デマントイドガーネット(ロシア産)0.340ct
アンドラダイトガーネットはカルシウムを多く含むガーネット族"ウグランダイトグループ"のうち、更に鉄を主成分とするガーネットのことをいいます。
そのアンドラダイトガーネットが、クロムにより黄緑色から緑色に発色するようになったものが、デマントイドガーネットと呼ばれています。
中でも、石綿鉱床中に発見されるデマントイドはクリソタイルを内包することが多く、ロシア産をはじめとし、イラン、イタリア産の石にも見られ、ナミビア、マダガスカル等スカルン鉱床由来のものにない特徴です。いわゆる"ホーステールインクルージョン"というものです。
インクルージョンは宝石としては一般的に忌避されるものですが、ことロシア産のデマントイドガーネットに関しては程よいホーステールインクルージョンはどちらかといえば歓迎されています。
ロシアのデマントイドガーネットはロマノフ朝の宮廷を飾る宝石として、20世紀初めの王朝崩壊まで表舞台に出てきておりましたが、その後21世紀まで全く産出がありません。しかし、2000年代初頭、再度この石は日の目を見ます。
デマントイドガーネットの光の分散はダイヤモンドを上回ります。ラウンドブリリアントカットが施された真緑のものは、パライバトルマリンやインペリアルトパーズの上級品同様、そのグループの中で最高の評価を受けます。
これがそのうちのひとつ、ホーステールが輝きを阻害しない程度にほどよく内包され、色は真緑。ラウンドブリリアントカットのデマントイドガーネットの良い点が詰め込まれたものだと確信します。
鉱物名:ガーネット
宝石名:デマントイドガーネット(アンドラダイトガーネット)
組成:Ca3Fe2(SiO4)3
重量:0.340ct
産地: Korkodinskoe demantoid deposit (Karkodinskoe; Novo-Karkodinskoe), Korkodin, Ufaley District (Ufalei District), Verkhny Ufaley, Chelyabinsk Oblast, Russia
鑑別:日独宝石研究所
https://muuseo.com/SHMmin/items/301