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モーツアルト 弦楽四重奏曲第14番・第15番 ウイーンアルバンベルク弦楽四重奏団
モーツアルト/弦楽四重奏曲第14番ト長調.387『春』 第1楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ アッサイ 第2楽章 メヌエット:アレグロ 第3楽章 アンダンテ・カンタービレ 第4楽章 モルト アレグロ モーツアルト/弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421 第1楽章 アレグロ・モデラート 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 メヌエット:アレグレット-トリオ 第4楽章 アレグレット・マ・ノン・トロッポ ウィーン音楽大学の4人の教授たちが集まって結成されたアルバンベルクSQのモーツアルトは単発のアナログレコードを足立区の公文図書館で借りてきてカセットにダビングして聴いていた。CDはずっと後からだったと記憶している。 ベートーヴェン以前の形式として弦楽四重奏曲を完成させたのはハイドンだけれど、モーツァルトはそれを受け継ぎ、さらに独自の実験的創造をこの分野で追求している。 彼のこの曲の自筆譜にはあまり彼には見られない多くの書き直しの跡があり、モーツアルトの産みの苦しみを珍しくも見ることが出来る。 根源はハイドンに求め、彼はその完成者に敬意を表し、第14番からスタートとした6曲をハイドンに捧げた。 世に言う『ハイドン・セット』である。 アルバンベルクSQは現代的な美意識の中に特有の優雅さがあって、初期のラサールSQのようなシャープさを薄絹に包んだ頂な音楽の流れがいい。 曲自体への個人的な諸々はLabに書きたい。
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BlogCats-33 エリザベス メインクーン種
ギルバート明子さんちの娘ッ子 F・エリザベス嬢(通称ベス) 原画作成 2010.11.06 大きさ 1058×1192pix サイズ:4.81MB ファイル:tif 解像度 350dpi 当時、出張と研修旅行なんかで女房子供に恨まれながら沖縄に行く直前にブログにあげた記憶があります。 正確にはギルバート明子さんちのタバサママの娘さん。 娘さんはどちらかというとクライマーという名のパパ似だね。 父さんはこの絵を描いたころは一度しかお目にかかっていない。でも、紹介されているとおりホントにそっくりだった。 で、育ちのいい漫才師の掛け合いみたいなママとの会話が何となくその風貌と体格に合っていておかしい。 目の縁を彩るパステルカラーはクーガーみたいで大山猫の風貌に数代かけて貴族に登り詰めたような風格がある。 体が大きいから鷹揚な雰囲気が漂うけど、これは飼い主さんの個性だろうねえ。 もっともメインクーンの性格は穏やかで親和的だけど、その中に育ちの良さというか猫品が醸し出されていてしっかり自分の世界を纏っている。 メインクーンの異名はジェントルジャイアント。 優しい巨人ですね。 優しいけど抱っこされることはあまり好まないとか書いてあるのを見たことがある。 でも、10キロ近くになるようなこの猫さんを抱っこして平気でいられるのはやはり体格的に釣り合っている欧米人なのかも知れンね。 生まれの米国のメイン州の寒さに耐えられるいでたちです。 音楽はSir エドワード・エルガーのエニグマ変奏曲から「ニムロッド』 https://youtu.be/_8NOVGHJmRs?si=5lcfYDyNRmPzXhx- この厳粛な音楽はエリザベス女王の葬儀の際にも流れていました。古きイングランドの魂のような音楽です。
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コエロフィシス・バウㇼ :成体から幼体迄多くの標本がそろっている恐竜初期段階の代表
Musseoはサイバー攻撃にでもあったのか、最近とても不安定ですね。今日はいいかなと思って展示再開。 初心に帰って三畳紀後期の古き小型恐竜 一番最初にオファーを受けたBBC放送では一番最後の画像のように、他の竜盤類(恥骨が前か下を向いていて骨盤がトカゲ型をしている)の他の二足歩行(典型はティラノサウルス)の先駆者であったということから絵のように下向きに極端に恥骨を強調した画像を描いていた。グレゴリー・ポール(恐竜学者)などの影響だね。 アドビに展示した前作の頃には3メートル以下の獣脚類には基本的に体毛を描くことを始めたので骨格標本に肉付けした図録形式をとっていた。この頃やっとあんまり拘らなくなった。 この小型恐竜のはるか先には白亜紀後期に進化の頂点に達したティラノサウルスがいる。 三畳紀の粘土質の土壌に守られ、多くの成体から幼体迄の化石が発見されている。 地球はそれから何度もリセットし、新たな系統の生物の発生と発達を繰り返してきた。 今回はどうだろうか?氷河期の間氷期にある現代はこれから徐々に冷えて行く、その前の意天変地異を太古のようにクリアして文明の繁栄が新たなステージに入って行けるのか? 過去の再生と違うことが一つだけある。 我々人類は原子力という反自然的な技術を持ってしまったということだ。 コエロフィシス・バウㇼ(Coerophysis.baulli) 2025.2.23作画 5000×2900pix 41.5MB(tif) Adbestock(png) 320dpi Musseo展示サイズ5分の1
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BlogCats-32 ミル =miru
原作成:2010.03.18 サイズ 1456×1166pix 解像度 350dpi ファイルtif 4.86MB 長く細い耳。 エキゾチックな顔立ちを纏める翡翠カラーの濃淡が美しい瞳。 セロ弾きのゴーシュや宮崎駿さんが描く猫『耳をすませば』のバロンのようなミステリアスな雰囲気を持っている。 あくまでも雰囲気だけみたいだけど… 当時の彼女は プチプチ梱包材のシートにニギュッと伸ばした爪を食い込ませ、そこをつかまえられて爪を切られる写真が紹介されたりしていてその辺りはミステリアスな面影はない。 でも、黙ってそこに座っていれば実に絵になる。 実際にはそうはいかない。生きてるんだから。 ブルー系の猫を書くのは二度目、まだ展示はしてないし、種類はよくわからないけれど、単色の猫は白くても黒くてもグレイでも、独特のオーラを持っている。 種の固定とは異なる次元での美しさもあることを忘れない。 音楽は シベリウス 13の小品op.76-7 『愛をこめて』アフェットォーソAffettuoso https://youtu.be/zPOC_nsaLJc?si=NUnCLdAE4NzbFK3q
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ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲1・2他 2組のデュオ
特徴の違う2曲の組曲を2組のデュオで展示。好きな順番で ラフマニノフ/2台のピアノのための組曲第1番OP.5 第2番op.17 何も2台pianoのための楽曲の魅力をラフマニノフで書かなくてもと思いつつ、つい、やってしまった。 大きく分けて協調型と対決型に勝手に分けたりするんだけど、両極端な演奏があるのでついつい2台で演奏というとブラームスやドヴォルザーク、チャイコフスキーやシューベルトよりもラフマニノフに行ってしまう。 第2組曲は対決型で聴きたいね。 第1曲ラ・マルティア https://youtu.be/WJMTlUcl7OU?si=74Y3VBpE3ABDthYk 第2曲ワルツ 第3曲ロマンス-アンダンティーノ 第4曲プレスト-タランテラ 曲の流れが火花を求めている。 こんなものだと思って聴いていた作品がマルタ・アルゲリッチとネルソン・フレイレの演奏でぶっ飛んだ。 調和の中でも十分魅力的な旋律に溢れ、体が動くようだと思いつつ聴いていた。 アシュケナージと才人プレヴィンの演奏は協調性の典型で暖かい音色と抒情の優しさが素晴らしいと思った。 でも、アルゲリッチとフレイレの演奏は厳しく火の出るようなパッションに貫かれていて、「ああ、やっぱりこの曲はこうなんだ」と思わせてくれる。一期一会の緊張感が凄い。 アルゲリッチはこのデュオでは第1番が合いそうもないのを知っていたのか、取り上げてないけど、ラヴェルのラ・ヴァルスを替わりに入れてる。これが凄い! 第1曲は対決型では処理できないいわばロシアのナハトムジーク(夜の歌)です。 これはもう、アシュケナージとプレヴィンが作り出すダイナミックレンジと濡れたような抒情の横溢に浸れます。 この第1組曲がまだ独奏用のピアノ曲だった時、老チャイコフスキーがこの曲のノスタルジーに強く惹かれ、ラフマニノフにしきりに弾いてきかせろとせがんだそうです。 2台のピアノ用に完成する前にチャイコフスキーはこの世を去り、完成した作品を耳にすることはできなかったでしょうが、ラフマニノフの超絶的な演奏技術がこのような緩やかな抒情の奔流の中で悠然と発揮されていた、その様子を老チャイコフスキーは目を閉じて何度も聴いたことでしょう。 一曲目のバルカローレから第4曲のロシアの復活祭まで『これでもか』というノスタルジーでびしょぬれ。 第1曲バルカローレ 第2曲愛の夜 第3曲涙 https://youtu.be/i4qAfuwCFP8?si=RRVpoWzYBPHaBB8R 第4曲ロシアの復活祭 二つの個性を持った第1と第2組曲どっちが好みかな。
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モササウルス ピンからキリまでのキリ
モササウルスは約7000万~6,600万年前、後期白亜紀の海の頂点捕食者でした。以前は四足が鰭化したワニのように描かれたが、21世紀になってからは研究の深化により、サメ類、魚竜類、鯨類と同様に平行進化した結果での収斂した姿に復元されるようになった。 モササウルスは2m程度の小さなものから最大種には17mと推定されるものまで多くの固有種を含んでいる。 その中でも属名をモササウルスとされるものの最大種は模式種であるホフマニ(M.hoffmanni)でしょうね。 ジュラシックパークでシャチのジャンプをモデルにしていた巨大な奴はおそらくティロサウルスのような大型種だと勝手に想像している。あのシリーズは誇張が多いけど、こいつらだけは底が知れない。ホフマニは12mくらいだけど、それでもデカいね。 モササウルスの頭骨は短い円錐形の先端部に向かって細くなり、顎には巨大な円錐形の歯が並んだ。ヒレ状の前肢には5本、後肢には4本の指が存在した。尾は強靭で、サメや魚竜にも似た二股の尾ビレが存在したことが他のモササウルス科の化石から示唆されている。 現在の哺乳類と同じく肋骨が腹部にはなく胸を覆うだけになっていることが胎生を行なっていた証拠だとされる。 貝を主食にするゴルビデンスのような可愛いのもいるけどね。https://muuseo.com/Mineosaurus/items/87?theme_id=43263 こいつと同じくらいの大きさだけど、より重量感があるモササウルスはここに展示してあります。https://muuseo.com/Mineosaurus/items/135?theme_id=43263 この作品はライセンス販売してるけれど、白の縞模様を入れたこのリメイクはまだ未発表。 原画:2021.11.28 4000×2000pix 30.5MB(tif) 320dpi
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BlogCats-31 Akanya (アカニャ)
この猫の飼い主は確かバンコクにいらっしゃったと記憶している。 ブログのタイトルを見るとご本人は『猫顔』とのことだが、それって顔のどの辺のつくりで決まるんだろうね。 まあ、飼い主さんのご尊顔は配したことないからなんともいえませぬ。 このスコティッシュは『アカニャ』君というそうです。 他の写真も拝見しましたが、なかなか凛々しいスコさんです。 シマさんという母猫はグレイが勝った縞猫で、彼女の第2子が『アカニャン』らしい。母猫の母もいたんだそうでアカニャンが生後23日くらいまで彼の世話をしてたんだと? うう…わからなくなってきた 『チャニャ』という猫は誰の4男か?婆さんか?シマさんか? そもそも、『アカニャン』は正式な名前だったんだろうか。赤ちゃん猫のことだったりして… そうすると『チャニャ』というのは茶色のにゃんこという意味か? まあ、とにかく、このスコにゃんは奇麗で素敵な目の色をしていました。 作画:2014年11月5日 888×888pix 300dpi 3.05 MB (3,201,392 バイト)tif 音楽はエルガーの小品叙情的なセレナーデ フィンジィやディーリアス、このエルガーにもある田園の音楽、その生活がヘインズ・キングの描いた田舎の風景を映し出している。これだけやってくれると、見てるだけで和む。タイトルもしらない絵がいくつもあった。彼の描くビクトリア朝の頃の田舎の風景は好きです。 この音楽を紹介した方はイギリス人なんだろうね、きっと。 崩れて補修されていない石垣の上で毛子が顔を洗っている風景がいくつも見えてくる。多分その時代にはスコティッシュ・フォールドはいなかったかもしれないけど。 https://youtu.be/uRTFNFazrjg?si=Ts7XmiOmllRs9cka
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ヴェートーヴェン/後期ピアノソナタ集 28番~32番までの5曲 マウリッツィオ・ポッリーニ
ポッリーニはこの後期の曲の録音からベートーヴェンのピアノソナタの全集を始めた。音楽もここまでくると、誰が弾いたからどうだというようなレベルではない。ただ、ショパンコンクルールでアシュケナージと1位を分けて以降、10年間彼は録音をしなかった。そしていきなり出たのがストラヴィンスキーの『組曲ペトリューシュカからの3楽章』だった。 物凄い演奏だった。アポロ的でアルカイックな彼のピアノのソノリティはショパンのエチュードをロマンティックな部分を削ぎ落したマッシヴな音楽として聴かせてくれた。ショパンをあまり聴かないボクの耳を引っぱって『聴いてみろ』と言わんばかりだった。 そしてこのベートーヴェンが出た時は作曲者の顔を浮かべることなく、唯々、その鳴りきったピアノと深く何処までも濁りのない世界を見せてくれたと思う。 特に第29番の第3楽章の長大なラルゴ/アレグロマエストーソの心の隅々まで真っ白な陽光に染まってゆくような演奏。その集中力が長大な緩徐楽章を支え切った終楽章のフーガの見事さ。 ここから彼は長い年月をかけて最後の5曲をのぞくベートーヴェンを録音し始めたが、そこにはイタリア人後の中に流れるカンタービレを聴かせるゆとりも出てきた。ただ、技術的にはここからバルトークまでがピークだったのではないかとぼくは思っている。 申し訳ないが、年を取ってくるにしたがって聴き手のボクの方もそれなりに根元が緩んできて、あの頃の集中力はない。 このCDは素晴らしい。特に第29番は。 https://youtu.be/qX6WFwQ2PnE?si=6yYgFZ_x__87MBbi
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BlogCats-30 桃之助
にゃんこ先生というブログネームの飼主さんと暮らしていた桃之助君(通称ももちゃん) 今から11年くらい前にブログで見かけて気になっていた。どこと言って模様的には牛柄八割れのよくあるパターンなのだが、全体的に面立ちが”猫”というよりちょっとヒト型の配置に見える。 鼻筋が広く、顎が細く、全体が前にせり出しているようで、正面から見ると目の位置が他の猫さんと比べて左右に離れているような気がする。 なんか、猫の神様が目の位置を決めようとしているときに、後ろから声をかけられ、振り向いた拍子に位置がずれたような… 額の牛柄がこういう柄行だときつい目がきりりと締まった男前や美猫を創るんだけど、(例えばBlog Cats-2 エル君が典型だね。)この桃之助君は風貌が歌舞伎の女形を思わせる独特のしながある。 デッサンの段階でなかなか似てくれない。輪郭はきっちり取れてるんだけど、色を加えると雰囲気が変わってしまう。自分の中に猫らしくないという印象を拒む部分があって、こいつが邪魔してる。それと、強いていうならば素材に使用した写真が小さいので目の色の感じがよくわからなかったのも技術的な問題でした。ちょっと試行錯誤の時間が長かったということですか。 結局金色の上から青緑を薄く重ねるというやり方でクリアいたしました。 この辺はあまり本職の方の参考にはならんね。 恐竜っていうのは目が小さいから。小型のものは結構とりのように大きいけれど。 何度かやり直してこういう風になりました。 音楽ですが、イギリスの作曲家でとても気に入っている静かな音楽を書く人ですが、ジェラルド・フィンジのクラリネットのための5つのバガテルOp.23から第2曲のロマンスを。 この静かなる英国紳士はあまり激昂しません。 いつも薔薇の根っこで創ったパイプの紫煙に包まれていて、ヘリン・ボーンのハリソンのツィードがしっくりと馴染んだ柔和な男です。 こういう人が一度決意するとその不退転には誰もが圧倒されるものですが、彼の書いた音楽には彼の日常が映っていて、激することのない普通の美しさが実に居心地のよい場所を用意してくれます。 https://youtu.be/_ME8Fk96ADs?si=2XItzRonTqgB7UcE
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ゴルゴサウルス :アルバートサウルスの極めて近縁種と見るか?ジュニア・シノニムか?
白亜紀後期の北米大陸にはご存知最大の肉食恐竜であったティラノサウルスの眷属が繁栄していたが。、この恐竜はティラノサウルスとは最も縁遠いアルバートサウルスの極めて近い種族と考えられている。 ただ、産地はアルバートサウルスで有名なカナダのアルバータ州であり、その外見はアルバートサウルスとほとんど違いはない。アルバートサウルスの化石の産出数と比較しても極小であり、アメリカのモンタナ州からもそれらしいものが出ているが、明確ではない。 アルバートサウルスとの相違点は、当然化石として残っている骨を研究して導き出されるものだが、その相違の断定は古生物学者を悩ます。違いといっても、頭骨の一部と歯に認められる僅かな差異である。生息環境が似通っていて体格も近しい。これがトリロバイトのような外見上のヴァリエーションが視覚的に研究できるようなデータがあれば別だが、個体変異ととらえるか、同一種族の中の成長の過程の一時期に顕れるものとしてとらえるか、まず、同じものであるとういう結論から論証するか、異なるという信念で微差な差異を説得力のあるものとして展開できるか、学者の立ち位置によって違いが生まれる。 数年前まではボクはアルバートサウルスのシノニムであるという立場であって、画像として仕上げたものを一目見て異なるものとして提示できる自信がなかったし、今もそれはない。 でも、名前に惹かれるんだよね。強いて言えばそれだけで描いたようなものだ。 原画作成 2024.02.01 サイズ 5000×2500pix 35.8MB(tifファイル) ライセンス販売 pngファイル adbestock/Pixta
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BlogCats-29 Ran(蘭)
こういう種類があるわけじゃないんだろうけれど、飼い主さんはご自身のブログの中で『スモークさび猫』とおっしゃっていた記憶があります。 言い得て妙。 実に楽しく、シックな毛並みなのですが、ちょっと彩色がうまくいかない。 毛並みに目を奪われていると雰囲気全体のバランスが悪くなるので、結構手を焼いた記憶があります。古生物を描く隙間の気分転換で、時間の制約があるので仕上がりがいつもアバウト。 ホントは前脚まで入れたかったのですが、写真を見ながらの構図の限界でした。この『蘭ちゃ』(呼び方が蘭茶なのか…)の左前脚は他の体色とは違っていて、スモークする前のような色具合で、神様が念入りに塗っていてふと用事を思い出してそのまんま仕上げずに忘れてしまったのか、それとも、履かせるソックスを左前脚だけ間違ったのか… 非常に特徴的な毛皮でした。 この間展示した『もか=Moca』もそうですが、こういう色合いの猫は多くのヴァリエーションを持っていて、うれしいことにたくさんの方に飼われていたりします。 こういう猫ちゃんを描いていると生き物の多様な色彩と種の生き方の違いを考えさせられますね。 人と共存ししてゆく動物は多かれ少なかれ、人の感性を反映させた体型や色を発達させてゆきます。 それは猫自身がそうしようと思ったものではないでしょう。 犬にも猫にも様々な種類が登場し、今も世代の定着を認定され、新たな種類の猫や犬が生まれてきます。 そういう人間側のダイナミズから一端ドロップアウトして、再び自分たちで存在をアピールしはじめる猫達の中に、『蘭ちゃ』や『もか』のようにもう一つの種の流れを静かに主張しはじめるものが生まれているようです。 ペットショップにはいないけれど、偶然が生むこの体色のシックな主張は人為ではいかんともし難い混沌の中で汲み出される宝です。 チラリと覗く牙の先端に鞘に収まりきれない野性があるみたい。 https://youtu.be/97MaExxbCjo?si=bn55gNwJr9wnMWv0 音楽はエリック=サティのジムノペディ第1番 たくさんのピアニストが弾いているけれど、この曲だったら高橋アキさんよりボクはお兄さんの裕司さんの方がしっくりくる。 ジムノペディは古代ギリシャの神々を湛える酒宴のエクストラガンツァ(どんちゃん騒ぎ)を意味する言葉ギュムノパイディアからきているらしい。 サティのこの曲はその宴の後の寂寥を感じる。 大理石の石段のあちこちに酔っ払った人々が転がっており、おお鼾で眠りこけているその隙間を音もなく猫がその愚かな肉の塊をスルスルとよけながら降りてくる。 表情には呆れた顔も怒りもなくて、彼は噴水の受け皿に背を伸ばし、赤い舌でひっそりと水を飲む。 そんな、感じだな。
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The Sibelius Edition CHAMBER Music Ⅱ
シベリウスの室内楽全集のⅡ 1975年シベリウスが9歳の時のVattendroppar(水滴)から始まる。どういう基準で並べているのかわからないが、 新たに発見されえた作品も含めて、最初期から中期、最も新しいもので1917年あたりまで。新たに発見されたものはサック億年代推定があるみたいだが、どうでもよろしい。シベリウス以外の何者でもない。 彼のピアノ曲に聴ける空気感と同じものがある。 Ⅰに入れられなかったものが全部入ってると言った方がいいのかもしれない。celloの作品はこの全集の5枚目に集められている。https://muuseo.com/Mineosaurus/items/493?theme_id=43332 5枚組のCD.とBiography一冊。いくつかの言語に訳されているが、日本語はない。 Disc3に収録されているピアノ五重奏曲ト短調JS159(1890) の 第1楽章 グラーヴェ-アレグロを https://youtu.be/cz-JhUmaqcE?si=sDswy4davq-7rN1i 全曲はここで聴けるようです。 https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kjQ_cKeLoO53QBFyYAkM07zx_a9AUtUPA
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The Sibelius Edition CHAMBER Music Ⅰ
ヤン・シベリウスの膨大な室内楽 その子供時代の作曲から未発表の一部、等、ありとあらゆる室内楽曲が網羅されている。弦楽四重奏曲がメインとなっているこのMUSICⅠはピアノ三重奏曲・四重奏曲を集めた6枚のディスク。 シンフォニストであった彼の作曲家としてのエッセンスは室内楽にたくさんのインスピレーションがある。 サンプルに一曲だけ選ぶのも厳しい。さすがのYoutubeにピアノトリオの第2楽章しか紹介されていない。 現在では弦楽合奏にティンパニーが入る形の演奏が主流であり、弦楽四重奏曲としての原曲のシンプルな魅力があまり聞かれない 名曲『アンダンテ・フェスティヴォ』もこのアルバムでは原曲の室内楽としての作品として録音されている。 この曲はサイナトゥサロ製作所からの自社の25周年の祝賀会のために1922年に書かれている。その祝賀会の記念の冊子にはこの曲の総譜が印刷されていた。 この曲には例えばブラームスのような明るい祝典の発想はなく、儀式としての様式の中に宗教的な清廉さが感じられる。曲の最後はト長調の『アーメン』のピリオドとなる。 弦楽四重奏曲での照会は別の音源になるが、こんな風ですね。アラブ系のSQですが冷えた北の空気が感じられます。 https://youtu.be/JJjWSi1EE8M?si=LPr7z3xh4gqAb7vq
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BlogCats -28 白美(しろみ)お義姉さん
妖艶。このポーズそのままの写真の存在感が凄かった。特にこの切れ長で斜めに開きかけた半眼の猫立ちのポーズはなかなかの色気。 犬属は基本的にやらない半眼。 出来たとしてもどうしても人との関係上媚びがみえる。狼にはそれがない。 対象を見つめ黒目に信頼と敬愛を載せて訴えかけるのに声を添える。 猫は猫なで声を出すけれど、基本的に半眼の時はやらない。(ふつう眠いからようやく目を半分開けてるときもあるけれどね。) 薄目を開けて様子を見るのではなく、今まで観ていた対象をふと別の気分で眺める時の目つき。 客観性が目に宿る。(次に大あくびをするかも知れないけれどね。) 白猫がやると特有の妖しげな雰囲気を感じる。 目の色は金色がかった緑。 いーねえ。 よっ!お姉さん。 2010.07.30作画 924×942pix 3.32MB tif(pngに変換して展示) 音楽はアレクサンドル・スクリャービンの左手のための2つの小品の第2曲ノクターン作品9-2です。 スクリャービンが1894年にモスクワ音楽院を卒業し、ピアニストとして活動し始めた頃に書かれている。これは在学中の右手の故障によってその後に書かれたものとされていて、例の右手を第一次大戦で失った隻腕のピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱によるものではないみたい。 弾いているワイセンベルクは両手で弾けるテクニカルで、キレッキレのピアニストですが、どのピアニストもやるように右手はだらりと下げたまま、重音の連続も即興的な右手のパートも左手のみでやすやすと弾き切っています。 https://youtu.be/PJ57eF_D4qA?si=HlCV4hStIDiDV8Qf
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コンカヴェナトル 駱駝のような瘤があったかも…
コンカヴェナトル :Concavenator corcovatus この奇妙なカルカロドントサウルスの仲間はペインのカスティーリャ・ラ・マンチャの白亜紀前期の地層から発見された。コンカヴェナトル・コルコヴァトゥスという正式な学名を持つただ一つの模式種のみである。日本語風になると『クエンカ県の背中に瘤のある簒奪者』という意味らしい。中型の(6m程度の)肉食とされる。 最大の特徴は腰に位置する2本の脊椎の神経刺が異様に高くなっていることである。これが背中に尖った隆条を形作っていたと推測される。このような構造は他の獣脚類では一切知られていない。しかもこの恐竜の尺骨には小さな瘤状の突起がいくつか見られ、これは現代の鳥類の羽軸を支える骨に見られる構造であることから、コンカヴェナトルの前腕には何かしらの特殊化した表皮系(要するに羽生のようなもの)が存在していたことが示唆されているさて、この瘤だが一部の学者は温度調節の役割を持っていたのではないかという。ボクのイメージは現代のヒトコブラクダのイメージです。 2018年に描いたこの恐竜によって私は長く遠ざかっていた古生物画像の世界に戻ってくることとなりました。離れていた間に様々な学説が過去のものとなり、新たな発見や見直しが行われていました。まさに、浦島太郎状態であったことを思い出します。 作画 2018.10.29 4500×2500pix 4.39MB (png)320dpi ライセンス販売 Adobestock Pixta
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