ペレタ石 2020-10-11

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 とある輝安鉱鉱山の休山時、坑口にトロッコ1台分位のペルチェ鉱の鉱石が積まれていたと言う。それが、鉱山の整理の時、何処かのズリに放棄したらしいが、それが何処か分からないと言う。それが、どこかと推理すれば、もちろん、最後に出したズリの先。その辺りには、確かに、ペルチェ鉱の拳大から、人頭大の鉱石が転がっていた。放棄してから線路を外してしまったのだろう。
 それを誰も知らない時は、行くと、一つ二つ、持ち帰ってはいたが、だんだんと人に知られるようになり、今では、先ず採れなくなってしまった。割り散らかしてある鉱石片を持ち帰り、丁寧に探すと、自然金が出て来る事もある。水晶のガマを見ていたら、ちょっと、水晶とは、違和感のあるものが出てきた。それが、このペレタ石とそっくりの形をした結晶。産状と結晶の形からペレタ石に同定した。決められれば、日本新産鉱物になる。他でも、数か所で見つけてはいるが、産出量が少なく分析が出来ていない。
 写真の視野は、1枚目が径3センチ、2と3枚目が径5㎜。小さいので、余程、気を付けて観ないと分からない。

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