錫石 (cassiterite) 大谷鉱山 繁恵坑前の谷 #0642

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大谷鉱山の中でも多種類の鉱物を産した繁恵坑下の神前方面に流れる谷川の砂礫から、このような錫石の結晶が採集されます。(背景はソフトウエア処理しています。)

大谷鉱山は白亜紀の花崗岩体中の割目を充填した錫・タングステン・石英鉱脈で、大正年間から昭和後期にかけて主に灰重石を採掘し、その他、銅、錫などを精鉱として生産していました。1935年(昭和10年)に粟村鉱業所株式会社となり、1939年(昭和14年)に日本で初めて浮遊選鉱(石鹸浮選)を採用、1945年(昭和22年)終戦に伴い一時操業を停止しましたが、1951年(昭和26年)に選鉱場を大規模に再構築し本格的に操業を再開しました。特にタングステンの産出量は国内でも最大級でしたが、国際価格の下落などにより経営が悪化、1983年(昭和58年)に閉山しました。

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