角川書店 この子の七つのお祝いに

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昭和五十六年五月二十日 初版発行
発行所 株式会社角川書店

昭和56年(1981年)に角川書店から刊行された『この子の七つのお祝いに』の単行本です。
昭和55年(1980年)に創設された横溝正史賞(現在は横溝正史ミステリ&ホラー大賞)の第一回受賞作品で、昭和57年(1982年)には松竹で増村保造監督・岩下志麻主演により映画化もされました。映画化の際は岩下志麻と根津甚八の写真を表紙に使用したノベルス版も刊行されましたが(私は当時そちらで読みました)、横溝正史賞受賞作に相応しく、どことなく『悪魔の手毬唄』を彷彿させるこちらの単行本版の装丁のほうが良いですね(イラストは福田隆義)。
巻末に横溝正史賞選考委員による選評が載っているのですが、その顔ぶれが石川喬司・大藪春彦・荻昌弘・土屋隆夫・中島河太郎と錚々たる面々。しかもこの時まだ横溝正史は存命中で、体調不良で選考会こそ欠席したものの、選考委員には名前を連ねていたんですよね。この作品の刊行から7か月後、横溝正史は逝去する訳ですが、そんなこともあって『この子の七つのお祝いに』は横溝ファンにとっても格別の思いがある作品です。

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