百工比照 加賀前田家の名宝展図録 石川県立美術館

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百工比照 加賀前田家の名宝展図録 石川県立美術館 

展示が良かったため図録購入
釘隠しなど当時の名品がずらり。見応えありました。

公式HP参照
http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/exhibition/10752/

公式チャンネル
https://youtu.be/a34n2819c80

公式から引用
特別陳列
百工比照
前田育徳会尊經閣文庫分館
2021年10月1日(金) ― 2021年10月17日(日)
概要
 前田育徳会が所蔵する重要文化財《百工比照(ひゃっこうひしょう)》については、当館においても何年かに一度展示し、五代藩主前田綱紀による「日本工芸における各種標本の集大成」と紹介されますが、これでは少しわかりづらいので、かつて漆芸作家の新村撰吉(しんむらせんきち)と漆芸研究家の郷家忠臣(ごうけただおみ)が記した文章から、《百工比照》を紹介しましょう。ふたりは「蒔絵梨子地類(まきえなしじるい)」と「色漆類(いろうるしるい)」について、詳しく紹介しています。
 「蒔絵梨子地類」は、それぞれ金・銀・錫(すず)の金属粉が蒔かれた小板が5段7列に並び、その数は187種を数えます。脇には金字で名称が記され、蒔絵粉の種別と各種技法がわかるのです。
 「たとえば『焼金中あらこいやすりこ』ということは」とその例を挙げ、「焼金」は純度の高い粉の種類をあらわし、「中」は焼金のあらさの度をいい、「あら」・「こい」は蒔いている状態を指すといいます。蒔きの状態には「こい」「中」「うす」の段階があるというのです。すでに蒔絵粉には豊富な種類があり、技法の種目が細分化されていたことに驚いています。
 そして「当時の梨子地粉は今日の平目粉の厚みに類似していて、まことに重厚感がある」とその素晴らしさを述べます。「金梨子地に刑部平目を蒔き散らした標本板はまことに当時の蒔絵の遺品によくあるようで、あたかも作品の一部を切りとってきたようである。また各種さまざまな金属粉の標本板もみごとな作品といわねばならぬ。」と、《百工比照》の魅力を語っています。

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