Louis Armstrong / What A Wonderful World (cw Cabaret) (US, ABC Records, 45-10982) <October 18, 1967>

Louis Armstrong / What A Wonderful World <cw> Cabaret (US, ABC Records, 45-10982) <October18, 1967>
(What A Wonderful World) ABC 45 14207
(Cabaret) ABC 45 14209

『この素晴らしき世界』の邦題で知られるこの曲は、プロデューサーBob Thieleがベトナム戦争を憂いて書いた曲とされています（通説です；亡くなる直前の回顧録"What A Wonderful World"は未読です）。

この曲は世界中で愛されている曲だと思いますし、個人的にも素晴らしい曲だと思っています。ですが、この曲は最初にトニー・ベネットに打診され却下されていますし（真偽不明）、経営者がこの曲を嫌ったためプロモーションを行わず、当時のアメリカではチャート最高116位、Wikiによると「1000枚も売れなかった」そうです（1000枚以下でチャートに載るのか？）。

録音時のエピソードは、なかなか面白いです。当時Louis ArmstrongはABC Recordsと契約した直後でしたが、録音スタジオに現れた経営者のLarry Newtonは1964年のKapp Recordsからリリースして大ヒットした"Hello, Dolly !" の再現を期待していたためセッションを中断させようとしたそうですし（逆にスタジオから追い出されたそうです。経営者を追い出したのって誰だろう・・・？？）、またスタジオの近隣の線路を通る貨物列車の汽笛の音に邪魔されて何度も録音中断を余儀なくされたそうです。邪魔が入ったため長時間にわたりオーケストラを使ったおかげで、結局Louis Armstrongが受け取ったギャラは250ドルにすぎなかったといわれています。

Louis Armstrongは70歳記念で作成した"Louis Armstrong And His Friends"発表前、1971年7月6日に69歳で亡くなりました（今日は命日です）。遺作になったこのアルバムは、What A Wonderful Worldの再録音やJohn Lennonの"Give Peace A Chance"などが収録されています。入手困難でしたが、2017年に初めて日本盤CDが出ました。録音には、こんな企画を嫌いそうなイメージのMiles Davisが参加しています。MilesがLouis Armstrongを尊敬していたのは有名な話で、自伝でも何度か触れていて、こんなコメントを残しています。「当時のトーク・ショーは、ルイ・アームストロングみたいに愛想笑いを振りまいて道化をやらない限り、黒人は出さなかった。サッチモみたいにやると受けるんだ。俺はルイのトランペットは大好きだったが、疲れた白人連中に取り入るために笑うことなんか、できなかったし、大嫌いだった。ルイはヒップだったし、黒人としての意識もあった。それに本当に良い人だったから、テレビやステージであんなことをする彼を見るのは、たまらなかった。」

I see trees of green, red roses too
I see them bloom, for me and you
And I think to myself
What a wonderful world

I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed days, the dark sacred nights
And I think to myself
What a wonderful world

The colors of the rainbow
So pretty in the sky
Are also on the faces
Of people going by
I see friends shaking hands, saying how do you do
They're really saying, I love you

I hear babies cry, I watch them grow
They'll learn much more
Than I'll ever know
And I think to myself
What a wonderful world
Yes, I think to myself
What a wonderful world

オリジナル：歌詞付き
https://www.youtube.com/watch?v=A3yCcXgbKrE

1967年；TV出演時の演奏
https://www.youtube.com/watch?v=CWzrABouyeE

Jon Batiste - What A Wonderful World
https://www.youtube.com/watch?v=9542BuRJq6k

http://jazzclub-overseas.com/blog/tamae/category/entry_basename/

Tony Bennet & K. D. Lang
https://www.youtube.com/watch?v=gU8CDn9QJZM
長男が産まれそうだという連絡を受けて病院に向かう車の中で偶然にこの曲（トニー・ベネット版）が流れたことが忘れられません。