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富士見書房 ワイルド・コミックス 横溝正史シリーズ1 八つ墓村
昭和51年10月10日初版発行
発行/(株)富士見書房
角川書店傘下の富士見書房より刊行された、つのだじろう版の『八つ墓村』。
昭和51年10月16日に公開された角川映画『犬神家の一族』のメディアミックス戦略の一環として企画されたと思われる、つのだじろう書き下ろしによる「横溝正史シリーズ」の第一弾です。
当時、日本中にブームを巻き起こしていた探偵小説の巨匠と、心霊漫画の第一人者の取り合わせはなかなか興味深いものがありますが、ストーリーに関しては、時代背景を終戦直後から昭和50年代に、人物設定も若干変えているいるものの(金田一耕助がチョビ髭メガネのスーツ姿!)、割と原作に沿ってに進行しています。しかし、それだけにつのだ色は弱く、お得意の心霊描写は霊媒がエクトプラズムを吐き出すシーンぐらいに留まっています。(結局、このエクトプラズムの謎はうやむやのまま終わってしまいますが・・・)
おどろおどろしい怨念や情念の世界を描きながらも、基本的には論理的な探偵小説である横溝文学のコミカライズは、つのだ氏にとって扱いにくかった題材だったようで、著者のまえがきで本作を「執筆に延々4ヶ月を費やした大労作」と評しているほどです。その辺りの反省もあってか、コミカライズ第二弾『犬神家の一族』ではつのだ色が濃厚になってきます。
ところで、つのだじろう氏といえば、格闘技漫画の金字塔『空手バカ一代』の連載前半部分を手がけていたことでも知られますが、その『空手バカ一代』を途中降板したつのだ氏に代わって連載後半部分を担当したのが、昭和43年から44年にかけて週刊少年マガジン誌上で『八つ墓村』を連載した影丸譲也氏。つまり、『空手バカ一代』に関わった二人の漫画家が、奇しくも同じ題材で“競作”を果たしている訳ですね。
そんな因縁も踏まえて両者の『八つ墓村』を改めて読むと、また違った視点から楽しめたりします。
#八つ墓村 #横溝正史 #つのだじろう #金田一耕助 #富士見書房 #角川書店
8823hayabusa
2018/10/25倉敷市真備町の横溝ファンのパレードでは、金田一コスプレで歩く方が多いのですが、例のチューリップ帽にボサボサ髪(カツラ)、和装が大半です。
ですが、つのだ版の金田一の拡大コピー?を顔にはめているツワモノの方もいらっしゃいますね。
【八つ墓村】に出てくるあの邸宅・・・山の斜面に建つあの広大な『広兼邸』(岡山県高梁市)にも何度か行きました。 (嗚呼、此処で撮影したのだなァ・・・)と感慨深くなりました。
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dape_man
2018/10/25広兼邸、いつか行ってみたいです!
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