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Snatch “Shopping For Clothes”
皆さん、Snatchって覚えていますか? NYCのパンク・ガールズ・デュオで、Judy NylonとPatti Palladinが1980年代初頭にやっていました。私自身も、高校生か大学生の頃に、Snatchの名前は聞いていたのですが、実際の音楽を聴いたことがありませんでしたので、今回、偶々入手した12㌅EPを紹介したいと思います。 先ず、Snatch(と言うか、彼女らそれぞれの)のバイオグラフィーを書いておきます。Judy Nylon (本名Judith Anne Niland)は、米マルチメディアアーティストで、1970年にLondonに行っていますが、1970年半ばには、米国Patti PalladinとパンクバンドSnatchを結成しています。Nylonは、当然、NYCとLondonのグラムロック、パンク、No Waveの影響を受けていましたが、彼女自身はそれらを録音してはいません。しかし、1982年に、彼女はAdrian Sherwoodとの共作アルバム”Pal Judy”を出して、話題になっています。一方、Palladinは、Nylonのアルバム”Pal Judy”に、"Trial by Fire"と言う曲を共作して、自身のバックバンドCrucialで参加もしています。そんなSnatchは、実は英国音響仙人Nurse With Woundのナース・リストにも関わっており、NWWの1980年のアルバム”To the Quiet Men from a Tiny Girl”のアートワークの一部を担当しています。Snatchは、1978年に、Brian Enoとの共作曲”R.A.F.”をEG Recordsのコンビ・アルバム”First Edition”に提供していますが、この曲にはバーダー・マインホフ(独逸赤軍派)の身代金要求メッセージがカットアップして使われています。また、Nylonは、Brian Enoの曲”Back In Judy’s Jungle”のモチーフにもなっており、Enoの1974年のアルバム” Taking Tiger Mountain (By Strategy)”からの抜粋”China My China”でも彼女が歌っているビデオがあります。なお、Enoは、1975年作”Discreet Music”の裏ジャケに、アンビエント・ミュージックの確立に影響を与えた人物の1人としてJudy Nylonを挙げています。一方、Palladinは、The HeartbreakersのJohnny Thundersとも関係を持っており、Thundersの1978年作ソロ・デビュー・アルバム”So Alone”と1985年作アルバム”Que Sera Sera”に参加、そして1988年ではThundersとPalladinはコラボ・アルバム”Copy Cats”をJungle Recordsからリリースしています。また、2人はFred Wise & Ben Weismanの”Craw Fish”のカバー曲を1984年に録音、オリジナルのレーベルPostcard Recordsとの和解後、Alan Horneが立ち上げたSwamplands Recordsからリリースしています。また、Palladinは、1980年辺りで、英国Flying Lizardsのメンバーになっており、1981年のアルバム”Fourth Wall”に参加しています。また、Palladinの曲”The Nuns New Clothes”は、London Recordsが1983年に出したコンピ・アルバム”The Batcave: Young Limbs And Numb Hymns”に収録されています。一方、Nylonの方は、1970年代には、VelvetsにいたJohn Caleとコラボしており、1974年には、Caleのソロアルバム”Fear”の中の曲”The Man Who Couldn't Afford to Orgy"にスポークンワードで参加、ライブや他の録音にも参加しており、Caleの1987年作のライブアルバム”Even Cowgirls Get the Blues”にも参加しているのが確認できます。また、PalladinとNylonは、Johnny Thundersの1978年の初期のライブで、バッキング・ヴォーカルをやっています。 とまあ、Judy NylonとPatti Palladinは、それぞれ重要な場面で登場し、活躍している訳ですが、肝心のデュオSnatchに関しては、今一つよく知られていませんし、録音物も多くはありません。唯一のセルフタイトルのアルバムは、1983年にPandemoniumからリリースされています。また、シングル/EPは長い活動歴にも関わらず3枚だけです。その中で、今回、ご紹介する12㌅EPは、先述のように、John Caleのプロデュースで録音されています。そして、A面は、LAのドゥアップ・グループThe Coastersの曲のカバーで、B2では、Brian Enoとの1978年共曲”R.A.F.”に使用したヴォイス・サンプルを流用しており、その最後はロックト・グルーヴとなっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A “Shopping For Clothes” (5:16)では、原曲の断片をサンプリングしてバックトラックを作り、2人(メインはJudy Nylon?)がスポークンワードっぽく歌うと言う曲で、それにGノイズやフリーキーなSaxを少し加えて、異形の「ジャズもどき」な曲に再構成しています。 ★B1 “Joey” (3:12)は、コンガとエレピらしき音によるエスニックなリズムに2人が歌っている曲になっていますが、何故か「似非エスノ」な臭いがします。 ★B2 “Red Army” (4:49)は、四つ打ちキックとファンクっぽいBに、バーダー・マインホフの録音や2人による朗読が乗り、更にシンセらしき電子音やGノイズが挿入される曲で、個人的には、吉野大作&プロスティテュートの名曲”M.U.R.A.”との差異が興味深いです。 何となく、No WaveとNYCの狂気(これはJohn Caleによるものか?)が混ざった、とんでもない音源だと感じました。素っ気ないジャケも余計に拍車をかけています。勿論、B2の政治的アウト感もそうなんですが、A面のサンプリングを上手く使った「似非ジャズ」への変換/ カバーが素晴らしく、全く原曲を感じさせない極めて冷徹なノリに感動すら覚えました!こりゃあ、LPも買わなきゃだな。 https://youtu.be/FCHrW2R4FGc?si=m6mJVr_B2SXkgs8P #Snatch #ShoppingForClothes #Joey #RedArmy #FetishRecords #1980年 #12inchEP #NewYorkUnderground #Experimental #NoWave #PseudoJazz #PseudoFunk #GirlsDuo #PattiPalladin #JudyNylon #Producer #JohnCale #TheCoasters #CoverSong
Experimental / No Wave Fetish Records €12.00Dr K2
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Croox “A”
やっと手に入れました、Neue Deutsche Welle (NDW)の徒花Croox (クルックス)のファースト・アルバム、この名も”A”です!私はセカンド・アルバム”Geld Her!”は持っていて、既に本ミュージアム内でも紹介していますが、日本でファーストの中古は中々出回っていなかったので、海外通販でやっと購入しました。Crooxのバイオグラフィーは前回書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで、今回の参加メンバーは、ClemenzことClemens Golz (Lead-Vo, G), CrashmanことGerd Gaida(G, Vo), Mike Schmidt (B, Kbd, Vo), BineことSabine Niedergassel (Synth, Kbd, Vo), Micky Reinhard (Wind Instruments, Vo), Kay Wolde (Drs, Perc)の6人です。内容も目一杯詰まって、両面(A面はThe Other side, B面はThis Sideと表記されています)9曲ずつです。それでは、各曲について紹介していきましょう。因みに、リリース元のInk Recordsは、DüsseldorfでMike Schmidtが運営していました。 ◼️side A: The Other Side ★A1 “The Croox Opera” (1:10)は、水音で始まり、ピアノの伴奏に素人合唱から成る曲です。 ★A2 “Scotch” (2:58)は、ギクシャクしたフレーズの曲で、生の女性Voと変調男性Voの掛け合いが面白く、途中のシンセソロも興味深く、Saxも吹きまくっています。 ★A3 “Ain't Got Time To Leave” (2:55)は、アップテンポでパンキッシュな曲で、シンプルな仕上がりになっています。メインは女性Vo、コーラスは男性。間奏のSaxソロもイカしています。 ★A4 “Commercial No.1” (0:38)は、ヘンテコなシンセとリズム隊と女性Voから成る小曲です。 ★A5 “A Ska” (2:32)は、曲名通り、スカのリズムで、Saxやトランペットも大活躍の曲です。後になって、男性コーラスでの歌が出てきます。 ★A6 “Oh No!” (2:40)は、オルガンの効いたニューウェーブな曲で、Voは男性。痙攣するGソロがカッコ良いです。 ★A7 “Commercial No.2” (0:51)では、土俗的リズムと不明瞭なバックの演奏に合わせて、呪文のような低音男性Voが聴取されます。 ★A8 “Nifty Cube” (6:11)は、男性Voとコーラスの対比が面白い、割と軽めの曲ですが、間奏のフリーキーなGソロとシンセソロ及びSaxソロ、それぞれが違った味があって、面白いですね。 ★A9 “Commercial No.3” (0:32)は、何かのセッションテイクだろうか?グラインダーも使っているみたいです。 ◼️side B: This Side ★B1 “Commercial No.4” (0:29)は、多重録音したSaxから成る小曲です。 ★B2 “Mon Dieu!” (3:00)は、シンセの使い方がユニークなニューウェーブ曲で、男性Voが飄々と歌い、コーラスもグー!Gソロも重ねている? ★B3 “Backyard Rats” (2:37)も、パンキッシュな曲で、コーラスやVoもパンク調なのですが、バックのシンセが、頭の中を擽ってきます。 ★B4 “A Dub” (0:30)は、早回しDrsとシンセから成る小曲ですが、ダブは良く分かりませんでした。 ★B5 “Lonely” (3:25)では、イントロのシンセ音でイッちゃいますね。その後は、Saxも加えたポストパンク調になります。 ★B6 “City Lights” (2:13)は、ピンクパンサー調の雰囲気の曲で、特にSaxが雰囲気を出しています。バックのエレピも良い塩梅。途中のブレイクとその後の乱れっぷりが最高。 ★B7 “Commercial No.5” (0:51)は、声の逆回転から鉄琴とBと唸り声(?)から成る小曲です。 ★B8 “I See You” (2:10)も、パンキッシュなテンポの速いストレートな曲で、カッコ良いです。間奏のSaxも聴きどころですね。 ★B9 “Stiff Beach” (4:53)は、シーケンスのようなシンセとシンセBを背景に、Saxが泣くイントロですが、その後は、ほぼシンセから成る曲になりますが、再び、イントロのパートに戻り、フェイドアウトしていきます。 アルバム全体から受ける印象は、その言葉通り、正に、「独逸のニューウェーブ」です!それも、プリミティブで、良くも悪くもB級(垢抜けない)のニューウェーブですね。なので、好きな人にはハマると思いますよ。そう言えば、この手の音楽をやっている独バンドって、考えたら、この時期の(NDW)シーンには少なかったですね。だからこそ、貴重なバンドだと思います。その意味で、世界中のニューウェーブ・ファンに聴いて欲しい一枚です❗️ https://youtu.be/0epAdRkJ0vc?si=lrEaDWaEUhGQDNrS #Croox #A #InkRecords #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Experimental #ClemensClemenzGolz #GerdCrashmanGaida #MikeSchmidt #SabineBineNiedergassel #MickyReinhard #KayWolde
Neue Deutsche Welle (German New Wave) INK Records €4.90Dr K2
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Fischer-Z “Going Deaf For A Living”
このバンドは、以前にファースト・アルバム”Word Salad”を紹介していますが、この作品は当時のテクノ・ポップな作品として非常に優れており、当時は愛聴していました。しかしながら、本作品でもあるセカンド・アルバム”Going Deaf For A Living”では、Kbdが抜けて、レゲエになったとの噂が流れていたので、当時は手を出しませんでした。随分後になって、偶々、中古レコード屋で餌箱を漁っていた時に見つけて、何の気無しに買ったと言う経緯があります。それで、気が付いたのですが、KbdのSteve Skolnikはまだ在籍していますし、ファーストよりはテクノ色は薄らいたものの、ニューウェーブとしてはまだまだ全然イケましたので、良く聴いていました。Fischer-Zのバイオグラフィーについては、前回、ここら辺までは書いてありますので、1回目の解散までを極簡単に書いておきます。元々は、1977年に、John WattsがStephen Skolnikと共に結成したのが始まりで、最初のライブは英国パンククラブで行われたそうです。そして、1979年に、ファースト・アルバム”Word Salad”をUnited Artists Recordsより出しており、The BuzzcocksとThe Stranglersと同時リリースだったとか。それで、シングルカットされた”Remember Russia”をBBCのRadio 1のDJJohn Peelが何度も何度も放送したこともあって、TV番組The Old Grey Whistle Testにも出演し、欧州でも人気が出ました。そして、セカンド・シングル”The Worker”に至っては、1979年にTV番組Top of the Popsにも出演しています。そうして、本作品でもあるセカンド・アルバム”Going Deaf For A Living”をリリースします。Wattsは、突拍子の無いポップ・ソングが、世界的な政治的テーマを捉えることが出来ることを可能であると考え、次のシングル”So Long”を1980年に出していますが、これが、新しく導入されたMTVでも取り上げられています。その為、翌年1981年に、最も商業的に成功したサード・アルバム”Red Skies Over Paradise”をリリース、2枚のシングル”Marliese"と"Berlin"も、このアルバムに収録されています。これらのアルバムのヒットから、1980年〜1981年の期間に、英国、北米、欧州で、200回ものライブをこなしていますが、Wattsは、このメンツでは、当初のパンクな理想からどんどん離れていってしまうと考えて、1982年にバンドを解散します。その後、Wattsはソロ活動などにしていましたが、1987年に、Wattsは、メンツを全く替えて、Fischer-Zを再開します。アルバムもコンスタントに出して、現在も活動中です。ただし、2004年に、25周年記念アルバム” Fischer-Z Highlights 1979-2004”の制作過程で、Garden Party DVDの撮影の為、オリジナルメンバーで、1回だけ再結成したことがあります。 と言うのが、Fischer-Zの大体の経歴なのですが、本作品では、まだKbdのSteve Skolnikも在籍していますが、ファーストのような如何にもテクノポップなイメージとは随分異なりますね。因みに、本作品でのメンバーは、John Watts (Vo, G), David Graham (B), Steve Skolnik (Kbd), Steve Liddle (Drs)のオリジナルメンバーです。それでは、各曲について紹介していきたいと思います。 ★A1 “Room Service” (3:42)は、ややレゲエ調の曲ですが、Wattsは、珍しくファルセットでは歌っていません。サビの所はカッコ良いですが、柔らかいトーンのシンセが使われています。 ★A2 “So Long” (5:00)は、最もヒットした曲で、Wattsはファルセットで歌っており、シンセもナチュラルなフレーズを奏でており、タイトなリズム隊はダンサブルなビートを叩き出しています。 ★A3 “Crazy Girl” (4:28)は、メロディアスなBが特徴的な曲で、洗練されたパワーポップと言った感じです。シンセは間奏のみですが、如何にもSkolnikなフレーズです。 ★A4 “No Right” (2:38)は、激し目のパンキッシュな曲ですが、Fischer-Zっぽいアレンジが施されていますし、シンセやGソロなんかも聴取できます。 ★A5 “Going Deaf For A Living” (3:31)は、表題曲で、ドタドタした性急なビートに軽快なフレーズで、WattsのファルセットVoも良く映えています。また、泣きのポリシンセやコーラスワークも絶妙です。 ★B1 “Pick Up / Slip Up” (2:37)も、パンキッシュなノリの曲ですが、ファルセットVoと分厚いKbdが曲を異化しています。サビのレゲエ調のアレンジも秀逸! ★B2 “Crank” (3:07)も、性急なビートがバリバリのパワーポップですが、途中の戯けたようなシンセがこの曲のキモですね。カッコ良いです! ★B3 “Haters” (4:07)は、一転、レゲエ調の落ち着いた雰囲気の曲となっていますが、Wattsは抑制的に歌っています。ファーストの”Remember Russia”風のシンセが泣かせます。因みに、GXがやっているノイズバンドThe Hatersとは無関係です(当たり前か)。 ★B4 “Four Minutes In Durham” (4:05)は、陽キャなアレンジが冴えるパワーポップな曲で、Wattsはそれ程ファルセットでは歌っていません。リズム隊がタイトで心地良く、シンセも独特のアレンジ/使い方です。 ★B5 “Limbo” (2:15)も、性急で激し目の曲で、もう何を歌っているのかも良く分からない程ですが、シンセが結構、活躍しています。Bもタイトでカッコ良いです。 本作品は、ファースト・アルバムに比べると、それ程テクノポップな感じはしませんが、得意のレゲエ調アレンジやWattsのファルセットVoも聴けますし、シンセも効果的に使われていますので、よりパワーポップな印象を受けますね。なので、ファーストを期待すると、ちょっと落胆するかも知れませんが、意外とFischer-Zの本質を現出している作品かも知れません。また、リズム隊のタイトな録音が素晴らしく、そこら辺も聴き所と思います。パワーポップとしてのFischer-Zを聴いてみて下さい❗️ A2 “So Long” (MV) https://youtu.be/Ejy7L64lFWM?si=NccNN2Qk6dXSQ01X [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nZ23etMlABVnWv_KOSdHPjyJihSc13dUs&si=szDl0XwOfBtboX9l #Fischer-Z #GoingDeafForALiving #UnitedArtistsRecords #2ndAlbum #NewWave #PowerPop #Keyboards #JohnWatts #DavidGraham #SteveSkolnik #SteveLiddle
New Wave / Power Pop UNITED ARTISTS Records 不明Dr K2
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Sheena & The Rokkets “Channel Good”
今や、伝説にまでなってしまった、日本のロックの草分け的存在Sheena & The Rokkets (以下、シナロケと表記)。彼等のセカンド・アルバム”真空パック”を探そうとしていたら、サード・アルバム”Channel Good”が出てきましたので、こちらを先にご紹介します。「伝説」と言うのは、もうシーナも鮎川誠も他界してしまったからなんです。そこまで紹介出来るかどうか分かりませんが、取り敢えず、彼等のバイオグラフィーを書いてみます。元々は、1970年から福岡で活動していたブルースロックバンド・サンハウスのG/作曲家であった鮎川誠 (米国人とのハーフ)と、妻のシーナを中心に1978年に結成されたのが、シナロケで、当時は地元福岡に拘って活動しています。しかし、父親に「一回、東京でスパッと勝負してこい!」と言われ、上京。1978年8月に新宿Loftで、鮎川誠&ミラクルメン名義でライブを敢行、同年10月に、Elbon Recordsより鮎川誠&シーナロケット名義で、”涙のハイウェイ”でメジャーデビューしています。翌年に、ファースト・アルバム”# 1”をリリース。そして、その年にAlfa Recordsへ移籍し、YMOのメンバーの協力を得て、セカンド・アルバム”真空パック”をリリースし、シングル”You May Dream”が、JALのCMに使用されたこともあって、ブレイクします。また、1980年9月には、細野晴臣と高橋幸宏がプロデュースし、YMOがゲスト参加したサード・アルバム”Channel Good (チャンネル・グー)”をリリースし、同年のYMOの初国内ツアーでは、福岡、神戸、京都、札幌、東京のゲスト・ギタリストとして鮎川が参加しています。1981年には、アルバム”Sheena & The Rokkets”が米国限定で、A&Mからリリースされています。1984年に、ビクター系列のレーベルInvitationに移籍、アルバム”New Hippies”をリリースしますが、1987年に、浅田孟 (B)が脱退します。その後、1992年に、シナロケは、同じビクター系列のSpeedstar Recordsに移籍、アルバム”(ha! ha! ha!) Hard Drug”をリリースしています。1998年には、野外フェスFuji Rock Festival ‘98 in Tokyoに出演し、翌年5月には、Wilco Johnson/シナロケJapanツアーを開催しています。2000年には、オリジナルメンバー川嶋一秀 (Drs)が復帰し、15枚目のアルバム”Rock The Rock”をリリース、Fuji Rock Festival ‘00にも出演。翌2001年には、初期の名曲から最近の楽曲までを網羅したライブ・アルバム”爆音ミックス”をリリースしていますそうして、2003年に、Shibuya-Callingに出演。同年7月にボックスセット”Dream Box”とベスト・アルバム”The Greatest Sheena & The Rokkets”を同時リリースしています。同年11月に東京Shibuya-AXにてシナロケ25周年ライブを開催し、2004年には、25周年を記念してリミックス・アルバム”Electrokkets”と、映像作品”Love Live”をそれぞれリリースしています。2007年には、Sony Music Directよりベスト・アルバム”Golden Hits The Alfa Yearsもリリース。2008年、シナロケ結成30周年として、アルバム”Japanik”をリリース、同年5月、恵比寿ガーデンホールにて”Japanik”発売と結成30周年を祝う”S&R Happy 30th Anniversary Special”を開催しています。そうして、2009年12月には、シーナの自伝的エッセイ”You May Dream: ロックで輝きつづけるシーナの流儀“を発刊し、その中で、悪化した声帯ポリープの手術のことを書き記しています。2013年には、シナロケが、Wilco Johnsonのホストバンドとして、”Wilco Johnson Tokyo Session 2013”を開催、ライブDVDはリリース後、即完売となります。2014年5月、鮎川の生誕66年祭を2日間行う。同年7月に、18枚目のアルバム”Rokket Ride”リリース。その時に、シーナがステージIVの子宮頸癌が発覚するも、シーナの希望で、病状は一切明かすことなく、亡くなる2ヶ月前までライブ活動を行っています。しかし、2015年2月14日、シーナが子宮頸癌により死去(61歳没)。鮎川は、シーナの意志を次いで、オリジナルメンバー3人でシナロケとして活動を続けます。末娘のLucyは、2015年4月7日「シーナの日#1」よりゲストボーカルを務めています。2018年には、デビュー40周年を迎え、鮎川の監修・選曲による41曲がデジタルリマスターされたベスト・アルバム”Golden☆Best Sheena & The Rokkets Early Rokkets 40+1”とGolden☆Best Sheena & The Rokkets Victor Rokkets 40+1”がそれぞれリリースされます。しかしながら、2023年1月29日、鮎川が膵臓癌で、東京都内の自宅で、74歳で他界して、シナロケは終わりを迎えます。 随分、端ょりましたが、シナロケの大体の歴史はこのようなものになります。それで、本作品”Channel Good”は先述のように、YMOの協力の元、細野晴臣と高橋幸宏のプロデュースによって制作されたアルバムで、時代的にも関わった人的にも、本来のシナロケよりは、随分とニューウェーブ色/テクノポップ色が強い内容になっています。一応、メンバーは、シーナ (Vo), 鮎川誠 (G, Vo), 浅田孟 (B, Chorus), 川嶋一秀 (Drs, Chorus)で、ゲストとして、細野晴臣 (Kbd), 高橋幸宏 (Drs [B5]), 坂本龍一 (Kbd [B1]), 松武秀樹 (Programming)が参加しています。それでは、各曲について内容を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Hot Line”は、カントリー調のアップテンポの曲で、舌足らずなシーナのVoがキュートです。 ★A2 “My Boyfriend”は、Ramonesのカバーで、スカっぽいリズム。バックのKbdが如何にも細野晴臣のプロデュースですね。 ★A3 “I Spy”は、割と元々のシナロケに近いアレンジでしょうか。軽快なリズムの上に、鮎川誠のGが良く聞こえます。シーナのVoは可愛らしい! ★A4 “Dead Guitar”は、本来のシナロケらしいロックンロールで、メインVoは鮎川で若々しく、しっくりきますね。 ★A5 “Kiss Me Quick”は、シーナのキュートなVoとKbdのフレーズが、甘い砂糖菓子のような溶ろける曲です。間奏のGも良い! ★A6 “Oh! Suzy Q”もカバー曲みたいですが、タイトなリズムとGリフに、シーナの低めのVoが、Suzy Quattroへのシンパシーと直ぐに分かります。本当なら、もっとGをバリバリ前面に出したい所でしょうか? ★B1 “Ukabi No Peach Girl (浮かびのピーチガール)”は、YMO色の強いアレンジで殆どテクノポップですね。まあそれでもシーナのロリータなVoが合うんですが。これは日本語歌詞です。 ★B2 “Taikutsu Na Sekai (退屈な世界) und ”は、鮎川のGとシーナのドスの効いた日本語Voが、本来のシナロケ路線で、ロックンロールしてます!めちゃカッコ良いです。 ★B3 “Good Luck”も鮎川のGのリフと若々しいVoがガチンとハマった曲ですね。この曲もめちゃカッコ良いです!勿論、日本語歌詞です。 ★B4 “One Night Stand”は、バラード調の曲で、シーナの切な気なVoが沁みます。間奏の鮎川のGもハートフルでカッコ良い! ★B5 “Baby Maybe”は、再びテクノポップ調の曲で、ここでのシーナのコケティッシュなVoは堪らないですね。これは”You May Dream”へのアンサーソングなのかな? ★B6 “Snakeman”は、Gのカッティングから始めるスケールのデカいバネのあるパブロックっぽい曲で、こう言う曲でのシーナのVoは良く映えますね。 久々に聴いたのですが、やはりシーナのVoの多彩さが凄くて、表現力豊かなヴォーカリストだと思いました。また、前作”真空パック”より、またA面よりB面の方がよりロック・テイストが強く、ロック好きな鮎川を始め、バックの浅田や川嶋も生き生きと演奏しているようですね。やっぱり、シナロケはこうでなきゃと思いましたよ、ホント❗️なので、YMO色が弱まった、このアルバムは一度は聴いてみて下さい❗️ B1 “Ukabi No Peach Girl (浮かびのピーチガール)” https://youtu.be/xebOOjfkeyo?si=n97fztzFSHNjjJoY [full album] https://youtu.be/VGQfVhafG54?si=2ZAnfdoc4s6P5tdh #Sheena&TheRokkets #ChannelGood #AlfaRecords #ThirdAlbum #NewWave #MentaiRock #Producer #HaruomiHosono #YukihiroTakahashi #Programming #HidekiMatsutake #Sheena #シーナ #MakotoAyukawa #鮎川誠 #TakeshiAsada #浅田孟 #KazuhideKawashima #川嶋一秀
New Wave / Rock’n’Roll Alfa Records 不明Dr K2
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Lizard “Babylon Rockers (邪都戦士)”
またまた、紹介します。Lizardのセカンド・アルバム”Babylon Rockers (邪都戦士)”です。この時のメンバーは、Momoyo (G, Synth, Vo, Back-Noise), Waka (B, Back-Noise), Bell (Drs, Perc, Back-Noise )に加えて、Kitagawa (G [A6, B1, B3-5], Back-Noise; 元無限水路の北川哲生)となっており、ゲストとしてKoh (Kbd, Casiotone, Back-Noise), Zeldaのメンバー(Back-Vo [B5]), Ichikawa (Back-Noise)が録音に参加しています。プロデュースは、Momoyoこと菅原庸介とKatohが行っており、録音はSunrise Studioで行われています。なお、敢えて、このアルバムには、JJ Burnelのプロデュースでは無いこと、それとシーケンサーは使用していないことが明記されています。個人的には、Lizardに関しては、このアルバムまでは購入しましたが、その後のゴタゴタの噂等が色んな雑誌(この頃は、それ位しか媒体がない)で書かれていたこともあって、急速に興味を失ってしまいました。今回も40数年振りに聴いてみました。なので、個人的思い入れも強いので、各曲の解説は省略させて頂きますます。このアルバムでは、ファーストと違って、サウンド自体は、「日本のバンドらしく」と言うのも変ですが、国内に向けたような雰囲気になっているように感じました。具体的には、Kohがパーマネント・メンバーでなくなった為、キーボードのアレンジがパッとせず、代わりにギターの比重が多くなっています。まあ、それが良かったのか悪かったのかは別の話なんですが。また、A面(Babylon Rockerサイド)での、如何にも「東京」とか「下町」をベースにした曲や歌詞(特にA3 “Asakusa Rock / 浅草六区”やA6 “Moonlight Lover / 月光価千金”)は、東京以外の地方出身のリスナーには共感し辛く、キツかったですね。また、A5 “Kids/Babylon Rocker”やB2 “Kwangju Fighting / 光州市街戦”はまるで、初期のPublic Image Ltdのようなダブ・サウンドで、当時のトレンドもしっかり取り入れていますね。個人的には、当時は、水俣病を独自の表現で指し示したB4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)”が一番響きましたね。 と言う訳で、ファーストと比べて聴いてみると、全体の印象として、Momoyoの独特の視点/単語の選び方/唱法は一貫していると言えば良いのですが、彼のワンマン的或いは個的な側面が強く出てきた印象です。バンドと言う集合体の密度がやや希薄になっている感じですが、これを当時の東京在住のファンの方々とかはどう感じていたのでしょうか?ちょっと興味がありますね。また、このアルバムも2回程再発されていますが、その時に初めて聴いたリスナーさんの感想も聴いてみたいです❗️皆さんはどうですか? A面:Babylon Rockerサイド A1 “Rock 'N' Roll War (宣戦布告)” A2 “Goodbye! Plastic Age (さよならプラスティック・エイジ)” A3 “Asakusa Rock (浅草六区)” A4 “Instant Dream (自動販売機で愛を買ったよ)” A5 “Kids/Babylon Rocker” A6 “Moonlight Lover (月光価千金)” B面: Junky Townサイド B1 “Lizard Song” B2 “Kwangju Fighting (光州市街戦)” B3 “Baby, Hit Yourself (まっぷたつ)” B4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)” B5 “Gum Gum........ (ゴム)” [full album] https://youtu.be/ELsLxZJFtbo?si=8N8L8Ojewlfg-9QY #Lizard #BabylonRockers #邪都戦士 #KingRecords #Windmill #SecondAlbum #NewWave #PunkRock #JapaneseUnderground #TokyoRockers #Momoyo #Waka #Bell #Kitagawa #AsakusaRock #浅草六区 #Sa.Ka.Na. #サ・カ・ナ
NEW WAVE, Punk Rock King Records (Windmill) 2500円Dr K2
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Ex “Exhibition”
突然、思い出して、聴き直してみました。1980年にデビューした日本のニュー・ウェーブ・デュオEx (「エックス」と発音)のデビュー・アルバム”Exhibition”を今回は紹介します。1980年と言えば、あちらこちらでニュー・ウェーブでシャレ乙な音楽が日本でも流行っていた訳ですが、Exは梅林茂と羽山伸也の変則デュオと言う形態のバンドです。デビュー・アルバム”Exhibition”の後に、彼等は松田優作のバックバンドとしてもう1枚アルバムを出しているだけの短命なバンドでした。またデビュー・アルバムは加藤和彦がプロデュースしたことで、一部では話題になっていますね。少しだけ、Exのバイオグラフィーを書いておきます。Exは、梅林茂 (G, Vo)と羽山伸也 (Drs, Vo)のデュオで、1974年頃に博多で結成され、1977年にデモテープを作成し、翌年に内田裕也を経て、加藤和彦に耳に入り、加藤氏のプロデュースで、1980年に本作品であるデビュー・アルバムをリリースしています。その後、Eric Clanptonの来日ツアーのサポートなんかもやっています。その時は、奈良敏博 (Sheena& The Rokkets, Sun House)がベースで参加しています。後には、小滝満 (Cinema, Yapoos, Metrophallus)や矢口博康 (Real Fish, 東京中低域)が加入しますが、単独のセカンド・アルバムのリリースは無く、1984年に解散しています。また、活動中に出した2本溝の特殊限定12㌅シングル”Masked Ball”も当時としては画期的でした。解散後、梅林氏は、映画音楽の方で活躍し、「友よ、静かに瞑れ」のサントラや薬師丸ひろ子とのコラボ作「紳士同盟」或いは「陰陽師」等の映画音楽を手掛けており、日本や中国の映画音楽で40作以上の作品を手掛けており、多数の受賞もしています。一方、羽山氏は1987年までは音楽活動をやっていたようです。また、2000年には、Exのデモ・トラックや未発表曲やライブ・トラックなんかをコンパイルした「幻の」セカンド・アルバム”Ex 2”がCDで、Polystarよりリリースされています。Exの流れはこんな感じです。 それで、本作品でもある唯一のアルバム”Exhibition”を紹介します。この作品の録音では、梅林茂 (Vo, G, B, Kbd), 羽山伸也 (Vo, Drs, Perc, G)で、曲によっては小原礼 (B)も客演しています。先述のように、加藤和彦がプロデュースしています。彼等の持ち味は、やはりビート・ミュージックだと言うことだと思いますし、ギターのリフなんかは結構ロックンロールっぽかったりしますし、または和製パワー・ポップと言っても良いかと。歌詞は日本語と英語を使っていますが、それは好み次第ですね。個人的には、日本語の歌詞の方が好きなのですが、まあ内容にも寄りますよね? また、シンセ等のキーボードやシーケンサーも多用されていますが、これはこの時代の流れなのでしょう。元々、YMOやスネークマン・ショーとも関係があったようですから。曲調はカッコ良い疾走感のある曲から甘いバラード調の曲までありますね。また、音楽とは直接関係があるかどうか分かりませんが、2人ともくしゃくしゃの白いワイシャツに細いネクタイと言う出立ちだったので、当時のニュー・ウェーブなファッションと言う感じでしたね。そんな最先端に行こうとしたExですが、偶に聴くのにはいいんじゃないかと思います❗️ハマる人はハマりますよ❗️ A1 “Classical Modern Dance” A2 “Masked Ball” A3 “Platinum Night” A4 “Rose Garden” A5 “Going Back To Japan” B1 “Street” B2 “Dusky Town” B3 “Understand” B4 “Oh My Love” B5 “Tether” A2 “Masked Ball” https://youtu.be/Sa6U6zSGp7s?si=Sa39bBY7tX36h32Y A3 “Platinum Night” https://youtu.be/uX2RP5Mfgv0?si=ZZeMZp1wAuy5xp8F [オマケ: CD“Ex2”に収録の”Glass Horse”] https://youtu.be/hKhT2iJ9HaQ?si=eZKAFaQi3viBVAAn #Ex #Exhibition #CamelliaRecords #NewWave #PowerPop #FirstAlbum #Japanese #Duo #梅林茂(ShigeruUmebayashi) #羽山伸也(ShinyaHayama) #小原礼(ReiOhara) #加藤和彦(KazuhikoKato) #Producer
New Wave / Power Pop Camellia Records 不明Dr K2
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Geisterfahrer “Schatten Voraus”
さて、今回は、独のGeisterfahrer (「ガイスターファーラー」と発音)の実質ファースト・アルバム”Schatten Voraus”を紹介しますね。このアルバムも仕舞い込んでいて、たまたま見つけました。先ず、Geisterfahrerのバイオグラフィーについて書いておきます。Geisterfahrerは、1979年に独Humburgで結成されたGerman New Waveのバンドで、最重要NDW (Neue Deutsche Welle)レーベルZick Zackの第1弾リリースとして、1980年にセルフ・タイトルのシングルをリリースしています。その前の1979年にデモ作品を作っているのですが、この時は、Matthias Schuster (Synth, G, Vo), Michael Ruff (Vo, G)がコアメンバーで、Hans Keller (G, Vo), Jürgen Weiß (Drs), Holger Hiller (Vln, Vo)はゲストでしたが、Hillerは直ぐに脱退し、残りのメンバー4人で、Zick Zackのシングル”Geisterfahrer”を録音しています。それで、この4人で、1980年9月にHumburgのTageslicht-Sudioで作製されてのが、本作品でもあるファースト・アルバム”Schatten Voraus (「前方の影」の意)”です。翌年にも、セカンド・アルバム”Fest Der Vielen Sinne”を、1983年にもサード・アルバム”Topal”を独のKonkurrenz Schallplattenからリリースしています。このセカンド・アルバムの方が有名かもしれませんね。その後、1996年に、CDR作品”Himmel Und Hölle II”をリリースしますが、ここら辺で活動が無くなっています。しかしながら、2006年に、ミニ・アルバム”Himmel Und Hölle”を元H.N.A.S.のAchim P. Li Khanのプロデュースでリリースして復活しています。この時は、Yrgn WaiszことJürgen WeißとMatthias Schusterのデュオになっています。また、2021年には、アーカイブ・アルバム”Aus Den Verschollenen Masterbändern Vol.1 1979 - 1983”をHoly Hour Recordsからリリースしています。ザッとこんな感じでしょうか。 それでは本作品”Schatten Voraus”について紹介していきます。A面6曲/B面4曲となっています。全体の雰囲気としては、適度なユーモアを持った、ガチャガチャしたニュー・ウェーブ調の音楽と言う感じです。それでは、各曲について聴いていきます。 ★A1 ”Das Ufer”は、中々ノリの良い曲だが、鍵盤の音が良く聞こえないのが、少々残念。 ★A2 “Pestkreuze”は、ややダークな雰囲気で、後に、ダーク・ウェーブの原型になるような曲。しかし、ヴォーカルがぶっきら棒な感じもします。 ★A3 “Scharlach”は、その時代らしく、ベースとドラムで持っていく曲だが、やっとオルガン(?)の音が聴こえる。ちょっとだけゴスっぽい? ★A4 “Terror/Liebe”は、ハーモニカ(?)も使ったポスト・パンクな曲で、ベースが活躍しています。しかしながら、ヴォーカルはダルな感じを全然崩さないです。 ★A5 “Sand Am Meer”は、ノリの良いベースラインが主軸の為す曲ですが、シンセのメロディが心地良い。 ★A6 “Es Tut Nicht Mehr Weh”で、やっとシンセの手弾きによる人力シーケンスに、ドラムマシンも使っているかな?ミニマルな曲で、ヴォーカルもちょっとは声を張り上げています。 ★B1 “Das Haus”は、初っ端からゴスと言うかダークな雰囲気で迫ってきます。ドラムもドコドコとタムを多用しているし、ヴォーカルも声を張り上げています。 ★B2 “Schatten”は、モロJoy Division風のアレンジが施されています。ヴォーカルも然り。ドラムも然り。意外とこう言う路線なのかな?と勘繰ってしまいます。 ★B3 “Wasser”は、いきなりクラリネットのような音色のメロディに導かれて、呟くようなヴォーカルが「水…」と歌っています。ベースとギターが単音で淡々と弾いています。 ★B4 “Vertrauen”は、カッコ良いギターのリフから始まる元気な曲で、一気にB面が明るくなってしまいます。最後に、残響塗れのギターノイズとシンセから、隠しトラックのB5 (?) へ。突然、リズムマシンとシンセとギターを使った典型的ニューウェーブな曲に移行します。 と言う訳で、このアルバムは、A面は主にダーク・ウェーブを意識した曲が多く、B面はニューウェーブを意識した曲になっているような構成でしようか? ちょっと今までに無いようなNDWバンドなので、一度は体験してみて下さい‼️ A1 “Das Ufer” (4:20) A2 “Pestkreuze” (3:35) A3 “Scharlach” (3:20) A4 “Terror/Liebe” (2:45) A5 “Sand Am Meer” (2:27) A6 “Es Tut Nicht Mehr Weh” (3:22) B1 “Das Haus” (2:10) B2 “Schatten” (4:05) B3 “Wasser” (2:52) B4 “Vertrauen” (8:20) A6 “Es Tut Nicht Mehr Weh” https://youtu.be/iELiwG9BZuw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kf3H__gveJHHt5aDcSkeB6PiNjbwT3pCw #Geisterfahrer #SchattenVoraus #KonkurrenzSchallplatten #Phonogram #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ZickZack #HolgerHiller #Electronic #Synthesizers #Pop #MatthiasSchuster #MichaelRuff #HansKeller #JürgenWeiß
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Punk Konkurrenz Schallplatten (Phonogram) 不明Dr K2
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Glaxo Babies “In The Begining”
またまた戻ってきました。英国ポストパンク・バンドGlaxo Babiesのセカンド・アルバム”In The Beginning”、、、なんですが、オリジナルは、タイトルが"Put Me On The Guest List”で、かつ曲順や収録曲に若干の違いがあります。今回は日本盤の紹介をしたいと思います。Glaxo Babiesのバイオグラフィーについては以前に書きましたので、省略しますが、今回のメンバーと担当楽器だけ書いておきます。Rob Chapman (Vo), Tom Nichols (B, Vo), Geoff Alsopp (Drs), Charles Llewellyn (Drs [B5]), Dan Catsis (G, Vo), Tony Wrafters (Sax)となっております。ご存知のように、Dan Catsisは一時期、同郷ブリストンのThe Pop Groupのメンバーでもありました。それで、内容なんですが、先述のように、”Christine Keeler”が追加され、更に"Flesh"の代わりに"Nova Bossanova"が加えられていますので、本当は英国盤と比較したいところですが、そこまでの財力がありませんでしたので、ご勘弁下さい。因みに、この2曲 (A4 “Christine Keeler”とA5 ”Nova Bossanova”)は先行シングルとしてリリースされた音源です。また、日本盤は曲順が変えてあると言いましたが、どうも、4回4か所で、録音がなされており、その時間軸に沿って、並べ替えているようです。なので、一つのアルバムと言うよりも、セルフ・コンピみたいな扱いになっています。それで、今、聴くと、何ともDIYっぽい音で、ちょっと残念な感じもして、もうちょっとドラムやベースの音なんかに凝った方が良かったのでは?と思わず突っ込んでしまいそうになります。曲自体はもろポスト・パンクですが、思っていた程、ファンク色は強くはないです。しかしながら、Catsisの痙攣ギターが時々聴かれるのは嬉しいです。また、WraftersのSaxも入っていない曲もあって、もっとバリバリ入れて欲しかったとも思います。Sax入りの曲が良いので、余計にそう思ってしまいます。しかしながら、適度に聴き易くて、素朴な曲もあって、それなりに楽しめます。なので、必聴!とは言いませんが、1980年のポスト・パンクに興味がある方は一度は体験した方が良いかもしれませんね。 A1 “This Is Your Life” A2 “Police State” A3 “Because Of You” A4 “Christine Keeler” A5 “Nova Bossanova” A6 “Who Killed Bruce Lee (Version)” B1 “Stay Awake” B2 “She Went To Pieces” B3 “Avoiding The Issue” B4 “Burning Flesh” B5 “Puppet Patrol” 日本盤のYouTubeは無かったので、オリジナルの"Put Me On The Guest List”[full album]を貼っておきます。 https://youtu.be/FETnWGGFa7A?si=aIyYZ1hJppYBgHMU A4 “Christine Keeler” https://youtu.be/ULQwTNb5Ze0?si=OSTZv0GYrzvOfP9P #GlaxoBabies #InTheBeginning #TrioRecords #HeartbeatRecords #CherryRedRecords #S #PostPunk #PutMeOnTheGuestList #SecondAlbum #日本盤 #SelfCompilation #RobChapman #TomNichols #GeoffAlsopp #CharlesLlewellyn #DanCatsis #TonyWrafters
Post Punk Trio Records (Heartbeat Records / Cherry Red Music) 不明Dr K2
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Joy Division “Closer”
続いて、Joy Divisionのセカンド・アルバム”Closer”をご紹介します。彼等のバイオグラフィーは続けて書いていきます。 1980年1月に、彼等は欧州ツアーを行い、次の予定を立てようとしますが、Ian Curtisはツアーの最後の2ヶ月に2回もてんかん発作を起こしています。しかしながら、彼等は、同年3月に、セカンド・アルバム”Closer”の録音を、ロンドンのBritannia Row Studiosで、Martin Hannettのプロデュースの下、開始します。仏インディーズ・レーベルSordide Sentimentalは、Joy Divisionのシングル"Licht und Blindheit"をリリースしますが、これは、A面に"Atmosphere"が、B面に"Dead Souls"が収録されています。しかしなから、不眠などの為、Curtisのてんかん発作は酷くなり、更に鬱なども引き起こし、度々、ライブの予定が組めなくなったり、ステージ上で発作を起こしたりで、その他のメンバーもCurtisのことを心配するようになります。1980年4月7日に、Curtisはフェノバルビタールの多量服用で自殺を図ろうとします。Curtisは、最早、ステージに立てない程、酷く病んでいました。その為、マネジャーのRob Grettonは、Cripsy AmbulanceとA Certain RatioのSimon Toppingに歌わせようとしますが、観客はステージにビンを投げつけたそうです。その為、Joy Divisionは、ライブのキャンセルが続き、1980年5月2日のバーミンガム大学High Hallでのライブが最後のライブとなります。そんな中で、アルバム”Closer”の方は最終段階になりますが、収録曲”Atrocity Exhibition”の最終ミックスを聴いたBernard Sumner (G)とPeter Hook (B)は、Hannettによるディレイの掛かり過ぎた出来に大いに不満でした。一方で、Joy Divisionは1980年5月に、初の北米ツアーを計画していましたし、Curtisも楽しみにしていましたが、彼の妻Deborahとの愛情は冷めており、Curtisの心はベルギー人ジャーナリスト/プロモーターAnnik Honoréに移っていたらしいです。それで、バンドが渡米するとなった日の前日に、Curtisは家に帰ってきて、Deborahに離婚を迫り、明朝、電車に乗る前までに出て行ってくれと頼みます。それで、Ian Curtisは、1980年5月18日の夜、Stroszekの映画”Werner Herzog”を観て、Iggy Popのアルバム”1977”を聴きながら、キッチンで首吊り自殺をし、Deborahは帰ってきた日に彼の死体を発見します。Ian Curtisの自殺はバンドメンバーやマネジャーに大きなショックとなります。そんな中で、同年6月には、Joy Divisionのシングル”Love Will Tear Us Apart”がリリースされ、翌月にアルバム”Closer”がリリースされました。NME誌のライターCharles Shaar Murrayは「このアルバムは、Ian Curtisにとってだけではなく、Joy Divisionにとっても重要なメモリアルだ」と評しており、本作品”Closer”は、英国アルバムチャートで6位まで行っています。Joy DivisionのドラマーStephan Morrisは、良くも悪くも、Curtisの死がバンドを推し進めたとコメントしています。そうして、残ったメンバーは、MorrisのガールフレンドGillian Gilbert (Kbd, G)を加えて、新たにNew Orderと改名して音楽活動を続けていきます。一方、その後も、Joy Divisionのアウトテイクはリリースされています。 ここまでが、Joy Divisionのバイオグラフィーとなります。それで、セカンド・アルバムでもある”Closer”の内容についてご紹介したいと思います。前回も書きましたが、私が最初に聴いたJoy Divisionのレコードがこれでした。しかし、当時は余り良い印象は無かったです。しかし、今、聴くと、そんなに「途方も無い暗さ」は感じませんが、当時は、B面、特にB1 “Heart And Soul”などの徹底したダークネスに、本作品のイメージが引っ張られたのかも?と思います。寧ろ、Hannettに寄ると思われるシンセが効果的に使われており、これは良いんじゃないかとも思います。あと、これもHannettに寄ると思われるのですが、アルバム全体に感じられる独特のリバーブ効果と言うか、「雰囲気」がジャケ写のイメージと重なって、独特のゴス感を出していますね。また、逆に、メンバーには不評だったA1 “Atrocity Exhibition”なんかのDrsやGのアレンジやA4 “Colony”のGを中心にして「走っている」曲調なんかは結構、ポストパンク的でカッコいいと思いますね。しかしながら、このアルバムを作っている時に、Ian Curtisがてんかん発作と鬱に苦しめられ、妻との離婚に悩み、自死したのだと思うと、ちょっとやり切れない感もあります。まあ、Ian Curtisの自死を”Instant myth (お手軽な神話)”と評した音楽ライターもいたのですが、それは無いだろうと思いますよ。なので、彼の遺作となったアルバムを是非聴いてみて下さい!! A1 “Atrocity Exhibition” (6:02) A2 “Isolation” (2:45) A3 “Passover” (4:43) A4 “Colony” (3:49) A5 “A Means To An End” (4:03) B1 “Heart And Soul” (5:46) B2 “Twenty Four Hours” (4:24) B3 ”The Eternal” (6:02) B4 “Decades” (6:07) https://youtu.be/94eBRzLGYYs?si=q0dMMRiuP7sgsOgF [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLIDDZDE0Vg4x2KSk4RZAmpDS9l4xMcBTA&si=NxKZDbkyc9xRVAG7 #JoyDivision #Closer #FactoryRecords #PostPunk #GothRock #Gothic #SecondAlbum #IanCurtis #BernardSumner #PeterHook #StephanMorris #Suicide #NewOrder
Post Punk / Goth Rock Factory Records 不明Dr K2
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Athletico Spizz 80 “Do A Runner”
このバンドは名前が沢山あってややこしいのですが、元々は英国のバンドで、Kenneth ‘Spizz’ Spiers (Vo, G)が1970年代後半に結成したSpizzenergieが毎年のように名前を替えて、Athletico Spizz 80, Spizzoil, Spizzles, SpizzSexuals、Spizzenergie 2などと呼ばれています。それで、彼等の初期のバイオグラフィーを書いておきます。Spizzは、英国西Midlandの総合型中等学校であるKnowleのArden校に在籍していましたが、丁度、パンク・ムーブメントが起こったことで、彼はその影響をモロ受け取ってしまいました。BirminghamでのSiouxsie and the Bansheesのギグで、彼はステージに上がって踊り狂っていましたが、実は彼は、1977年まではソロでパフォーマンスをやっていたらしいです。それで、彼は、本名Pete O’DowdことPete Petrolと数曲作ってシングルを出しており、1978年にはThe SlitsのPalmolive (Drs)も加えて、Spizzoilを名乗り、数回ライブをやっています。Siouxsie and the Bansheesの欧州ツアーのサポートや自らのツアーもやっていましたが、1979年後半に、新ラインナップ、すなわち、Spizz (Vo, G), Dave Scott (G), Mark Coalfield (Kbd, Vo), Jim Solar (B: 本名 James Little), Hiro Shima (Drs: 本名Suresh Singh)で、Spizzenergiを名乗り、ニューウェーブ・バンドとして、1980年1月のインディー・シングル・チャート1位になり、John PeelがDJをやっているBBC Radio 1で、シングル"Where's Captain Kirk?がかかり、この時が、彼等の人気は最高潮でした。またこのシングルは、ジャケがフェルトペンで書いてあり、以後、このスタイルがSpizzの特徴となります。その後、新ラインナップで、Athletico Spizz 80を名乗り、Marquee Clubでの5夜連続ショーをソールドアウトした唯一のバンドになります。”Where’s Captain Kirk?”は、1981年のライブミュージック映像”Urgh! A Music War”でも取り上げられ、また米国のケーブルTVでもしばしば使われていたこともあって、1980年に、A&M Recordsと契約し、アルバム”Do A Runner”をリリースしています。1981年になると、Lu Edmondsが加入し、バンド名はThe Spizzlesと改名します。それで、アルバム”Spikey Dream Flowers”をリリースし、このアルバムはSF的な要素を含んだものになっています。1982年にはSpizzenergi 2を名乗り、2枚のシングルをリリース、これらは1980年代のSpizzの「白鳥の湖」みたいなものです。1982年までに、英国ではポストパンクの波も終わっており、インディー・シーンへと移行します。また、どうもSpizz自身は、変名によるギネスブックに載ることを目指していましたが、それも拒否されています。しかしながら、Spizzはずっと活動を続けており、未だに現役です。 それで、本作品についてですが、バンド名はAthletico Spizz 80で、メンバーは、Spizz (Vo, G), Jim Solar (B), Mark Coalfield (Kbd, Vo: 本名Mark Stephens), C. P. Snare (Drs: 本名Clive Parker), Dave Scott (G)となっています。このバンド名は、1980年に行われたモスクワ・オリンピックにちなんで付けられた名称です。曲はパンクからモロ・ニューウェーブな音作りをいますが、これはKbdのCoalfieldによるアレンジが効いていると言うことでしょう。割と早目で短い曲が詰まってますが、その疾走感も時代的背景の影響もあるのでは?と想像します。あと、暗さが余り無くて、割と「陽性」の音楽になっています。個人的には、三拍子を使っているA3 “Intimate”や、かなりカクカクしたリズムとユニークな歌詞の使い方がニューウェーブっぽいA2 “New Species”やA5 “European Heros”或いはB1 “Red And Black”なんが好みですね。またA6 “Energy Crisis”やB2 “Rhythm Inside”の疾走感もカッコいいです。また、B5 “Airships”の殆どインストで、ニューウェーブなコード進行とアレンジも好みです。とにかく、Spizzのポップセンスが光ってます。そんな良質なニューウェーブ感に溢れた本作品を是非是非聴いてみて下さい! A1 “Touched” (2:40) A2 “New Species” (2:21) A3 “Intimate” (2:00) A4 “Effortless” (3:00) A5 “European Heroes” (2:10) A6 “Energy Crisis” (4:38) B1 “Red And Black” (3:48) B2 “The Rhythm Inside” (2:30) B3 “Personimpersonator” (2:40) B4 “Clocks Are Big” (0:32) B5 “Airships” (8:41) A6 “Energy Crisis” (4:38) https://youtu.be/eAYOAL5_vkk?si=t1U6h49VNkQVKpa0 B1 “Red And Black” (3:48) [John Peel Session] https://youtu.be/RH_cvKZNEYg?si=H7gNP13tTcwspQwl B2 “The Rhythm Inside” (2:30) [John Peel Session] https://youtu.be/oo5vo-DHOtY?si=KpLH8MjbNnkg6FFc “Where’s Captain Kirk? (live)” https://youtu.be/zNXQ76AFB0Y?si=rbHUzRn92A1XRSnB [本作品はYouTubeにアップされていないので、同時期のライブを挙げておきます] https://youtu.be/vYEVX_6zctM?si=0VOqw-gHBSjhjOTe #AthleticoSpizz80 #DoARunner #A&MRecords #NewWave #Punk #Keyboards #Spizzenergi #Spizzoil #Spizzenergi2 #TheSpizzles #Kenneth‘Spizz’Spiers #JimSolar #MarkCoalfield #C.P.Snare #DaveScott #Where’sCaptainKirk?
Punk / New Wave A&M Records 700円Dr K2
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Fad Gadget “Fireside Favourites”
漸く、入手しました!Fad Gadget (本名Frank Tovey)のファースト・アルバム”Fireside Favourites”です。Fad Gadgetのバイオグラフィーは以前に書いた通りですので、そちらをご参照ください。今やエレクトロ・シーンの老舗レーベルになった感もあるMute Recordsが1番最初に契約したのが、Fad Gadgetなのですが、惜しくも2003年に心不全で他界しています。そんなFad Gadgetのファースト・アルバムの参加者は、Fad Gadget (Vo, Synth, Tapes, Drum Machine, Ashtray Metal Chair, Shaver)に加えて、Eric Radcliffe (G, B, Banjo), John Fryer (Extra Fingers, Ashtray Metal Chair), Nick Cash (Drs), Daniel Miller (Electronic Perc [A1, A4], Synth, Sequencer [A4, B3]), Phil Wauquaire (B-Synth [A1], B [B1])となっています。内容的には、シンセ・ポップの好きな方にはドストライクな内容で、もし、The Normal(=Daniel Miller)が好きであれば、なお良しと言う感じでしょうか?実際にMillerはスタジオを貸していますし、数曲で客演もしていますので。作曲は全てFad Gadgetによります。B4 “Arch of The Aorta”なんかはポップな要素もあるんですが、ちょっとだけ実験的なこともやっています。タイトル曲のA5 “Fireside Favourites”では少しラテン系の味付けが成されています。またライブでもお馴染みなA5 “Coitus Interruptus”もMillerのシーケンスと共に、独特のポップネスを提示しています。Fad Gadgetの場合、アルバムよりも、シングルの方がヒット曲は多いのですが、それを差っ引いても、本作は彼の魅力に溢れていると思いますので、機会があれば、聴いてみて下さい!!あと、Fad Gadgetのライブは結構アクティブなので、気になる方は、YouTubeを見てね。 A1 “Pedestrian” (3:22) Daniel Miller (Drum Machine), Phil Wauquaire (Synth-B) A2 “State Of The Nation” (3:45) A3 “Salt Lake City Sunday” (2:12) A4 “Coitus Interruptus” (4:20) Daniel Miller (Drum Machine, Synth, Sequencer) A5 “Fireside Favourite” (4:34) B1 “Newsreel” (3:42) Phil Wauquaire (B) B2 “Insecticide” (3:08) B3 “The Box” (3:43) Daniel Miller (Drum Machine, Synth, Sequencer) B4 “Arch Of The Aorta” (6:54) https://youtu.be/KDBZQGX133Q?si=u6dsdBkBDPnA4J4q [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLI1i8Hgq82VdtFm8irGSttUUBQjinP5to&si=zjDRXm1f8OegMw_a #FadGadget #FiresideFavourites #MuteRecords #FirstAlbum #ElectronicPop #Synthesizers #DanielMiller #EricRadcliffe #JohnFryer #NickCash #PhilWauquaire
Electronic Pop Mute Records €30.00Dr K2
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ヒカシュー “s/t”
これはこれは、危うく忘れそうになってしまうところでした。ヒカシューのファースト・アルバムです。当時は、P-ModelとPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれてましたね。そのバンドの成り立ちについては以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。ただ一つだけエピソードを。まあヒカシューはキーボード2人にル・インチの3人が合体して出来たバンドですが、彼等が活動していて、少し認知度が上がった頃、何と大阪Vanity Recordsからアルバムを出さないか?と(故)阿木譲さんより声がかかったらしいのですが、良く考えたら、機材を持って行く手段が無いことに気付いて、結局、断ったとのこと。もし、それが実現していたら、また変わったのかもしれませんね。それで、当時、イケイケだった(?)近田春夫さんにプロデュースしてもらって、このデビュー・アルバムが出来上がったと言う訳です。それで、当時、田舎の高校生だった私は、このアルバムを早速購入し、当時はヘビロテしてましたね。特にA6 “プヨプヨ”とB6 “幼虫の危機” (この曲はヒカシュー結成前に巻上さんがディレクションした演劇の劇中歌からきています)は、毎日聴いてから登校してました。まあ、今から思うと、彼等の「変態性」に陶酔していた、遅れてきた厨二病だったのでしょう。まあ裏ジャケは、如何にも「テクノポップ」と言う感じで、そそりましたが、、、。この時期のメンバーは、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 海琳正道 (G, Vo), 戸辺哲 (Sax, Clarinet, G, Vo), 井上誠 (Mellotron, Synth), 山下康 (Synth, Rhythm-Box)でしたが、アルバムの録音には、ゲストとして、高木利夫 (Drs). 泉水敏郎 (Drs), 若林忠宏 (Sitar, Tabla), 菅谷憲 (Chorus), 森勉 (Chorus), そしてPhewことモリタニ・ヒトミ (Voice)も参加しています。ある意味、象徴的だったのが、Kraftwerkの”The Model”の日本語カバー(A2)を演っていることですね。また、戸辺さんのフリーキーなSaxや海琳の巧みなギター、そして変態的な曲を作る山下さん(ひょっとしたら「プヨプヨ」は独逸Clusterの”Zuckerzeit”A1からヒントを得たのかな?)も凄かったです。決して、それまでのロックとかポップとかの様に「カッコつけた」ところが無く、どちらかと言うと「ダサい」んですよ。まあそれは近田さんのプロデュースもあったのかなあと想像しますが、意外と本人達のキャラなのかもしれませんね。そんな彼等の出発点を聴いておいても良いのではないでしょうか? https://youtu.be/ua1BN8w6Iik #ヒカシュー #FirstAlbum #Eastworld #TechnoPop #NewWave #テクノ御三家 #Synthesizers #Sax #Mellotron #RhythmBox #Guitar #Bass #Vocal #巻上公一, #海琳正道 #戸辺哲 #井上誠 #山下康 #プヨプヨ #幼虫の危機 #モデル
Techno Pop / New Wave Eastworld ¥2500Dr K2
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Orchestral Manoeuvres In The Dark ”Organisation (エノラ・ゲイの悲劇)”
出ました、出ました!英国エレ・ポップ(或いはテクノ・ポップ)の雄、Orchestral Manoeuvres In The Dark (以下、OMDと表記)の登場です。今回は、彼等のセカンド・アルバム”Organisation (邦題「エノラ・ゲイの悲劇」)を紹介します。英語名より邦題の方が良く知れ渡ってますね。それでは先ず、彼等のバイオグラフィーを書いておきます。OMDは1978年に英国MerseysideのWirralにて結成されました。創設メンバーはAndy McCluskey (Vo, B)とPaul Humphreys (Kbd, Vo)で、後にMartin Cooper (Kbd, Sax)とStuart Kershaw (Drs)が加わりました。OMDは、1970年代後期から1980年初期に起こったシンセ・ポップの文脈にあって、実験的でミニマルな態度とポップネスを結びつけた存在であり、MTVを通じて流行ったことから、米国では「セカンド・ブリティッシュ・インヴェイジョン」の立役者とも言われています。それで、グループの始まりですが、McCluskeyとHumphreysは、1960年代初頭、まだテーンエイジャーだった頃にMeolの学校で会っています。そして、1970年中期に、それぞれ違うバンドに加入していましたが、ギター中心の漢っぽいロックバンドでした。1975年には、McCluskeyはEquinoxと言うバンドで、ベースとメイン・ヴォーカルを担当していましたが、彼とHumphreysは、Kraftwerkを聴いて、そんな電子音によるポップ・ミュージックをやろうとします。McCluskeyは、Equinox の後、PegasusやHitlerz Underpantzに加入しますが、McCluskeyはHumphreysとエレクトロニクスの可能性にかけるようになっていきます。1977年9月に2人は、7人組のバンドThe Idを始め、Merseyside地区で定期的にライブをやるようになります。このバンドでは、1979年作のコンピレーション・アルバム” Street to Street – A Liverpool Album”に1曲収録されています。その一方で、McCluskeyとHumphreysは、サイド・プロジェクトとしてVCL XIを始めます。この名前は、Kraftwerkの5枚目のアルバム”Radio-Activity”の背表紙に載っていた文言から取っており、2人は、より抽象的電子音楽の実験を進めていきます。1978年8月にThe Idは解散しています。同年8月から9月まで、McCluskeyはDalek I Love Youでリードヴォーカルをやっていましたが、すぐに辞めて、Humphreysと共にVCL XIを立ち上げ、更に、バンド名をOMDと改めます。このデュオ名は、McCluskeyの寝室の壁に書いた歌詞の中から取られており、パンクバンドとは間違われない名前にしたとのこと。当初はライブは考えていなかったらしく、また労働者階級の若者として、OMDは出発したので、中古のジャンクショップで売っている楽器を使っていました。時には、叔母のラジオを改造したりもしてますが、その後、やっとのことでKorg M-500シンセを分割て買い、OMDは、デュオでライブを始めます。バックトラックはTEAC4トラックテープレコーダー(これにはWinstonと名前が付いていた)に入れて、1978年10月に、リバプールのEric’s Clubでライブ・デビューします。それで、彼等は、インディーレーベルのFactory Recordsより、Martin Hannettのプロデュースで、シングル”Electricity”をリリースします。しかし、このシングルのA面には、Winstonの所有者で、後にマネージャーになる友人(通称Chester Valentino)が録音したデモトラックが使われていました。しかし、このシングルは大当たりし、Dindiscを通じて、7枚分のアルバム制作代を得ることになります。それで、McCluskeyはアルバム作製の為に、スタジオを借りるよりも、自分達のスタジオを持つ方が良いと考え、Dindiskから前借りして、リバプールに、the Gramophone Suiteと名付けられた録音スタジオを建てます。そこで、OMDはデビューアルバムを作製しますが、ゲストとして、The IdのMalcolm Holmes (Drs)とDalek I Love YouのMartin Cooper (Sax)も加わっています。そこからシングルカットされた”Messages”と言う曲はGongのベーシストMike Howlettのプロデュースで録音し直しており、OMDの最初のヒットとなります。1980年になると、Dalek I Love YouのDave Hughesが加わり、MTVの作製に関わり、またツアー要員として、Holmes (Drs)とHughes (Synth)が加わります。そして、OMDは、本作品でもあるセカンドアルバム”Organisation” (この表題名は、Kraftwerkの前身バンドの名前から取られています)を、McCluskey, HumphreysとHolmesで録音され、Howlettがプロデュースしています。どうも、レーベルメイトだったJoy DivisionのIan Curtisを意識したとのことです。この後のツアーでは、Martin Cooper (Kbd)が加わり、初期のOMDの鉄壁のラインナップとなります。このセカンド・アルバムは、1980年〜1981年で、Record Mirror誌やNME誌、Sounds誌などから高い評価を受けています。と言うことで、まだまだあるのですが、書き切れないので、一旦ここまでとします。 それで、本作品なのですが、一番有名な曲”Enola Gay (エノラ・ゲイの悲劇)”が大ヒットし、これでOMDを知った方もいらっしゃると思います。これは広島に原爆を落とした爆撃機の名前なのですが、勿論「反戦」を訴えているだけでなく、音楽としても良く出来た曲だと思います。またアルバム全体には、ミニマルなシンセのメロディとかリフは健在なのですが、先述のようにややダークな雰囲気が覆っています。これは恐らくHowlettのプロデュースによるところでしよう。それとHolmesのドラムが入ったことで、リズムマシンとの相性も良く、音にダイナミズムを感じますね。結構、シングルカットされた曲以外にも名曲揃いで、聴き応え充分ですので、初期OMDのポップセンスを体験するには良いアルバムだと思います❗️是非❗️ A1 “Enola Gay” (3:25) A2 “2nd Thought” (4:03) A3 “VCL XI” (3:45) A4 “Motion And Heart” (3:08) A5 “Statues” (4:05) B1 “The Misunderstanding” (4:40) B2 “The More I See You” (4:00) B3 “Promise” (4:38) B4 “Stanlow” (6:16) A1 “Enola Gay” (3:25) https://youtu.be/n4mqwJ569_M?si=n66H9ttUpgUokO7k [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLo-CVFFA0DtXftcucPJPWhpjtwnHPf-3B&si=6qx1h63AUdCkK3Di #OrchestralManouevresInTheDark #Organisation #VictorEntertaiment #VirginRecords #SynthPop #TechnoPop #Electronics #NewWave #Synthesizers #EnolaGay #AndyMcCluskey #PaulHumphreys #MalcolmHolmes #Winston #TheGramophoneSuite #MikeHowlett
Techno Pop / New Wave VICTOR ENTERTAINMENT (Virgin Records) 不明Dr K2
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Pere Ubu “Don’t Expect Art”
これはコレクターズ・アイテムですね。私はこれを見つけた時、未発表曲集では?と思い、即買いしたのですが、家に帰って聴いてみると、裏ジャケに書いてある曲名は、既出曲のライブ録音に適当に(?)違う曲名を付けただけのものでした。やられたー!と思いましたが、まあPere Ubuファンとしてはまあ持ってても良いかとしまっていました。この度、発掘しましたので、一応、紹介しておこうと思います。因みにこの番は、アンオフィシャル盤扱いされています。先ずこのライブ音源の元は1978年にOhio州アクロンのThe Interstate Mallで行われたX’ams Concertです。メンバーはTony Maimone (B), Tom Herman (G), Allen Ravenstine (Kbd), Scott Krauss (Drs), David Thomas (Vo)と初期の面子です。なので曲もファースト〜セカンド・アルバム辺りの選曲となっています。例えば、A2 “No Problem” か”Heaven”だったり、A3 “Mad Doctor”が”Modern Dance”だったり、A5 “Help Me”が”Humor Me”だったり、B1 “First World War”が”I, Will Wait”だったりB4 “Doris Day Sings”が”Sentimental Journey”だったりしてますが、音はラジカセ録音と思われ、恐らくPAもあるか?ないか?って感じで、音はペラペラです。でもまあ、アンオフィシャルだし、仕方ないかと。それとセカンド・アルバムの曲のライブ・ヴァージョンは貴重なので、それが聴けるだけでも価値はありますね。そんなアルバムなので、初心者向けではないです。私のように勘違いしないように、ご注意を❗️ A1 “Hard To Start” (“Heart Of Darkness”) A2 “No Problem” (“Street Waves”) A3 “Mad Doctor”(“The Modern Dance”) A4 “491” (“Heaven”) A5 “Help Me” (“Humor Me”) B1 “First World War” (“I Will Wait”) B2 “Random Wages” (“Real World”) B3 “My Back Pages” (“My Dark Ages”) B4 “Doris Day Sings” (“Sentimental Journey”) B5 “Little Skunks” (“Life Stinks”) https://youtu.be/WV7-eZnecgQ?si=UHMdAjX3wkBKq5zG #PereUbu #Don’tExpectArt #TheImpossibleRecordsworks #ExcitableRecordworks #Unofficial #LiveAlbum #EarlyTunes #DavidThomas #TonyMaimone #TomHerman #AllenRavenstine #ScottKrauss #1978 #Akron #X’masConcert
Avant-Rock / Art Rock The Impossible Recordworks / Excitable Recordworks 不明Dr K2
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La Düsseldorf “Individuellos”
久しぶりの登場です。La Düsseldorfの”Individuellos” です。この作品は、”Viva”に続いてリリースされたサードアルバムになります。この時のメンバーですが、Klaus DingerとThomas Dingerの兄弟が中心になっており、Hans Lampeは曲の提供とアレンジで関わっているだけみたいです。またこのアルバム直後にThomasは脱退しています。内容的には、今までのハンマービートは健在ですが、オプティミスティックなメロディやビートの無い実験的な曲も含まれており、前作よりもヴァラエティに富んだ内容になっています。B面に至っては、酔っ払いの鼻歌のような曲もあり、この何でもありの緩さが爆発しています。シンセの音がLa Düsseldorfの一つの特徴で、音質自体が如何にも快楽的な音色からなっていますね。Dinger兄弟の良いところがブレンドされたバランスの良い内容になってますので、”Viva”が気に入った方は、是非こちらも聴いて欲しいですね。 A1 “Menschen 1” (5:46) A2 “Individuellos” (3:07) A3 “Menschen 2” (2:56) A4 “Sentimental” (4:24) A5 “Lieber Honig 1981” (5:53) B1 “Dampfriemen” (3:33) B2 “Tintarella Di…” (4:40) B3 “Flashback” (3:52) B4 “Das Yvönnchen” (6:03); Andreas Schell (Piano) https://youtu.be/GxSDfzyMTpc?si=LZ3PdI7pkcIci6Kz #LaDüsseldorf #Individuellos #TELDEC #Krautrock #HammerBeats #Electronics #Drums #KlausDinger #ThomasDinger #Repetition #HansLamp #Guest #AndreasSchell
Krautrock TEL DEC 不明Dr K2