ノルウェー/クリスマス 1988.11.15【World Topics Stamp Collection】

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『ユニークな漫画のクリスマス切手』

 各国から例年発行されるクリスマス切手には、キリスト教関連図案が多いが、最近は夢のある、ユニークな図案のものが増えてきた。この切手は、クリスマスには直接関係はない、ノルウェーで人気の漫画家ヒエル・アウクルストの漫画主人公「ルドビク」が描かれている。

 ノルウェーは。ヨーロッパ諸国中、キリスト教に改宗するのが最も遅かった国のひとつである。10世紀頃から、ノルウェーの王族が国外に留学して洗礼をうけ、帰国して即位したのちに、率先してキリスト教の布教につとめたが、北欧神話に見れれるような、民衆の古来の信仰は根絶されなかった。したがって、ノルウェーでは、古代北欧のユール(Jul)の祝日をクリスマスとしている。

 このユールは、広くゲルマン人全般にあったろも言われているが。その実態は不明で、キリスト教定着以前の北欧では、個々の家庭や血族集団がかかわる収穫祭、豊穣祭の性格をもつ私的祭儀だったという。祝祭は、干し草作りや放牧家畜の囲込みなど、収穫作業を完了したあとの、冬至の前の時期(10月中旬から11月中旬まで)に行われた。人々は、この祭りで、豊穣神への感謝と祈願、血族構成員間のきずなの強化をはかり、古代北欧人の代表的な豊穣神フレイの聖獣である雄豚を供養したあとに、ビールを飲み、ご馳走を食べる風習をもっていたらしい。それが、16世紀の宗教改革以後、次第にキリスト降誕を祝う日になっていったが、今でも、ノルウェーのクリスマスは、他のヨーロッパ諸国と多少異質で、このクリスマス切手にもその伝統が見れれ面白い。

※1988年当初の説明です。

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