセで演奏しており、特に、KORG MS-20とRoland Junoでそのようなパターンを演奏していました。ここでは、その反復パターンに彼のSoprano Sax、時にVoiceなども含めて録音されています。そしてリズムマシンとして、Roland TR-606が使われています。その演奏などは全部録音されており、Hesselは1週間かけて、吟味し、Y Createの相棒でもあったHerman te Looと、次の「木曜セッション」の前に、ミックスについてディスカッションしています。その中で充分に練られた結果が、コンパイルされて、Exartから3本のカセット作品としてリリースされています。因みに、Y CreateのYは二人の故郷でもあるYmuidenの頭文字だそうです。今回の作品は、この内の”Blue”の初のVinylでの再発ですが、それ以外には”Green”と”Grey”があり、更に催眠的だそうです。このカセット3部作はHesselとHermanが1984年に始めたバンド、Gorgonzola Legsの下地になっているとのこと(私は未聴)。大体の活動で、分かっていることは以上になります。 それで、本作品ですが、単調でダルなリズムマシンとシンセやベースなどの反復音は確かに「催眠的」ではありますが、そこにSaxが即興的に絡んでくるのは独特な音世界を作り出しています。デュオでの演奏は、時にTuxedomoonやWireのようにも聴こえたかもしれませんが、Hesselはそのようなバンドを模倣している訳ではなく、独自の演奏にしているだけであるとしています。何となく、1980年代にあった、靄の掛かったような音質が、ちょっとしたユーモアと共に、ヴィンテージな電子楽器にて表現されているようです。まあ、曲名は付いていませんが、一曲一曲が短いので、然程、退屈しません。そんなDIYな匂いがプンプンする音楽を欲している方は是非、聴いてみて下さい。それにしても、オランダはDe Fabriekなど、独自の進化を遂げたバンドや活動が多いですね。私も活動時期が被っていますが、このY CreateやExartは全然知りませんでした。 https://youtu.be/bDhZy_NPiQQ https://youtu.be/4BTK79EAxhw #YCreate #TheBlueTape #LesGiants #ExperimentalPop #Industrial #HesselVeldman #HermanTeLoo #Exart #DutchScene #Hypnotic #DIY
Experimental Pop Les Giants ?Dr K2
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Pere Ubu “By Order Of Mayor Pawlicki (Live In Jarocin)”
いゃ〜もうPere Ubuだけは外せませんね。これも買った記憶は余り無いのですが、探し当てました!2枚組かつライブ盤なのですが、収録曲が、初期の名曲ばかりだったので、多分、即購入したのではないかなと思います。もうPere Ubuのバイオグラフィーは散々書いていますので、省略させて頂きます。ライブ自体は、2017年にポーランドのJarocinで行われたものですが、”Codex”と”My Dark Age”の2曲だけは、2016年の仏Marseilleでのライブテイクが使われています。この時のメンバーはMichele Temple (B, BackVo), Steve Mehlman (Drs, Piano, BackVo), Gary Siperko (G), Tom Herman (G, BackVo), Robert Wheeler (Synth, Thermin), David Thomas (Vo, Musette, Mix)です。オリジナルメンバーは最早David Thomasだけなんですが、現メンバーでも初期の曲を上手く再現していると思います。まあ、ライブ音源なので、アレンジや雰囲気ほ変えているとは分かるんですが、そう言う意味では、David Thomasさえいれば、Pere Ubuは成り立つってことなのかな? まあそれを言っちゃお終いなんですが、、、。あと面白いと思ったのは、DavidのMCで、かなり癇癪持ちみたいなと言うかうるさい頑固ジジイのような口調で捲し立ててるのがよく分かります。しかしなから、名曲”Final Solution”で締めているのが、ポイント高いですね。またセカンド・アルバム”Dub Housing”収録曲を演っているのも新鮮でしたね。特に”Caligari’s Mirror”のライブヴァージョンも良かった!てな訳で、Pere Ubu好きには堪らんアイテムですよ、この作品は!ファンは勿論、Pere Ubu初心者さんも是非とも聴くべきですよ! 因みに盤はハーフブラック・ハーフレッドの特殊盤です。 ◼️LP1 A1 “Intro” (0:45) A2 “Heart Of Darkness” (3:48) A3 “On The Surface” (2:51) A4 “Petrified” (2:30) A5 “Real World” (4:11) A6 “Rhapsody In Pink” (3:2 B1 “Modern Dance” (3:26) B2 “Navvy” (2:59) B3 “Small Was Fast” (4:22) B4 “Over My Head” (3:52) B5 “Long Walk Home” (2:41) ◼️LP2 C1 “Codex” (5:25) C2 “My Dark Ages” (6:43) C3 “Rounder” (3:40) C4 “Dub Housing” (5:28) D1 “Fabulous Sequel” (3:41) D2 “Vulgar Boatman Bird” (3:39) D3 “Caligari's Mirror” (4:13) D4 “Final Solution” (6:36) LP2 D4 “Final Solution” (6:36) https://youtu.be/5eSyLmbWI3A?si=VoQSYhrulqF_1lS3 [full albums] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lm6TG3DFVQ4K1r2dND5phyIFk6Q_n_2p8&si=Fn-in5-s1vIAkeA5 #PereUbu #ByOrderOfMayorPawlicki #LiveInJarocin #CherryRedRecords #AvantRock #ArtRock #LiveAlbum #2LPs #Poland #France #DavidThomas #MicheleTemple #SteveMehlman #GarySiperko #TomHerman #RobertWheeler
Avant-Rock / Art Rock Cherry Red Records 不明Dr K2
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Marla Hlady “Playing Piano”
これも謎レコード。今回、調べてみて、漸くちょっと分かりました。Marla Hladyはカナダのキネテイック・アーティストかつサウンド・アーティストでインスタレーションもやるバリバリの芸術家です。彼女は日常品を使って、それを電気的あるいは電子的に動かす手法を多用しているようで、しばしば、社会的なメッセージを含んでいるとのこと。彼女の作品は動かすシステムによって作曲すると言うスタンスで、主な作品に”Gut Machines” (1994-95)や”Waltzing Matilda” (2000) そして今回紹介する”Playing Piano” (2008)があります。そして彼女は、1987年にVictoria大学から芸術学士を、1990年には芸術修士を授与されています。Marlaは、トロントで行われたG76でキネティック・インスタレーション「不安を中和する感覚」で注目され、その後もソロの個展”Beauty”をJohn Massierのキュレーションで、1992年にKoffler Galleryで行ったりしています。2012年にはNYのBuffaloにあるHallwallsで大きなソロ個展をやっています。とまあ、現役のバリバリはキネティック・アーティストてなんですよ。 それで内容ですが、プリペアード・ピアノのその先を行くキネティック・ピアノ(改造ピアノ)の2008年のYYZ Outletでの演奏の記録から成ります。まあ、改造と言う位ですから、 もう無茶苦茶ですね。1台のコピー機を改造して、2つの弦をかき鳴らすアームを取り付け、更にその音を各弦に取り付けたコンタクト・マイクで増幅。また2台のパイ焼き用のプレートも使い、その音もコンタクトマイクで増幅。さらに汽笛マシンを装着して、ピアノの「呼吸音」を拾い、紙の筒とコンデンサーマイクでらこの音を増幅すると言う仕掛けです。さらに41個の振動センサーを弦に取り付け、PCで制御しています。更に1台ののテンポ・マシンが取り付けられ、出来るだけゆっくりと音を鳴らすようにセットされています。と言う魔改造を施されたアップライト・ピアノ写真参照)の自動演奏の記録ですね。ゆっくりと爪弾かれるピアノの音に何かティンゲリー的なカタカタ言う音が混じり合い、それこそ、一種の生命体としての「生きた」ピアノの音を聴くことができます。それ程、激しい作品ではありませんが、非常に面白い音楽ですね。ジャケを見てもらえると、分かると思いますが、かなり手の込んだ仕掛けが施されています。それを見るだけでも楽しいです。皆さんも機会があったら、どうか聴いてみて下さい(でも自分家のピアノではやらないように❗️)。 https://youtu.be/_g6rqj_TZ8E #MarlaHlady #PlayingPiano #SquintPress #Installation #SoundArtist #AcousticPiano #PreparedPiano #Canada #FineArt
Experimental Squint Press 不明Dr K2
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Nuts & Co “Kangourou”
これまた、謎のレコードです。Nuts & Coの唯一のアルバム”Kagourou”です。先ず、調べてみてわかったことはバンド名が、Nuts & Coで、タイトルが”Kangourou”、リリースは仏の再発レーベルCamisole Recordsが2020年にリリースしたとだけです。いやはや、とんでもない謎物件です。どうもメンバーはFriederike Mueller (主にVo), Jean-Christophe HeyMarc’Halant (Synth, Piano, Perc, G, B)のデュオが基本で、それにPhilippe Gueneugues (Sax), Michael Delavillarmois (B), Daniel Mornet (Accordion), Philippe Thierry (Batterie?)達がヘルプで加わっているらしいです。それにしても、このデュオが、仏なのか独逸なのかも良く分かりませんが、多分名前の感じからは仏のバンドでは?と想像します。また、どうもリイシュー盤なのですが、その元がいつ(多分1982年4月?)、どう言うバンドであったのかも全然分かりません。もうお手上げです。なので、情報をお持ちの方は教えて下さい❗️独逸語の歌詞な曲名もあるのですが、仏語の歌詞や仏っぽいニュアンスもあるので、多分、仏のデュオでしょう。曲はミニマルで、Young Marble Giantsの様な簡素なアレンジで、聴かせる曲が多いですね。個人的には割と好きなバンド。ちょうど、DDAAやPtoes Productionが突然変異したような音楽を聴取することが可能です。兎に角、一度、聴いてみて欲しいデュオではありますね。皆さんも是非、騙されたと思って。、、、それにしても”Kangourou”ってタイトル、何か日本語っぽいんですが、どう言う意味か?知ってる人は教えて下さい。 https://youtu.be/K9EJNeJEuo0 #Nuts&Co #Kagourou #CamisoleRecords #Duo #FriederikeMueller #Jean-ChristopheHeyMarc’Halant #ExperimentalPop #MinimalWave
Experimental Pop Camisole Records 不明Dr K2
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The Haters “Kupfer Till Mingwave”
出ましたよー!良い子は皆んな大好き、The Hatersの近作アルバムです。見開きジャケに2枚のLPが収められていますが、1枚は普通に聴けるLPなんですが、もう1枚は盤面にアートワークが塗りつけられており、再生不可能な12㌅LP(この様な聴くことの出来ないヴァイナルを「アンタイ・レコード(Anti-Record)」と呼び、ノイズ・ミュージックの世界では90年代に沢山作られています。元々はAndrew Smithの発案らしいです)になっています。勿論アンタイ・レコードはハンドメイドなので限定品になります。The Haters のバイオグラフィーは前回、書きましたが、ちょっとだけ、補足を。The Hatersほ米国ハリウッドに住んでいるG.X.Jupitter-Larsenが首謀者で、時と場合によりその場その場でメンバーが加わってライブ・パフォーマンスを行うユニットで、メンバーは基本的に黒覆面を被っていますぐ(G.X.は片目だけの黒覆面)。私は1990年代頃のThe Hatersのパフォーマンスが大好きで、SRLのメンバーも参加して、ギャラリーやライブハウス内に、古本、土砂、巨大なロールされたペーパー、中古バイク、タイヤ、自転車、鉄製の屑、ソファーなどを持ち込み、皆んなで、それからを破いたり、叩いたり、壊したりして、ただただゴミを作り出すと言うことを毎回やっていたのですよ。その「無意味さ」とか「エントロピーの加速行為」はもう堪らなく好きでしたねえ。彼こそが、ノイズ界の真のニヒリストだと思います。そして、The Hatersは、通常の「楽器」成るものを使わないんです。電卓をヤスリの上で擦り続ける音やマイクロフォンをグラインダーで擦る音、パンチング文具でひたすら紙に穴を空ける音などをコンタクトマイクで拾い上げ、増幅して、音を出し、それを「ノイズ・ミュージック」と称する訳です。それは徹底してますね。正に虚無的行為です。そんなThe Hatersの近作が本作品になります。レーベルは特殊ハンドメイド包装で限定品を出すことで有名な独逸Psychic K.G.です。4曲、収められてますが、どれも「あっ、これはThe Hatersだなぁ!」と一聴して分かるノイズから成ります。反復する破壊音な様なノイズが続くんですが、その反復が意図的にズレたりして、また反復同士が干渉し合ったりする、独特の音世界を築き上げています。これは好きな人には堪らないんですが、そうでないリスナーさんには苦痛でしようね。好き嫌いの分かれるノイズ・ミュージックですが、一度は聴いてみた方が良いと思いますよ。さあ、召し上がれ! ◼️LP1 A1 “Kupfer Till Mingwave 1” (8:43) A2 “Kupfer Till Mingwave 2” (11:38) B1 “Kupfer Till Mingwave 3” (10:00) B2 “Kupfer Till Mingwave 4” (8:43) ◼️LP2 C “Pouring Anti LP , Not Playable E: Not Playable YouTubeには本作品は無かったので、他の作品を。 https://youtu.be/wSscN8IK_bA?si=92iQ86RRl5z4L5dp #TheHaters #KupferTillMingwave #PsychicK.G. #Anti-Record #NoiseMusic #Amplification #Repetition #Nihilism #PureNoise #G.X.Jupitter-Larsen
Noise Psych K.G. 不明Dr K2
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TNB(The New Blockaders)+K2 “虚無の音 (Kyomu-No-Ne)”
時々、自分関連のも載せますよ〜!と言う訳で、今回は、The New BlockadersことTNBとわたくしのソロK2のコラボ作”虚無の音(Kyomu-No-Ne)” です。これは時間がかかった、いや、かかり過ぎた。相互のコラボなので,お互いが音素材を交換して、それを変調・加工し、また、自分の音を加えたりしながら、曲をそれぞれが仕上げていくと言う方法をとりました。音素材を交換したのは2001年頃だったと記憶していますが、その後、音沙汰無いなぁと思っていたら、勝手に、アメリカのBanned Productionsからコラボ曲がカセット作品”Oozing Ruin”として2002年に出されちゃうし、、、まあ,良いんですけどね。兎に角、Richard Rupenusのリアクションが遅い!忙しいみたいなことはメールしてくるんですが、それで前述のカセットが出てから8年経って,漸くTNB側のミックスが終了しました。長かったなぁ。まあ、Richardのレスが遅いとは聞いてましたが、ほんとッ、参りました。因みにTNB側のメンバーはRichard & Philip Rupenus兄弟とMichael Gillhamの3人のようです。”Oozing Ruin”の時は私のミックスに何らかの加工をしたみたいですが、今回もTNB側は割とストレートなミックスで仕上げていますね。それに対して、私の方はまだjunk electronicsと言うミキサーのフィードバック・システムを用いており、かつミックスダウンも人力カットアップで行なっていましたので、モデュラーを使っている今のK2の音とはかなりの落差がありますね。それで、TNB側が送ってきた音素材は彼等のシンボルでもある金属摩擦音であったと思います。一方,私の方は,先程書いた通りミキサーのフィードバック音だったと思います。それで、リリースレーベルも決まって、ジャケはどうしようか?との話しになって,そうだ! G.X.(Jupiter-Larsen)に頼もうとなり、すぐさま連絡したら、OKで、作ってくれました。しかし日本語のフォントがダサいので、何とか作り直そうとしたのですが、G.X.に押し切られてしまいました。まあ,そう言うことも含めて、無事、LPがリリースできて,良かったなあと感慨深いです。それで、今回、聴き直して気づいたのですが、A-1とA-2は明らかな切れ目ななく、繋げられています! また、違う形でコラボしたいなとは思います。もし、下記のトライラーをみて、興味がある方は、是非ともLPをご購入ください。 A1 K2 / TNB “Kyomu-No-Ne (Part I)” (12:25) A2 TNB / K2 “Kyomu-No-Ne (Part II)” (7:29) B K2 / TNB “Kyomu-No-Ne (Part III)” 16:03 [trailer] https://youtu.be/piQ2C5tkhcE?si=yWYb44yuzb_2y9y0 [“Oozing Ruin” full album] https://youtu.be/AkSgV8XDtdQ?si=oaC97O5c5dznKc7x #TheNewBlockaders #TNB #K2 #Kyomu-No-Ne #Collaboration #4iBRecords #LimitedEditions #249部 #SoundOfNihilism #Noise #MetalJunks #FeedbackSystem #RichardRupenus #PhilipRupenus #MichaelGillham #KimihideKusafuka #Artwork #G.X.Jupiter-Larsen #OozingRuin #CollaborationCassetteWork #BannedProductions
Noise / Experimental 4iB Records 無しDr K2