ビスタカー代替わりの四方山(?)話
こんにちは。本日は近鉄特急“ビスタカー”にまつわるお話です。 今からちょうど40年前、1979(昭和54)年の今頃は、ビスタカーの30000系電車への代替わりが進み、10100系電車が引退間近となっていた時期でした。 当ミュージアムの資料館に所蔵の『国鉄監修時刻表・昭和54年10月号』。10100系の引退直後にあたる時期に発行された時刻表になりますが、こちらを開いてみますと、近鉄の特急列車の時刻表に「新ビスタカー使用列車」、つまり30000系が使用される列車であることを示すマーク(Vに○印)が表記されています。この時刻表をもとに、近鉄特急の主役に躍り出たばかりの30000系の働きぶりを眺めてみることにしましょう。 ●名阪特急…近鉄難波⇔近鉄名古屋、所要約2時間30分 難波発 8:00☆、17:00☆、18:30、19:30 名古屋発 6:30、9:00☆、10:30、16:00☆ (☆印付きは鶴橋・名古屋間ノンストップ、所要約2時間15分) ●阪伊特急…近鉄難波⇔賢島、所要約2時間30分 難波発 7:20、9:20、10:20、12:20※、13:20、14:20、15:20 賢島発 10:00、12:00※、14:00、15:00、16:00、17:00、18:00 (いずれも鶴橋・宇治山田間ノンストップ、※印付きは土曜・休日のみビスタカーで運転) ●京伊特急…京都⇔賢島、所要約3時間 京都発 9:15、10:15 賢島発 12:20、13:20 ●名伊特急…近鉄名古屋⇔賢島、所要約2時間 名古屋発 8:25、9:25、10:25、11:25、13:25、14:25 賢島発 10:40、11:40、12:40、14:40、15:40、16:40 (いずれも名古屋・宇治山田間ノンストップ) ●阪奈特急…近鉄難波⇔近鉄奈良、所要約35分 難波発 19:35 奈良発 6:53、9:15 ●京奈特急…京都⇔近鉄奈良、所要約35分 京都発 8:30*、16:30、18:00 奈良発 7:45*、8:30、9:30 (*印付きは平日のみ運転) ●京橿特急…京都⇔橿原神宮前、所要約50分 京都発 15:40 橿原神宮前発 16:58 ◎京阪特急と湯の山特急には、ビスタカーによる列車運転は無し。 当ミュージアムの30000系の項にも記しましたが、伊勢方面発着の特急列車に重点的に投入されていることがよく分かりますね。 話は変わりまして、近鉄というとオーナーを務めていたプロ野球チーム・近鉄バファローズを思い浮かべる方、或いはファンだったという方も多くいらっしゃることでしょう。その近鉄バファローズが初めてパシフィック・リーグの年間優勝を果たした年というのが、ここでお話しした昭和54年、1979年でもあります。 30000系がデビューしたのは、この前年の暮れのこと。新しいビスタカーがデビューするや、バファローズもリーグ優勝を勝ち取ったということで、ビスタカーの車体に描かれた“V”のラインは、ビスタカー(VISTA CAR)を現すのではなくバファローズの優勝(Victory)を願ったものだったのだ、という噂も立ったとか立たなかったとか(笑)。 ちなみに、この昭和54年、1979年の日本シリーズの第7戦の9回裏、すなわち最終戦の最終回の日本一をかけた攻防こそ、広島東洋カープの江夏豊投手と近鉄バファローズの打線との対決による、いわゆる『江夏の21球』と呼ばれるプロ野球史上屈指の名勝負であります。 長々とお付き合いありがとうございました。 #ビスタカー #近鉄バファローズ #広島東洋カープ #1979年 #2019年
天鉄局
2018/05/023編成並んでいるということは、A編成+B編成のレジェンドコレクションとC編成を購入されたということでしょうかね。私もA+C+B編成の3重連を再現したくて購入しました。
この後継の3代目ビスターカーには何度も乗りましたが、10100系ビスタⅡには乗る機会がありませんでした。
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Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
2018/05/023編成の顔ぶれはおっしゃる通りの陣容です。私にとっての10100系の出会いも、廣田尚敬氏撮影のヤマケイレイルシリーズ『私鉄特急列車』でのさよなら3重連運転の姿でした。短命だった鉄道車両のほとんどは“不遇”の印象があり、この10100系にも決してそういった面が無いとは言い切れないでしょうけれども、そんな印象を打ち消して余りある程の短くとも太い車両人生だったと言えるのではないでしょうか。
当代のビスタカー改めビスタEXこと30000系は、10100系の分まで走っているかのような長寿電車となりました。大改修を受けているとは言えそう遠くない将来に引退の時が訪れるわけですが、こういった夢のある車両作りの姿勢は受け継がれていってほしいものですね。
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sat-2019
2020/03/03この流線型のデザイン、非常に俊逸で、子供のころから好きでした。
関東でも2階建て車両に乗れる機会が増えましたが、それでもビスタカーには一度は乗りたいと思うくらい、ビスタカーのブランドには今でも憧れます。
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Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
2020/03/04コメントありがとうございます。
単なる流線形というだけでなく、ツートンカラーの塗り分け線や大きな逆三角形の特急標識がうまくデザインされて、この唯一無二の顔立ちが出来上がっていますよね。
今や関東では2階建てグリーン車花盛りといった様相ですが、近鉄の作り上げた2階建て車両“VISTA CAR”のブランドは特別なものがありますね。
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