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Lizard “Babylon Rockers (邪都戦士)”
またまた、紹介します。Lizardのセカンド・アルバム”Babylon Rockers (邪都戦士)”です。この時のメンバーは、Momoyo (G, Synth, Vo, Back-Noise), Waka (B, Back-Noise), Bell (Drs, Perc, Back-Noise )に加えて、Kitagawa (G [A6, B1, B3-5], Back-Noise; 元無限水路の北川哲生)となっており、ゲストとしてKoh (Kbd, Casiotone, Back-Noise), Zeldaのメンバー(Back-Vo [B5]), Ichikawa (Back-Noise)が録音に参加しています。プロデュースは、Momoyoこと菅原庸介とKatohが行っており、録音はSunrise Studioで行われています。なお、敢えて、このアルバムには、JJ Burnelのプロデュースでは無いこと、それとシーケンサーは使用していないことが明記されています。個人的には、Lizardに関しては、このアルバムまでは購入しましたが、その後のゴタゴタの噂等が色んな雑誌(この頃は、それ位しか媒体がない)で書かれていたこともあって、急速に興味を失ってしまいました。今回も40数年振りに聴いてみました。なので、個人的思い入れも強いので、各曲の解説は省略させて頂きますます。このアルバムでは、ファーストと違って、サウンド自体は、「日本のバンドらしく」と言うのも変ですが、国内に向けたような雰囲気になっているように感じました。具体的には、Kohがパーマネント・メンバーでなくなった為、キーボードのアレンジがパッとせず、代わりにギターの比重が多くなっています。まあ、それが良かったのか悪かったのかは別の話なんですが。また、A面(Babylon Rockerサイド)での、如何にも「東京」とか「下町」をベースにした曲や歌詞(特にA3 “Asakusa Rock / 浅草六区”やA6 “Moonlight Lover / 月光価千金”)は、東京以外の地方出身のリスナーには共感し辛く、キツかったですね。また、A5 “Kids/Babylon Rocker”やB2 “Kwangju Fighting / 光州市街戦”はまるで、初期のPublic Image Ltdのようなダブ・サウンドで、当時のトレンドもしっかり取り入れていますね。個人的には、当時は、水俣病を独自の表現で指し示したB4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)”が一番響きましたね。 と言う訳で、ファーストと比べて聴いてみると、全体の印象として、Momoyoの独特の視点/単語の選び方/唱法は一貫していると言えば良いのですが、彼のワンマン的或いは個的な側面が強く出てきた印象です。バンドと言う集合体の密度がやや希薄になっている感じですが、これを当時の東京在住のファンの方々とかはどう感じていたのでしょうか?ちょっと興味がありますね。また、このアルバムも2回程再発されていますが、その時に初めて聴いたリスナーさんの感想も聴いてみたいです❗️皆さんはどうですか? A面:Babylon Rockerサイド A1 “Rock 'N' Roll War (宣戦布告)” A2 “Goodbye! Plastic Age (さよならプラスティック・エイジ)” A3 “Asakusa Rock (浅草六区)” A4 “Instant Dream (自動販売機で愛を買ったよ)” A5 “Kids/Babylon Rocker” A6 “Moonlight Lover (月光価千金)” B面: Junky Townサイド B1 “Lizard Song” B2 “Kwangju Fighting (光州市街戦)” B3 “Baby, Hit Yourself (まっぷたつ)” B4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)” B5 “Gum Gum........ (ゴム)” [full album] https://youtu.be/ELsLxZJFtbo?si=8N8L8Ojewlfg-9QY #Lizard #BabylonRockers #邪都戦士 #KingRecords #Windmill #SecondAlbum #NewWave #PunkRock #JapaneseUnderground #TokyoRockers #Momoyo #Waka #Bell #Kitagawa #AsakusaRock #浅草六区 #Sa.Ka.Na. #サ・カ・ナ
NEW WAVE, Punk Rock King Records (Windmill) 2500円Dr K2
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Lizard “s/t”
私が、まだ田舎の高校生だった頃、東京ロッカーズとかのオムニバスを聴いており、そこに収められているバンドに大層憧れていた訳ですが、国内盤がリリースされたのを知って、早速購入したのが、Lizardのファースト・アルバムです。その頃は良く聴いていました。今回、棚を漁っていたら、見つけましたので、40数年振りに聴いてみましたので、ご紹介します。その前に、先ず、Lizardのバイオグラフィーを書いておきます。1970年頃、灰野敬二の即興演奏のライブにて、初ステージを踏んだMomoyoとKatsuを中心に、幻想鬼、通底器、エレクトリック・モスという名前で活動し、1972年に前身バンドである紅蜥蜴が結成されます。そして、2枚のシングル”Sexus”と”The Destroyer & Another Noise”をリリースした後(因みに、1980年には、唯一のアルバム”けしの華”が出ています)、バンド名が、現在のLizardに改名されて、本格的に活動を開始します。その頃、丁度、日本でのパンク的な活動を始めた5つのバンド(S-Ken, Friction, Lizard, Mirrors, Mr. Kite)が東京ロッカーズを名乗って、六本木S-Kenスタジオを中心に活動を広め、Lizardもそのムーブメントを牽引していきます。ただ、Lizardの音楽性は、もろパンクと言うよりも、キーボードやシンセを積極的に入れたニュー・ウェーブ寄りのサウンドでした。また、当時から、Momoyoのカリスマ性等から人気があり、Lizard Armyと呼ばれる親衛隊もいたそうです。そうして、1978年からS-Kenスタジオで、東京ロッカーズのシリーズ・ギグが行われ、1979年には、オムニバス・アルバム”東京Rockers”に、Lizardも2曲参加しています。その時のメンバーは、Momoyo (Vo, 本名:管原庸介), Waka (B, 本名:若林一彦), Katsu (G, 本名:塚本勝己), Koh (Synth, 本名:中島幸一郎), Belle (Drs, 本名:吉本孝)でした。同年11月に、King Recordsより、本作品であるセルフ・タイトルのファースト・アルバムを、英国The StranglersのJean Jacques Burnelのプロデュースでリリースしています。録音は、英国LondonのEden Studioで行われおり、その際には、Jean Jacques Burnel & Rowena Doe (Back-Vo)もゲスト参加しています。同時に、シングル”T.V. Magic”もリリースされています。この英国録音の為か、JJのプロデュースと為か、当時は大きな反響がありましたが、この渡英の為の資金繰りで、後にバンド・メンバー脱退が引き起こされたと言う噂もあります。1980年には、Momoyo自身のプロデュースで、セカンド・アルバム”Babylon Rockers”とシングル”浅草六区”がリリースされており、インディー・レーベルJunk Connectionより、Momoyo & Lizard名義で、水俣病をテーマにしたシングル”Sa Ka Na”をリリースしていますが、メンバーの交通事故や相次ぐ脱退、フロントマンのMomoyoの麻薬取締法違反容疑での逮捕(この時、裁判資金のカンパに対するお礼の意味で、シングル”Save Momoyo”がライブで無料配布されています)などが重なり、以降は断続的活動になっていきます。そんな中で、1981年には、サード・アルバム”Gymnopedia”をTrio Recordsからリリースしています。その後は、Momoyoは、元P-Modelの秋山勝彦と一緒に活動したり、ソロ・シングルをTelegraph Recordsよりリリースしたりしていますが、1986年に、Telegraph RecordsからLizard名義でミニアルバム”変易の書”をリリース、更に翌年にもアルバム”岩石庭園”をリリースして、活動を休止しています。そうして、2009年に、オリジナル・メンバーのMomoyo, Waka, Kohに加えて、Kieth (Drs, 元ARB)を加えて復活し、1973年〜2008年の全曲を網羅した10枚組CD+未公開ライブ映像DVDのボックス・セット”Book of Changes - Complete Works of Lizard”をリリースし、同年には、22年振りのスタジオ・アルバム”Lizard IV”をリリースしています。そして、2010年には、新宿Loftでワンマン・ライブを行い、その時には、30年振りにJJ Burnelと共演しています。現在はどうなっているのかは定かではありませんが、ただ、ベースのWakaは、国会前での反原発運動やロックバンドLoud Machineにも参加していました。個人的には、SNSで繋がっていましたが、つい最近(2023年)、アパートで孤独死していたのが見つかったと聞いています。 Lizardのバイオグラフィーは大体、こんな感じです。それでは、彼等のファースト・アルバムでもある本作品”Lizard”の内容を紹介したいと思います。メンバーは、先述のように5人組と言う最強の布陣で、JJ Burnelプロデュースによる英国録音(多分、日本のロックバンドでも海外録音としては早い方ではないかな?)と言う話題性もあって、当時のリスナーは大きな期待を持って聴いていたと思います(私もそうでした)。A面5曲/B面6曲が収録されており、地引雄一氏の写真を使ったジャケ写のイメージが、そのサウンドにもマッチしています。今回は、私自身の思い入れが強過ぎるので、各曲の解説はしませんが、本作品でのサウンドは、Wakaによる太く存在感のあるベースとKohのソフイストケートなシンセに、Momoyoの押し潰したような独特のヴォーカルが加わって、当時としては、例外的にタイトでカッコ良い仕上がりになっていたと思います。歌詞は全て日本語なんですが、何となく、当時、関心がありそうな/話題を呼びそうな/反発的な単語(例えば、「プラスティック」/「コンピューター」/「TV」/「マーケッティング」/「コンビナート」などのアンチ・ヒューマン或いは人工物や物質主義など)を選んで使ったり、時には自己陶酔的な詩的表現と混在したりして、今聴くと、何かあざといと言うか気恥ずかしいと言うかそんな感じもしますし、また、Momoyoの声質/唱法が独特なので、好き嫌いは分かれるのではないかと思います。ただ、アルバム全体のサウンドは、単にパンクとかニューウェーブとかの枠では収まらない絶妙なコンビネーションによって支えられており、今聴いても完成は素晴らしいです❗️それが、JJ Burnelのプロデュースによるかどうかは分かりませんが。その後も何度か再発されており、その時代時代での評価なんかも気になるところではあります。皆さんはどうですか? A1 “New Kids In The City” A2 “Plastic Dreams (プラスティックの夢)” A3 “Radio Controlled Life” A4 “Guyana (ガイアナ)” A5 “Asia (記憶/エイジャ)” B1 “T.V.Magic” B2 “Market(Ing) Research (マーケット・リサーチ)” B3 “Don't Touch The Switchboard (そのスウィッチに触れないで)” B4 “Modern Beat” B5 “Love Song” B6 “Kingdom (王国)” [full album] https://youtu.be/uWOKqNKL6IE?si=rKV67XdqCuS73qYZ #Lizard #KingRecords #Windmill #Change2000 #FirstAlbum #TokyoRockers #JapaneseUnderground #NewWave #PunkRock #UKRecording #Synthesizers #YosukeSugawara #JeanJacquesBurnel #Producer #Momoyo #Waka #Katsu #Koh #Belle
Punk Rock / New Wave King Records (Wildmill / Change 2000) 2500円Dr K2
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Geography Of Hell “Verdun 1916”
素晴らしいネーミングのバンドだなあと、先ず感心してしまいました。「地獄の地図」だよ! しかも、国際的なメンバーによる完全なる覆面バンドで、メンバーは誰かは一切不明です。このGeography Of Hell (以下、GOHと表記)は、2008年に”Dresden 1945”と言うカセット作品をリリースして、2018年に名作ファースト・アルバム”Hiroshima 1945 / Nagasaki 1945”をリリース、ヴァイナルとしては、セカンド・アルバムに当たるのが、本作品”Verdun 1916”となります。一貫して、戦争と言う不毛の行為を描き出してきたGOHですが、今回は、第一次世界大戦をモチーフにした作品とのことで、ブックレットの方にも山のような当時の白黒写真が詰め込まれています。先述のように、GOHは正体不明で、唯一鍵となるのは、リリースが、米国テクノ〜ノイズ作家Dominick Fernow或いはPrurient主宰レーベルHospital Productionsからリリースされていると言う点と、Bandcampには仏と記載されている点です。それ以外の情報はありません。それで、本作品”Verdun 1916”の内容についてですが、曲名はなく、両面とも1曲ずつ長尺の曲が収録されています。その前に、このタイトルの”Verdun”について、少し解説しておきますと、第一次世界大戦の西部戦線で、フランス共和国内のヴェルダンを舞台に繰り広げられたドイツ軍とフランス軍の戦いのことです。そして、第一次世界大戦における主要な戦いの一つで、1916年2月21日に始まり、12月16日まで続いたこの戦いで、両軍合わせて700,000人以上の死傷者を出した凄まじくも陰惨な攻防戦であったとのことです。収められている曲はマーシャル系のリズムとパワ・エレ系ヴォーカルもあるのですが、どうも、メンバーは実際にVerdunに行き、そこに転がっているWWIの残骸(塹壕、要塞、ヘルメットなど)をフィールド・レコーディングしてきたらしく、そのような音も巧妙に加えられているみたいです。また、当時の無線通信やニュース音声等も加えられており、壮大な「戦争絵巻」となっています。また、一緒に ブックレットに掲載された夥しい戦時中の写真も視覚から訴えてきます。相乗効果ですね。中々、ヘビーな内容なので、心して聴かれるのが良いかと思われます‼️ https://youtu.be/XJ5OZqgfHac Bandcampも貼っておきました。 https://geographyofhell.bandcamp.com/album/verdun-1916 #GeographyOfHell #Verdun1916 #HospitalProductions #SecondAlbum #WorldWarI #Noise #Martial #PowerElectronics #FieldRecording #Verdun #France #HeavySound #Booklet
Industrial / Experimental Noise Hospital Productions 2500円Dr K2
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Kleistwahr “Do Not”
皆さんはKleistwahr(「クライストヴァール」と読む)を知っていますでしようか? そうです、あとパワー・エレクトロニクスの総本山、英国Broken Flagを主催し、Ramlehとしても活躍するGary Mundyのソロユニットのことです。彼は、このKleistwahrを1982年から1987年まで続けていましたが、2009年に突如再開しており、今までにKleistwahrとして14作のアルバムをリリースしています。一方、Broken Flagも、1982年に、RamlehのMundyとDebbie Thomasによって自然発生的に生まれたパワ・エレのレーベルで、RamlehやKleistwahr, M.B.やMTTなど、当時の初期パワ・エレ/インダストリアル作品を主にカセットでリリース、約100作以上をリリースしていましたが、1988年にレーベル活動はストップ。しかしながら、1994年には復活しています。加えて、MundyはKing Krown & KountryやEven When It Makes No Senseと言ったファンジンも出版していました。(KleistwahrとGary Mundyのバイオグラフィーニについてはまた今度まとめます。)それで、本作品は、Kleistwahr名義の4作目”Do Not”の再発なのですが、実は、2014年より英国Fourth Dimensionsが開始したGary Mundy/ Ramlehサポート・シリーズの一貫なんです。そんな歴史あるGary Mundyのノイズ・ユニットの一つKleistwahrの”Do Not”なんですが、曲名は無く、片面に1曲ずつ長尺の曲が収録されています。内容はと言うと、パワ・エレではなく、どちらかと言うと「実験音楽」的ノイズ・ミュージックであると言えます。レコードの針飛び音とループ、オルガンやギター等の楽器音、またはナレーション等の音声の断片や非楽器による音等が無造作に放り込まれて、継ぎ接ぎされており、パワ・エレ独特のヴォイスや重厚な電子音なんかは皆無です。多分、MundyがRamlehとは異なったアプローチを試みたかったので、このKleistwahrを始めたと想像します。それで、音的にも全く異なっていたのは自明の理なのでしょう。Kleistwahrも作品は多数出ておりますので、段々と音の方も整理されていきますが、まあ、初期の頃は、このような「実験ノイズ(良く言って、ミュージック・コンクレート)」であったのを知るには良い作品ですので、興味のあるノイズ・リスナーさんは聴いてみても良いでしょう❗️ A “Untitled” B “Untitled” [original cassette version] https://youtu.be/kW5QDh8rbvI?si=ofF4MqP2yyvOcDrU #Kleistwahr #DoNot #FourthDimensions #BrokenFlag #Reissue #LimitedEditions #300部 #GaryMundy #SoloUnit #Ramleh #Experimental #Noise #NoiseMusic #MusiqueConcrete
Experimental Noise Fourth Dimensions (Broken Flag) 2500円Dr K2
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Magazine “The Correct Use of Soap”
確か、Magazineを買ったのは、田舎の高校生の時でした。まあ、キーボードのメンバーのいるニューウェーブ・バンドだったからだと思います。しかしながら、その時はそんなに気に入らなかったんですが、今回、久しぶりに聴き直してみました。その前に、Magazineのバイオグラフィーを少し。元々は1977年初頭までパンクバンドBuzzcocksに少し在籍していたHoward Devotoが、より先鋭的な音楽をやろうとして、ギターのJohn McGeochと共に結成したのが、Magazineです。Howard Devoto (Vo), John McGeoch (G), Barry Adamson (B), Bob Dickinson (Kbd), Martin Jackson (Drs)がオリジナルなラインナップです。しかしながら、クラシックや前衛音楽の素養のあったBobは、1977年終わり頃にすぐに脱退しています。バンドは4人でシングル”Shot by Both Sides”をリリース、その後に、元St. Louis UnionのDave FormulaがKbdで加入します。因みに、このシングルはBazzcocksの曲でもあるとPete Shellyが指摘しています。1978年にデビューアルバム”Real Life”をリリース、英国チャート30位に入っていますが、7月末にMartin Jacksonが脱退し、代わりにPaul SpencerがDrsで加入します。この頃になるとギグやTV出演することが多くなりますが、Paul Spencerはツアー中にSpencermetersに加入する為に直ぐに脱退し、同年10月にはJohn Doyle (Drs)が加入します。翌年1979年にセカンドアルバム”Secondhand Daylight”をリリース、英国チャート40位に入ります。このアルバムでは大々的にシンセが使われています。1980年にバンドは、本作品でもあるサードアルバム”The Correct Use of Soap”をMartin Hannettのプロデュースでリリース、トップ30にはランクいんします。しかしながら、John McGeochは、それ程売れなかったこと及び余りギター重視でない曲作りであったと言う理由で、脱退し、Siouxsie and the Bandheesに加入しています。一方、Magazineには、Ultravox!にいたRobin Simon (G)が加入しています。バンドは欧州・豪州ツアーを敢行し、ライブアルバム”Play”をリリース。しかしながら、またしてもRobin Simonも、John Foxxのソロアルバムに参加するためにバンドを脱退します。Hawardは、大学時代の友人でAmazorbladesのBen Mandelson (G)を加入させて、1981年に”Magic, Murder and the Weather”を作製しますが、リリース前の数ヶ月、リリースをストップをかけます。そんなこともあって、他のメンバーも解散することを決めます。メンバーはそれぞれ、他のバンドなどで活躍しますが、Howard Devotoは音楽を止めて、写真家として活動していました。John McGeochは2004年に48歳と言う若さで他界しています。それから、2008年7月にHowardはMagazineを再結成することを考え、2009年2月にHoward Devotion, Dave Formula, Adamson, John DoyleとJohn McGeochの代わりにThe RadioheadのJohnny Greenwood (G)で再結成を行い、ツアーメンバーも加わって、現在でも活動中です。 それで、本作品ですが、良くも悪くもニューウェーブ的な音作りなんですが、兎に角、Howard Devotion の抑制したような、絡みつくようなエロいVoが特徴ですね。ギターとシンセを配合良く調剤したメロディアスな曲調も本作、と言うかMagazineの特徴と言えるでしょう。その分、爽快感は抑えられていますが、それはHoward自身が言っているように、「ロックンロールは音楽的スターでもなく、モダーン・ミュージックに興味があるだけだ」と言うことも強ち言い過ぎではなく、常に新しい音楽——その時代時代の音楽—-を目指していたからだと思います。私も、正直、聴き直してみて、中々、良いじゃないか!とも思いました。ただ、HowardのVoスタイルや声質には好き嫌いが分かれるところではありますが。次回はファーストアルバムやセカンドアルバムを聴いてみたいですね。また歌詞が文学的との評もありますが、英詩なので良く分からなかったです。そんな時代に対してモダーンであり続けたMagazineの円熟した音楽を聴いてみてください。 A1 “Because You're Frightened” (3:54) A2 “Model Worker” (2:51) A3 “I'm A Party” (3:01) A4 “You Never Knew Me” (5:23) A5 “Philadelphia” (4:08) B1 “I Want To Burn Again” (5:16) B2 “Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)” (3:38) B3 “Sweetheart Contract” (3:18) B4 “Stuck” (4:04) B5 “A Song From Under The Floorboards” (4:07) https://youtu.be/3c5Yxi98umI?si=EB0kFfhiHWk--jG7 #Magazine #TheCorrectUseOfSoap #VirginRecords #ThirdAlbum #NewWave #ArtPunk #Manchester #Keyboards #HowardDevoto #JohnMcGeoch #BarryAdamson #DaveFormula #JohnDoyle
New Wave Virgin Records 2500円Dr K2
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IPPPPU-DO (一風堂) “Normal”
皆さん、一風堂(ラーメン店ではなく、バンド)を覚えていますでしようか? 1979年に結成されたバンドですが、その頃は、山本翔(ロックシンガー)のバックバンドとしてでしたが、1980年に、土屋昌巳さん (Vo, G, Synth) が中心となって、見岳章 (Kbd, Vln)、赤尾敬文 (B), 藤井章司 (Drs)のメンツで、一つのバンド一風堂としてメジャー・デビューしています。そこでのデビューアルバムが本作品”Normal”です。この時の売り出し方は、テクノ・ポップ或いはニューウェーブの流れに乗ろうとしていた印象です。その後、メンバーは抜けていき、最終的には土屋さんと見岳さんのデュオになっています。1984年に活動停止(解散とは言っていないとのこと)。しかしながら、2009年2月6日に藤井章司が自宅にて心筋梗塞で他界(享年54材)。2013年には、結成時のメンバーであった平田謙吾が病死(享年58)。1982年7月にリリースされた「すみれ September Love」がCMソングで有名になっています。活動停止後、リーダーの土屋さんはソロで活動していますし、またバンド自体も英国のバンドJapanやそのメンバーとも親交が深いです。 私が高校生の時、このアルバムを購入したのは、単にキーボードが入っていて、シンセを多用するとのことで、当時のテクノ・ポップ・ブームに乗っかっていたので、琴線に触れた訳です。その時の印象は上手過ぎて、音がごちゃごちゃと詰め込まれているなあと。なので、好きな曲と言っても、A1 “Adventure”とA2 “Break-out Generation”位でしたね。まあ「テクノ歌謡」のようなもの、芸能界的な匂いを感じでしまったからでしょう。今回、聴き直してみたんですが、結構、この時代の海外のニューウェーブ・バンドのフレーズをモチーフにしていたり、歌詞の内容が顔が真っ赤になる程、情けないと言うか歌謡曲のような色恋沙汰なんで、そう言うところが、イマイチ踏み込めなかったのだと再認識しました。ただ、全曲、作曲・作詞・編曲を担当している土屋さんの才能は只者じゃないとは認めます。曲自体は良いです。なので、彼の才能や当時のテクノ・ポップな歌謡曲を興味が有ればA面始めの2曲だけでも聴いてみて下さい。 “Break-out Generation” https://youtu.be/HX-a8BG4t38 #Ippu-Do #一風堂 #Normal #Epic/Sony #テクノ歌謡 #MasamiTsuchiya #FirstAlbum #土屋昌巳 #TechnoPop #Adventure #Break-outGeneration
Techno Pop / New Wave Epic/Sony 2500円Dr K2
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Naoki Kasugai “Normal Electronics”
Twitterで、DD. Records関係で知り合った名古屋のNaoki Kasugai (春日井 直樹)氏から直接購入した1枚がこのアルバムです。DD. Recordsについては前回の書きましたが、復習として、簡単に書いておきますね。1980年初頭〜中頃の間、鎌田忠さんによって完全「アマチュアリズム」の元に運営されていたカセットレーベルで、当初、鎌田氏は山梨大学に在籍していたので、山梨を拠点に、郵便を利用して、カセット代&A4版コピー4面分コピー代&郵送料だけで購入可能なレーベルとして活動していました。鎌田さんが、大学卒業後、就職の為、名古屋に移りましたが、DD..Recordsとしては最終的には200本以上の作品をリリースしていました。海外でも噂が立ち、一部の作品は米国Aeonが配給していますが、名古屋に移って、暫くして鎌田氏は連絡が出来なくなると言う状態になり、そこら辺でレーベルは終わっています。理由は不明。そんなDD. Recordsは 4本程、”Omni”シリーズと言うオムニバス・カセットをリリースしており、私も2曲で参加したことがあり、そこで、春日井氏の音楽を聴く機会がありました。その時の印象、カッコいいインダストリアル! 結構、私は気に入って何度も聴いていました(この曲は以前、紹介した春日井氏の”DD. Records Works Part One”に収められていますので、聴いてみて下さい)。まあその時は、春日井氏の音楽にその一曲で惚れていました。その後、SNSで、春日井氏を含むDD. Records関係者数人と知り合うことが出来、その関係で、彼の作品を購入する経緯になった訳です。彼は、サイケと電子音楽とインダストリアルとを縦横無尽に移動していますが、その中ても、本作品はインダストリアル・ノイズ(宅録パワエレ?)寄りの作品で、2010年録音ですので、新録だと思います。Esplendor Geometrico を思わせるリズムボックス(多分、Roland TR-606?)、ナチの演説テープ、(時にはM.B.をも思わせるような)シンセやオルガンによる電子音と曲によっては本人のVoがガッツリ組み合わさって、1980年代のインダストリアルや欧州パワエレをも想起させる様な内容になっています。ノイズかと言うと、2000年代の「ノイズ」では無いんで、1990年代以降のJapanoiseとは断絶しているとは思いますし、また、歌モノ的な要素もあって、T.G.やSPKの初期インダストリアルとの共通点があります。また、The Residents的風味もあり。2010年代に、地方で、インダストリアルな音楽をやっている人はいるかもしれませんが、彼は矢張りアタマ一つ、いや三つ、四つ位、抜きん出てますね。そう言う意味で、楽しめました。また所々にサイケ要素の音も使っていますので、そこは流石ですね。もし、1980年前後のインダストリアル・ミュージックを未体験で、かつ興味があれば、ピッタリですので、是非❗️ また現在、彼は毎日の散歩の音をフィールド・レコーディングした内容に、一点物のコラージュをつけたカセット作品を毎日作り続けており、その意味でも興味深い活動をしていますので、要チェック❗️ “Normal Electronics” https://youtu.be/5OZTLtKT7Ng #NaokiKasugai #NormalElectronics #DaytripRecords #春日井直樹 #IndustrialMusic #1980年代 #CollageBooklet #DD.Records
International underground music Daytrip Records 2500円Dr K2
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Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part Five”
名古屋の春日井直樹氏が、1983-1984年の間にDD. Recordsから出したカセットアルバム6部からのセルフ・コンピもいよいよ最後になりました。当時の音楽志向がより明確になったように思います。今回はノイズ度が高い作品になっているようです。A1 “Medical Point Part 1”の不穏なノイズへの調べと共に、A2 “I’m Home”の高周波ノイズをバックに、接触不良系ノイズとディレイの誤用、そして電化したデレク・ベイリーのようなギターノイズ、時々、怒号と言う明らかにノイズ・ミュージックを意識した曲が続き、A3 “Low Work”でややスパイシーな音楽が、更にA4 “Help Me”の小曲でA面を締めます。B1 “Medical Point Part 5”のホワイトノイズの壁で幕をあけ、B2 “A Different World =Can You Stand Up This Noise?”の濃霧のような音像の中に迷い込みます。まるで初期LustMordのよう。続くB3: “Key-I”は不穏なヴォイスがら印象的。そして、B4 “Down To Hell”では、エフェクトの掛かったリズムボックスとザグザグのギターノイズで締めています。総じて、この”Part Five “ではノイズ度が高く、やや異質な印象も受けますが、Part Oneからずっと聴いてくると、全作品はやはり「1983-1984年の春日井直樹」そのものなのではないか?と思えてきます。そんな土台があって、その後のサイケに流れる道筋が分かるような気がします。私自身もこの時期は方向性を見失い勝ちだったようにも感じており、そのようなシーン(?)で、彼がもがいていたのは想像に難くないと思います。そんな時代を垣間見たあのであれば、このシリーズを聴いた方が良いように思います!さあ皆さん、聴きましょう! この作品もYouTubeにはないので、彼の他の作品を貼っておきます。 https://youtu.be/T-SK-GQV7DQ #NaokiKasugai #DD.RecordsWorks1983-1984PartFive #DaytripRecords #DD.Records #Experimental #Noise #Industrial #宅録
Experimental / Industrial / Noise Daytrip Records 2500円Dr K2
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XTC “Black Sea”
実は、私はBarry Andrewsが抜けた後のXTCには、そんなに触手が動かなかったんですが、このアルバムだけは何故か買ってしまいました。それはテクノポップの終焉と新しい英国大衆音楽への昇華を聴きたかったのかもしれませんね。XTCについては、既にバイオグラフィーは書いていますので、ちょっとだけ補足を。ええっと、Barry Andrewsが抜けた後にDave Gregoryが加入していますが、彼はGとKbdを担当しています。ここら辺の人選にXTCの方向転換のセンスの良さを感じますね。そのメンツで”Drums and Wires”を1979年にリリースして、翌年、本作品である”Black Sea”をリリースしています。よく見るジャケ写は実はその上に緑色の紙袋で包まれていたんですよ。プロデューサーにSteve Lillywhiteを起用しており、この時代特有のドラムの録り方をしています。そうです、キーワードはドラムです(例えば、P-Modelが”Perspective”でドラムを残響音バリバリの録音にしたように)。ここでは、Andy PartridgeとSteve Lillywhiteの化学反応が成功した例でしよう。ギターの金属質な音色やリフが、やや実験的なプレイをしても、Colin MouldingのBとTerry ChambersのDrsがしっかり支えて、ポップ・ミュージックとして成立させています。また、A3”Living Through Another Cuba”でのダブ的ミックスは秀逸です。このアルバムを買った時の印象は「何か音が詰め込み過ぎ」だったのですが、今、聴くと丁度良い感じですね。まあ、Andyのヴォーカルはいつも暑苦しいんですけどね(苦笑)。しかしながら、2人のギターのカッティングやリフの絡みはカッコいいですね。あとColinのBは凄く上手くて、出過ぎず、引っ込み過ぎずで良い感じです。あと、B面の曲の繋ぎがこれまたカッコいいんですよ、聴いてみれば分かります。B5 “Travels In Nihilon”での先進性とP-Modelの”Perspective”との類似したリズムのヴァリエーションは、やはり時代の音ですね。そんな訳で、本当久しぶりに聴いてみましたが、やっぱりXTCは凄かったです。次世代のポップミュージックをこの一枚で作ってしまったのですから。因みに、ジャケ写に”X”, “T”, “C”の三文字が隠れているの、気付きましたか?そんな所にも彼等の洒落っ気があります。是非とも今聴いておくべきアルバムですね。 A1 “Respectable Street” (3:34) A2 “Generals And Majors” (4:00) A3 “Living Through Another Cuba” (4:41) A4 “Love At First Sight” (3:04) A5 “Rocket From A Bottle” (3:27) A6 “No Language In Our Lungs” (4:52) B1 “Towers Of London” (5:17) B2 “Paper And Iron (Notes And Coins)” (4:17) B3 “Burning With Optimism's Flame” (4:12) B4 “Sgt. Rock (Is Going To Help Me)” (3:54) B5 “Travels In Nihilon” (6:54) A3 “Living Through Another Cuba” https://youtu.be/BTp_qgh-i4g?si=Po80cYSt04ufb-yw [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLp1k2ZbbaLB3kJBadXRQu6z198pXmb1fN&si=OPs0nBthJW4Ij6-7 #XTC #BlackSea #VirginRecords #FourthAlbum #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #DaveGregory #TerryChambers #SteveLilliwhite
New Wave / Pop Music Virgin Records 2500円Dr K2
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ヒカシュー(Hikashu) “夏 (Summer)”
このアルバム、と言うかこのグループも私のルーツの一つですね。ファースト・アルバム”ヒカシュー”も高校生時代に毎朝聴いていましたし、当然、このアルバムも高校生と時にはヘビロテしてました。大学生になって市川市に住むことになった時は何度かライブを観に行ったものですよ、はい。バイオグラフィーは日本語のWikiで直ぐに出てくるので、そちらを参照した方が良いかも。と言っても、まあ息の長いバンドですので、ザックリと、初期の活動とかを紹介しておきますね。1973年に巻上公一と井上誠は東京キッドブラザーズに席を置き、巻上さんは海外公演に参加するも、公演自体が途中で空中分解してしまい、巻上さんは路頭に迷います。その時に、前衛演劇団ルミュエール&サンに参加。無事帰国後、巻上さんはミスタースリムカンパニーに加入。1977年に巻上さんが、自分のプロデュースする演劇「コレクティング・ネット」の劇の音楽を井上さんと山下康のデュオに依頼したことから全ては始まりました。そのデュオは今では「プレ・ヒカシュー」と言われており、インド音楽に影響を受けた音楽をやっています(CD発売されている)。その依頼がキッカケで、巻上さんが、自分と海琳正道(現在は三田超人と呼ぶ)と戸辺哲でやっていたル・インチと言うバンドで、そのまま、井上さんと山下さんのグループに参加し、5人体制になって、ヒカシューが生まれたと言う訳です。因みに、井上さんは、週間プレイボーイで、冨田勲監修のシンセ・ミュージック・コンクールに応募して入賞しています。この入賞者の曲はレコード化されていますが、それにはP-Modelの平沢進の作品も入っているとか。入賞者にはレコード化以外にシンセも貰えたらしいです。それで話しをヒカシューに戻すと、「ヒカシュー」と言うバンド名の由来は色々あるみたいですが、Wikiを読んでみて下さい。そして、その活動が始まったのが1978年頃です。メンバーにシンセ奏者が2人もいて、しかもリズムマシンを使っていると言うスタイルだったこともあり、また、当時出てきたP-ModelやPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれて、ニューウェーブ・バンドとかテクノポップ・バンドのイメージが強かったですね。しかしながら、結成当初から演劇、フリーインプロヴィゼーション、民族音楽を取り入れたアプローチを続けていましたし、その後もジャズ、クラシック、雅楽など幅広い要素を取り込みながら活動を続け、現在はインプロヴィゼーションを演奏の根幹に取り込みながら、即興と作曲が共存するノンジャンルの音楽を志向しています。なので、基本は、奔放なインプロビゼーションと巻上さんの独特のヴォーカリゼーションからなる楽曲の二本柱で構成されており、井上さんと山下さんがイノヤマ・ランドに集中する為に脱退すると、メンバーの変遷は多数ありましたが、段々とインプロを中心に種々な民族音楽やジャズなどを雑食した独特の音楽を演奏するバンドになっていきます。まあ、ここら辺は後期のアルバムを聴くと分かると思います(と言いながら私は未聴、すまん!)。なので、ここでは敢えて「テクノ御三家」時代の彼等の音楽について紹介しますね。 それで、彼等ののセカンド・アルバム「夏」です。いきなり、カッコいいビートが鳴り響くA1 ”オルタネイティヴ・サン”で幕を開けます。更に、この時期、The Venturesとも競演し、また映画「チェンジリング」のテーマ曲にもなったA3 ”Pike”、B面の曲は割とシニカルな歌詞のものが多く、ついつい深読みしてしまいます。B5 “Bino-Pike”は山下さん渾身の曲で、リズムボックスを使いながらも7/4拍子と言うインストものなんですが、ノリが良くてビックリしました。最後は、B6 “瞳の歌”で希望を予感させて締めてます。と言いながら、ドラムもゲストでJuicy Fruitsの高木利夫が参加しています。「夏」と言うと解放感とか陽気とかを思い出しがちですが、このアルバムの2/3は「夏故に憎む」と言うシニカルな曲から構成されており、エアコンの切れた部屋の中で考え込んでいるような気分です。まあ、兎に角、ヒカシューの「悪意」を聴いてみて下さい。ハマるかもしれませんね。 https://youtu.be/2cdJG0fe5s0 #Hikashu #Summer #ヒカシュー #夏 #NewWave #TechnoPop #Pike #巻上公一 #海琳正道 #井上誠 #山下康 #戸辺哲 #Vocalization #Synthesizer #SecondAlbum
Techno pop, New Wave Eastworld 2500円Dr K2
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Silver Stars (銀星団) “s/t”
君は覚えているだろうか?1979年に突如現れた謎のパンド銀星団ことSliver Starsを❗️まだ高校生だった頃に初めてTVで観て、気になっていたので、ついつい手が出てしまった彼等のファースト・アルバムです。日本版Residentsと言えば言い過ぎか!兎に角、このファーストアルバムの時は、皆、ジャケに写っているように白い帽子に丸いサングラス、覆面で顔出し一切無しの5人組です。その時は一体何者かも分からず、PCも無く、田舎の高校生にはどうにも調べようがなかったです。今になって調べても、本当に本当かは分からないですが、Bow WowとTK(小室哲哉さんね)ではないかとの噂が流布されています。私はメタル系の音楽を余り知らなかったので、よく分からないのですが、ギターの音色やソロ或いはヴォーカルの声質からはヴォーカルは山本恭司さんだろうと言われています。また、セカンド以降は覆面はしてないもののサングラスは常に着用していますが、音楽的に完全にメタル化したらしいので、買ってはいません。勿論、本作品でもメタルっぽいギターソロとかもあるんですが、ハード・ロックとエスノとテクノなどが融合して、中華風のスパイスを振りかけたら、独自の音楽になってしまったと言う感じです。何故、彼等の正体がBow Wowかと言うと、声やソロだけでは無く、Bow Wowの前座として突如現れて、フロントの3人は直立不動で演奏してMCも無しと言うことからも、そのように噂されているみたいです。それと、何故TKが加わっていたのかと言うと、当時、Bow WowとTKは事務所が同じであったからとも言われています。曲名は英語と擬似中国語が併記されていますが、クレジットには、Rayzor Cruiser (Vo, G), Jimmy Driver (Dr, B-Vo), Robby Claft (B, B-Vo),Richard Hope (G, B-Vo), Degital "Cheap" Snake (Kbd)とあり、クスって笑ってしまいますよね。内容は押して知るべしで、テクニックは確かですが、YMOっぽい中華風のアレンジや、ジャズの名曲”Take Five (乱調五番)”のヘビメタ風カバーなど聴き処は沢山あります。音は当時のレベルなので、余り音圧も無く、ペラペラで、かつヴォーカルも殆どデッドな録音なので、ちょっとズッコケますが、まあ大目に見て(聴いて)下さい。偶にはこう言うのもいいでしよ? “Take Five (乱調五番) https://youtu.be/TBCkLX-O1ho “Crazy As Hell (地獄如愛妹) https://youtu.be/4pICw6jb3tg “Yellow Vice (黄悪徳)” https://youtu.be/FS8BLscNEEg #SilverStars #銀星団 #Trash #覆面 #BowWow #TK #山本恭司 #Metal #Ethno #Techno #SSP
Hard Rock Trash 2500円Dr K2
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The Bongos “Time and the River”
皆さんの中で、このThe Bongosを知ってる人は何人いるでしようか?またThe Bongosと聞いて、ピーんとくる人は? The Bongosは”No New York”が吹き荒れるNYCの近くほニュージャージー州HobokenでRichard Baroneを中心に結成されたパワーポップ・バンドですが、良くも悪くも、彼等のスタイルがHobokenのインディー・スタイルになっています。それで、彼等のバイオグラフィーを少し。メンバーは、Richard Barone (Vo/G), Rob Norris (B/Vo), Frank Giannini (Dr, Perc)に1stLPのリリース後にJames Mastro (G)が加わります。1980年に彼等はマンハッタンのTier3やMudd Clubで演奏を始めますが、当時はそのようなクラブではニューウェーブやノーウェーブが演奏されていました。しかしながら、彼等のギターで引っ張っていくポップな音楽は、アヴァンギャルドの影響やダンスミュージックとの関係あってNYCで受け入れられます。Deadly NightshadeのメンバーであるHelen HookeはVlnなどで客演したり或いは彼等のデモの録音などでもバックアップしていました。彼等のギタープレイや録音、saxのインプロは、純粋にメロディアスなポップソングにあって、Lou ReedやOrnette Coleman或いはCaptain Beefheartなんかも引き合いに出されていました。それで彼等は英国のFetish Recordsと契約し、デビューアルバムである”Time and the River”をリリースします。それで、彼等は初期のポストパンクやインダストリアル、エクスペリメンタルのグループやアーティストと交流を持つようになります。特に、Throbbing Gristle (Cosey Fanni Tutti)やClock DVAなどは一緒にロンドンでライブしたりしています。彼等の米国でのデビューアルバムは英国時代のシングルをコンパイルした”Drums Along The Hudson”として逆輸入で1982年にリリースされてます。しかしながら、1987年にIsland Recordsから出る予定だったアルバムを作製中にバンドのメンバーはソロ活動に性を出した為、バンドは空中分解してしまい、2013年にやっと出ると言って具合で、1987年にバンドとしては解散してしまいます。 と言うのが、The Bongosのザックリとした経緯ですが、何かラッキーが続いてやってこれたと言う印象ですね。私自身も、このアルバムを購入したのはTGのCosey Fanni Tuttiがコルネットで参加してると言うミーハーな理由で買ったのですが、いやはや、バンドのパワーに負けましたよ。当時はかなりヘビロテして聴いてましたよ。兎に角、曲が全部キャッチーで捨て曲が殆どないくらいです。特に私のお気に入りは”Certain Harbours”や”Zebra Club”, “Three Wise Men”それにT-Rexのカバー”Mambo Sun”辺りでしようか。凄くポップな曲ばかりなので、どんなにフリーキーなサックスやコルネットが入ってもポップなままですね。と言うか、なぜFetish Recordsが興味を持ったのか?を知りたいくらいです。その位、落差が激しいですね。なので、パワーポップを聴きたい時には是非ともThe Bongosを‼️ A1 “In The Congo” (2:52) A2 “The Bulrushes” (2:32) A3 “Clay Midgets” (2:42) A4 “Video Eyes” (1:40) A5 “Glow In The Dark” (2:00); Dennis Kelley (EMS Synth) A6 “Telephoto Lens” (2:00); Dennis Kelley (EMS Synth) A7 “Certain Harbours” (2:57); Charlie Collins (Sax) B1 “Speaking Sands” (0:29) B2 “Burning Bush” (1:30); Charlie Collins (Sax) B3 “Automatic Doors” (2:00) B4 “Hunting” (2:12) B5 “Zebra Club” (3:08) B6 “Three Wise Men” (2:21); Cosey Funni Tutti (Cornet) B7 “Mambo Sun” (4:30); Mark Abel (A-G) B8 “Question Ball” (1:36) B7 “Mambo Sun” (4:30) https://youtu.be/n6x1gUYBFO8?si=Q3dHPBL4bbU1rTqY [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k5EBuJ6nk8qBAoxZysD-cMbqwowrmI8h4 #TheBongos #TimeAndTheRiver #FetishRecords #日本盤 #PowerPop #MamboSun #RichardBarone #RobNorris #FrankGiannini #JamesMastro #Guests #CoseyFanniTutti #CharieCollins #DennisKelley #MarkAbel
Power Pop / Americana Fetisch Records 2500円Dr K2
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The Clash “Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”
私は意外とこう言うのも聴くんですよ。と言う訳で、今回はThe Clashの登場です❗️しかも、ファンの間では余り人気の無いセカンド・アルバム”Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”です。私より詳しい方はいらっしゃるとは思いますが、バイオグラフィーを少し。The Clashは1976年に英国Londonで結成されました。その時のメンバーは、1974年に結成されていたパブロックバンドThe 101ersのVo/GであったJoe Strummer (本名John Graham Mellor)、1975年をリハに費やしていたプロト・パンク・バンドLondon SSのいたギタリストMick Jones、そのLondon SSのオーディションにVoとしてやってきたPaul SimononとドラマーのTerry Chimesで始まりました。元々はMickがSex Pistolsのライブを観て、London SSのマネージャーだった Bernard Rhodesに話しをつけて、Paulに連絡を取り、ギターよりも簡単なベースをやるようにとアドアイスし、後にPublic Image Limitedの初代ギタリストになるKeith Levene (G)を誘い、ニューバンドを作ろうとします。Terryもオーディションにはきましたが、直ぐに辞めました。またバンドはリードシンガーを探していて、丁度、マネージャーのBernard(後の「バーニー」のこと)の目に止まったのが、Joeで、MickもPaulも同意でした。それで、101ersの演奏後、3人はJoeを呼び出し、「俺達のバンドに入らないか?48時間やるから、考えてみてくれ」と提案したところ、最初の24時間で、「OK」の返事がきました。こうして、The Clashが誕生しました。それで、1976年7月4日にSheffieldのBlack SwanでSex Pistolsと共に初のギグを演ります。それで翌年1月にCBSレコードと契約しますが、その時にはKeithはクビになっており、また、Terryも脱退していたので、契約してから、正式なメンバーとしてTopper Headonがドラマーとして加入することになります。当時、Sniffin’ Glueと言うパンク・ファンジンを発行していたMark Perryは「The ClashがCBSと契約を結んだ時にパンクは死んだ」との記事を書いてますが、その後、The Clashの1977年のシングル”White Riot”を聴いて「あれは間違いだった」と書いています。そしてThe Clashとしてのファースト・アルバム”The Clash (白い暴動)”をリリース。この辺りはまたの機会にします。 それで、彼らのセカンド・アルバムである”Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”をまず紹介するかなんですが、それには少し理由があります。それは、私が最初に買ったThe Clashのアルバムだったと言うことです。当然、田舎の高校生だったので、このアルバムを結構ヘビロテしてました(と言うか、お金が無いので、一度買ったレコードは好きになるまで聴いていたものです)なので、このサウンドがThe Clashの音楽なんだと刷り込まれてしまったのです。何故か、本アルバムはアーティスト自身にもファンにも余り良い評価を与えられてません。多分、それは米国への進出を念頭に作られたことと、その為、Blue Oyster CultのプロデューサーであるSandy PearlmanをCBS側が密かに用意していたからでしよう。実際、ギターの音はハードロック調ではありますし、メタリックでもあります。ただ私は元々米国のKissが好きだったので、それ程違和感は感じませんでした。と言うか、A-1 “Safe European Home”, A-2 “English Civil War”, A-3 “Tommy Gun”と続く激アツのパンク・チューンはかっこいいと思うんですけれどねぇ。それと、私はThe Clashのヴォーカルに関してはJoeのは好きなんですが、Mickの声質はクリーン過ぎて余り好きではないのですよ。まあ、そこら辺は好みの問題かとも思いますが。ファーストとサードに挟まれた鬼っ子的アルバムですが、私は好きなので、もし、興味があったら聴いてみてちょ。 A1 “Safe European Home” (3:48) A2 “English Civil War” (2:34) A3 “Tommy Gun” (3:14) A4 “Julie's In The Drug Squad” (3:02): Allen Lanier (Piano) A5 “Last Gang In Town” (5:10) B1 “Guns On The Roof” (3:14) B2 “Drug-Stabbing Time” (3:42): Stan Bronstein (Sax) B3 “Stay Free” (3:38) B4 “Cheapskate” (3:23) B5 “All The Young Punks (New Boots And Contracts)” (4:54) https://youtu.be/bLicOxz6xlk?si=7YDZ0xEiOXW-3nxH [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kFfgbbjsC3dPyEQM8Ol0Tcgu7S1YJWZu4&si=Iulx6jB7JfUvOUc3 #TheClash #Give’EmEnoughRope #CBS #国内盤 #SecondAlbum #Punk #HardRockElements #JoeStrummer #MickJohns #PaulSimonon #TopperHeadon #Produce ##SandyPearlman #Guests #AllenLanier #StanBronstein
Punk CBS 2500円Dr K2
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P-MODEL “Perspective”
そろそろ、ネタ切れかな?今回もP-MODELの4枚目のアルバム”Perspective”です。これはホント、問題作ですね。前作で「脱テクノ宣言」して、レコード会社も変わってリリースされたのですが、ほぼほぼ単調でミニマルなコード進行で進み、オルガンは殆ど使われておらず、シンセもピコ音もなく、ずっと同じフレーズを弾き続けています。しかも歌詞は更に抽象的で難解になっています。実は私はこの作品のカセット”Perspective II”も持っていたのですが、 Voのミックス違いの曲”のこりギリギリ”が入っていたり、”Mercator”や”Blümcale”と言うボーナストラックが入ってました(今はカセット作品はどっかにやってしまいましたが)。メンバーは平沢進 (Vo, G)、田中靖美(Kbd), 菊池達也 (B), 田井中貞利 (Dr)ですが、このアルバムの画期的なところは、ドラムの録音を階段の踊り場でやったそうなので、ドラムの残響音が凄いです。これはドラムと歌詞の為に使ったと言っても言い過ぎではないでしょう。ここまでの変遷の内、これは「内側に開き切った」アルパムと平沢進氏は述懐しています。そして平沢進氏の盟友田中靖美氏は「アイデアが枯渇した」と言う理由でリリース後、脱退します。そんなことは別として、テクノポップからの流れで、この作品を聴くのではなく、単体で聴いて欲しいですね、因みに、私の好きは曲は”Heaven”, “Solid Air”, “のこりギリギリ”辺りですかね、皆さんはどうですか?それから、この頃のライブでは「ヘヴナイザー」と言う自作楽器(サンプラーみたいなもの)を使用しています。 https://youtu.be/aFwmh3PvZN8 #P-MODEL #Perspective #JapanRecords #Drum #Minimal #ExperimentalPop #HirasawaSusumu #TanakaYasumi #TainakaSadatoshi #KikuchiTatsuya #Lyrics
Techno pop, New Wave Japan Records 2500円Dr K2
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P-MODEL “Potpourri”
まだ続きますよぉ〜。P-MODELの「脱テクノ宣言」で生まれたサードアルバム”Potpourri”の登場です。もうジャケを見ただけで、それまでのポップさは無くなり、モノクロームで雑多な印象を与えます。それで、平沢進氏が加熱するテクノ・ポップ・ブームに危機感を覚えた為、バンド内で軋轢が生じ、ベースの秋山勝彦氏はバンドを脱退してしまいます。シンセのピコピコした音はなく、ガリの出てるオルガン(YAMAHAのYC-10だと思う)が中心になり、ギターもノイジーになってます。何曲は以前の曲調も聴かれますが、アルバム全体としては何か分からない「悪意の様な」ものを感じる。また初っ端のA-1”ジャングル・ベッド I”かインストだったり、その後の平沢進氏の感覚を歌ったA-6 ”Different=/Another”やA-7”Anothersmell”で見せる街角のフィールド録音とその加工及びヨーデルの組み合わせ。B-6 “Potpourri”の終わり方で見せる曲自体にLFOをかけるやり方とか、色んな仕掛けを試しています。ドラムもカウベルを使ったりしてるし。録音は3人で行われたので、平沢氏と田中氏がベースを弾いています。アルバム・リリース後、サポートだった菊池達也氏が正式なベースとして加入している。このアルバムは実に多面的な出来で、私はこれが1980年代前半の彼等のアルバムとしては一番好きでなんですよ。歌詞も、後の「平沢節」とも言える難解で抽象的なものになりかけている過渡期的な味わいがあるからなんです。私の聞いた噂では、平沢進氏のシンセ学校の生徒の2人組Shampooの歌詞に影響を受けたとか。謎?この頃は市川市に住んでいたので、時々、ライブを観に行ってましたね。そんな実験的ながらもポップの皮を被ったP-MODELはどうでしょう?因みにジャケ写の人々のコラージュの中に平沢進氏が写り込んいますよね?因みに私の好きな曲は”ジャングルベッド I”, “青十字”, “Marvel” “ポプリ”辺りですね。皆さんはどうですか? https://youtu.be/gbiPAjGNkeE #P-MODEL #Potpourri #WarnerBrothersRecords #脱テクノ #HirasawaSusumu #TanakaYasumi #TainkaSadatoshi #ExperimentalPop
Techno pop, New Wave Warner Brothers Records 2500円Dr K2