ばら輝石・セラン石・南部石 (rhodonite/serandite/nambulite) 田野畑鉱山 #0040

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ばら輝石は実際には準輝石に属し、バラ色に近い色合いを持ち、菱マンガン鉱等とともにマンガン鉱床に産出します。
セラン石はナトリウムとマンガンのイノ珪酸塩鉱物で、ソーダ珪灰石のカルシウムの大半がマンガンに置き換わったものに当たり、ソーダ珪灰石との間に連続固溶体を形成します。色は透明~不透明、淡赤~淡橙~橙色、淡褐色で、独特のサーモンピンク色は主成分であるマンガンイオンによるものです。
南部石は、1972(昭和47年)に発表された新鉱物で、東北大学の鉱物学者であった南部松夫の業績をたたえて命名されました。ばら輝石やパイロクスマンガン石に似ていますが、橙色味が強く、条痕色も黄橙色味があります。

田野畑鉱山は1926年(大正15年)頃から稼働し1973年(昭和48年)に閉山した鉱山で、マンガン鉱石を採掘していました。昭和30年代前半の最盛期には年間1,000トンを超える精鉱が生産されていたとの記録が残っています。閉山後のズリの中などから鈴木石をはじめとする新種の鉱物(新鉱物)や稀産の鉱物が多数発見され、鉱物ファンには著名な存在です。

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