羊男のクリスマス/村上春樹

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1985年11月25日発行

68ページからなる絵本。絵を担当した佐々木マキは、本作品以前に「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」、「カンガルー日和」のイラストを担当。この作品では、各ページの見開き右側に村上春樹の文、左側に佐々木マキの絵があり、物語形式の文章構成になっています。

あらすじ
ある暑い夏の日、羊男は「聖羊祭日までにクリスマスソングを作曲する」お仕事を依頼されます。喜んで引き受けた羊男ですが、9月になっても11月になっても全く曲をつくれません。困った羊男は羊博士に相談したところ、原因は「去年の聖羊祭日に穴の開いたドーナツを食べた」からとのこと。そのために羊男は「クリスマスソングを作曲できなくなる呪い」にかかってしまったそうなのです。呪いを解くために羊男は穴の開いていないドーナツを持って羊博士に言われた通り庭に掘った穴に落ちるのですが・・・

登場するキャラクター
羊男
全身羊の毛皮の衣装を被った男。
羊男は他の村上作品にも出てきます。「羊をめぐる冒険」では大いに活躍します。正体は不明だし、人間なのかも分かりません。この絵本の中では「羊男協会」なるものがあり、「羊男学校」というのもあるようです。ドーナツをつくるのがとても上手で、昼間はドーナツ屋さんで働いています。

羊博士
ドーナツが大好きな羊研究家。住んでいる家は植木は羊の形に刈り込まれていて、門柱や敷石まで何から何まで羊がモチーフになっています。

右ねじけと左ねじけ
ツイストドーナツの形をした顔の兄弟。お兄さんは左側にねじれていて地下の世界の門番をしています。弟は右側にねじれています。ねじれる方向が真逆なので性格も全く違いまが、2人ともねじれた性格です。

双子の208と209
「1973年のピンボール」にも出てくる208と209の番号の付いたTシャツを着た双子の少女。

海ガラスの奥さん
海の近くの崖の上に住んでいて、ちょっと意地悪な奥さんです。

なんでもなし
恥ずかしがり屋の男の子。名前もないようですが、やさしくて羊男に助言をくれます。

聖羊上人(せいひつじしょうにん)
2500年前のクリスマスイブに深さ203メートルの穴に落ちて死んでしまった小さな老人。

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