台湾/年賀 1988.12.1【World Topics Stamp Collection】

0

『可愛いヘビにもあふれる個性』

 12年間続く台湾の年賀切手は、統一パターンのユニークなデザインで知られ、今回の「ヘビ」はシリーズ2次の9回目に登場。シリーズ2次は、いずれもデザイナー荘珠妹さんの作品で、円形の干支を描き、バックに漢字で干支の名前が書かれている。円形の動物は、古来中国ではよく格言、諺、故事に登場するが、なかでも「ヘビ」はその回数が多い。これは「ヘビ」が賢い動物として特異なな存在感をもち、人間に与える印象が一番強いからだろう。そもそも、蛇以外の12支の動物は、直接文字とは関連がなく、例えば"子"が12支以外で「ネズミ」の意味になることはなく、丑、寅、卯以下すべて同様であるのに、"巳"だけは「ヘビ」そのものを表わす象形文字であるところなどは、自己主張の強い「ヘビ」らしいと言える。また日本では、ネ(ズミ)、ウシ、トラ、ウ(サギ)・・・と動物を実名で呼んでいるが、巳だけは「ヘビ」と呼ばす、「ミ」と呼んでいるのも特殊だ。「ミ」は、「ヘビ」が平安期のころまで「ヘミ」と呼ばれていて、その「ヘミ」が略されたものだという。いずれにしても、日本でも中国でも、「ヘビ」は独特の存在感をもつ、個性の強烈な持ち主であることには変わりなく、そんな中で発行された今回の切手は、カワイイ図案が妙にアンバランスで面白い。

※1988年当初の説明です。

#切手

Default