方鉛鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱 (galena/chalcopyrite/sphalerite) 中竜鉱山 #0653A

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中竜鉱山の主要鉱物であった方鉛鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱が混在する標本です。(1~5枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

中竜(なかたつ)鉱山は中温熱水スカルン鉱床で、銀、銅、鉛、亜鉛等を産し、古くは鎌倉時代の寛元年間(1243年~1247年)に、京都大原より移住してきた武士が銀鉱脈を発見したという伝承があります。明治以降採掘と休山が何度か繰り返されましたが、1926年(大正15年)に藤田組の調査の下、横浜の中村房次郎氏と鉱区所有者竜田哲太郎氏が協議し8年間採鉱を続け、中村の中と竜田の竜を採って「中竜」と名付けたと云われています。1934年(昭和9年)に日本亜鉛鉱業(株)が設立され、中村氏、竜田氏、三井鉱山の出資の元で中竜鉱山が発足、1941年(昭和16年)三井鉱山に経営を委任、亜鉛鉱山として発展しましたが、不況と円高の影響で1987年(昭和62年)に閉山しました。鉱山跡地は専用バスで坑道や採掘現場を巡ることのできるアドベンチャーランド中竜として再利用されましたが、同施設も2006年に休業しました。

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