- A Hot Wheels addict Museum
- 12F Postage Stamps with Special Postmark 1989
- 【1989/05/12】奥の細道シリーズ第10集郵便切手
【1989/05/12】奥の細道シリーズ第10集郵便切手
奥の細道シリーズ第10集として、平成元年5月12日(金)に62円郵便切手(2種連刷)が発行されます。
「さびしさやすまにかちたる浜の秋」
芭蕉は陰暦8月16日(陽暦9月29日)に、敦賀湾の北西部にある色ヶ浜に遊びました。「浜はわづかなる海士の小家にて、佗しき法花寺あり。爰に茶を飲、酒をあたためて、夕ぐれのさびしさ感に堪たり」でした。この句はそのときの感銘をのちに思い起こして詠んだものです。須磨は「源氏物語」に「またなくあはれなるものはかかる所の秋なりけり」とあり、古来さびしい秋の情趣の地として有名でした。
「蛤のふたみに別行秋ぞ」
芭蕉は陰暦8月20日過ぎに大垣に着き、そこで『おくのほそ道』の旅は終わった。しかし、漂泊の人芭蕉はさらに旅を続けます。この句は大垣の人々への別れの句でもあり、『おくのほそ道』の結びの句でもあります。大意は「蛤の蓋と身が離れにくいように、私にとって別れがたい大垣の人々だが、ここに別れて私は伊勢の二見が浦を見に行く。折から季節も秋が行こうとしており、別れのさびしさが一層身にしみて感じられることだ。」です。
画「浜の秋」は、日本画家田渕俊夫氏が「さびしさや・・・」の句、画「蛤」は、日本画家大野俶嵩氏が「蛤の・・・」の句からそれぞれ受けた印象を独自のイメージで描いたものです。
書「浜の秋・・・」は、書家宮本竹逕氏の筆によるもので、氏は、日展理事、書「蛤の・・・」は、書家青山杉雨氏の筆によるもので、氏は、芸術院会員で日展常任理事です。