鉱脈のコアストーン 兵庫県 大山鉱山 2020-10-15

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鉱脈の根元はどんな物だろうかと、何時も考えていた。つまり、マグマの中で、どのようなシステムで、金属成分などが濃集するのかというメカニズムの過程だ。地質断面図には、マグマの天辺あたりに、ネズミの尻尾のような物が描かれているが、これは間違いないと思うけど、その根元はどうなっているかの話。
 ある大学の説では、重たい金属成分がマグマの上に集まってくるらしい。また、正マグマ鉱床というのは、重たい金属成分は、マグマの底に溜まるという。正マグマ鉱床は、そのメカニズムが取り敢えずは説明がされているが、天辺に集まるという説は説明がなされていない気がする。蒸気だからと言う話もあるようだけど、鉄の沸騰点は常圧で2862℃。

 大山鉱山は、試掘程度の零細鉱山で、採算が取れたか分らないような(多分取れていない。しかし騙された人はいるかも)、小規模で低品位の鉱石ばかり。標本になりそうな石も無かった。しかし、一つだけ、目が釘付けになった一抱え程の大きさの石が有った。以前から探していた、コアストーン型鉱石だ。つまり、マグマ全体から金属成分が一カ所に濃集した証拠の石。

 中身は全く風化はしていない。しかし、外側は粘土化してしまっている。しかも、磁硫鉄鉱を主に、黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱の微粒が、超低品位ではあるが集中しているコアストーン。これが大鉱床だと、コアストーンも巨大すぎて、全体を標本にする事は出来ない。本当に手頃な大きさだった。これ以上大きかったら持ち帰れないし、小さかったらただの石ころ。

1枚目写真は、おそらくは、この方向で胚胎していた気がする。それを二つに切ってみた。

2枚目写真は、底側の写真。流紋岩の流理を残している。

3枚目写真は、その断面。

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