⑤ フィアット ウーノ・ターボ i.e.

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アルファ164は最高だったが、バブルがはじけると下取りに出さざるを得なくなり、代わりにディーラーが勧めてくれた中古車は薄いブルーメタリックのウーノ・ターボだった。164から大幅にダウンサイジングしたものの室内は意外と広く、ジウジアーロ・デザインの巧みなパッケージングを改めて思い知った。チルトアップ・ガラスルーフも機能的で、1.3リッター(SOHC)のIHI製ターボ・エンジンは必要な時だけパワーを発揮でき、却って扱いやすかった。元カノもお気に入りで、よく自分で運転して実家へ帰っていた。エアコンは効かなかったが、エンジンオイル漏れがいつの間にか収まって、ほぼノントラブルだった。子犬のように小さいから「チン」と呼んでいた。車に呼び名をつけたのは、後にも先にもウーノだけだ。

・メリキット(1/43)を塗装して、ガラスルーフはマスキングテープを貼って表現した。メタルキットなので、重量感がある。だいたいこんな色だったと思う。
・トップマルケス(1/18)はさすがによくできているが、開閉機構がない。
・フルに開閉機構があるのはレオモデル(1/24)の5ドア55Sで、ガラスルーフなのもよい。何とかこれをターボにできないか試行錯誤したが、いかんせん5ドアなので、無理がある。ネットの製作動画を真似て、ブラーゴの3ドアをターボ化したのは言うまでもない。
・ウーノの魅力はイタリア本国や南米向けに様々なボディ・バリエーションがあることで、その例がフィオリーノ(カーゴ)とドゥナ(4ドアセダン)だ。

それにしてもウーノに似ている車のプラモで何台もモドキを作って感じたのは、ウーノが何の変哲もないシンプルなデザインに見えて、実はどれとも似て非なる絶妙なバランスで成り立っている唯一無二の存在であると気づかされたことだ。それ故ノスタルジーになおさら駆り立てられ、ジウジアーロ・デザインの車が好きだったというより、好きな車の共通点がジウジアーロ・デザインだったと言える。

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