岡崎橋 箱場印
初版 2022/11/04 23:59
改訂 2022/11/06 20:50
岡崎橋の箱場印は「岡」の一文字で、丸枠付きの若干小ぶりの印です。大阪の箱場印の中では珍しい部類(「摂河泉の郵便印」のリストでは二番目に珍しい「RR」評価)のようで、私もこの一例しか所有しておりません。印色としては緑色に加えて朱色が知られているようですが、ごくごく珍しいようです。
ここに示したものは和紙2銭黄切手が貼られた書状に緑色(青緑に近い?)で押された例ですが、手彫切手のエンタイアとしては切手の状態が悪く(裏側にかけて折られて貼ってある)、封筒そのものも虫食い穴や日焼けがあって二級品以下かと思いますが、青緑色の「岡」箱場印と和紙2銭黄色切手とのコントラストが気に入っている一品です。
ちなみに「岡」箱場印が押されているところから下に向かって書かれている文字のうち、「大阪」の上に書かれている崩し字は「よ」と「り」を組み合わせた合字で、そのまま「より」と読んで、手紙の起点(=差し出した場所)を表すためによく使われるものです(なんとフォントもありました!「ゟ」ですが、OSやブラウザによっては表示できないかも知れません)。
この例では「より大阪」=大阪から差し出しました、という意味です。明治初期のはがきや書状では良く見かける崩し字です。
岡崎橋は現在でも大阪市西区、あみだ池筋と172号線の交わる交差点の名前として残っています。すぐそばの靭公園の近くにはバス停もあります。
大阪市内で車を運転していたり、バスに乗っている折に、箱場印で覚えた地名に出会えるとなんか得をした気分になりますが、これぞまさに病膏肓に入るというモードなのでしょうか…
利右衛門
2022/11/05 - 編集済み「より」の合体文字、面白いですね。
当時は普通に皆使っていたからこそ、フォントとして今も残ってるんですね
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unechan
2022/11/06このフォント、崩し字を判読して書き下している文書でも多用されているのでフォントとして残っているのでしょうね。発見したときは感激いたしました!
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